5 / 6
第4話
しおりを挟む
「鬼島さん、昨日はすみませんでした」
通勤途中、義文のスマートフォンが震える。他者に見られることがないハヤトからのダイレクトメッセージだ。
「ボク、昔から悪ノリする癖があって」
義文はすぐに返事を打とうとするが、揺れる車内で思うようにいかない。
「ボク、いや、俺は学生時代うまくやっていたんですよ。それが今の会社に入ってボロボロに言われて、自信をなくして。せめてネットでは目立とうと思っちゃって」
「ハヤトさん」
義文は次々に流れてくる文字列に相手を呼ぶことしかできない。
「Kさんとスイさんには完全に嫌われてしまっただろうし、グループのほうは抜けます。最後に、あなたを貶すつもりは少しもありませんでした。ごめんなさい」
「ハヤトさ——」
義文は再び相手を呼ぼうとしたが、それは届くことなく、虚構へと吸い込まれていく。そして「このユーザーにはメッセージを送ることができません」と画面が無慈悲に告げていた。
水谷 隼人は駅近くの施設で柱を背に黄昏ていた。
「俺、最高にダセエよな……」
自らの行いを悔いる隼人。
あの場所は荒れた現代のオアシスだったはずだ。多少ふざけても許してくれる友人たち。だが、昨夜の彼は甘えるがあまり、無作法に一線を越えてしまった。
彼としては身を引くことでけじめはつけたつもりだが、後悔だけが降り積もっていく。
「仕事も辞めちまおうかな。なんて」
隼人は俯いてついそのようなことを口走る。
「あの、すみません」
次の瞬間、隼人の背後から忘れかけていた初春の風が吹き抜ける。柔らかさの中にひやりとした風を孕む懐かしい声色。
彼がはっとして顔を上げると、そこには一人の少女が憮然とした表情で立っていた。いや、背丈こそ低いが、その表情はもう一人の女性として扱うよう物語っている。
だが、痩躯でカジュアルな出で立ちとその顔立ちからか、隼人に動揺をもたらす。
「道路使用許可証です。そこ、わたしの場所なので動いてもらってもいいです?」
「あ、ああ」
その少女は隼人が自分に見惚れているとは露知らず、書状と大きな黒のハードケースで彼を押しのけた。
そうして少女のような女性はふう、と息を押し出す。
「……何を見てるんです?」
ジロジロと、無遠慮な視線を送る隼人を女性は訝しんだ。
「あ、いや。この辺りでは見ない顔だなって」
彼は咄嗟に嘘をつく。
ここ東京は個性が際立ち、また埋没する日本の都。どこを見渡しても人、ヒト、ひと。一人一人を記憶している余裕など持っている人間のほうが稀である。
「普段は上野のほうに通っていますので。ここへは高校の時以来でしょうか」
女性はケースから鈍く光るアコースティックギターを優しい手付きで取り出した。そして思い出に浸るかのようにボディを二、三度撫でる。
そしてストラップを身体に通し、ピンと張られた弦を滑るように弾いた。それは雑踏の中でもかなり響くほどの音量ではあったが、それで歩みを止める者は誰一人とていない。
女性はそれでも快調な相棒に満足そうに微笑み「お兄さんも良かったら聞いていってください」と淡桜色のピックを手にギターを弾いていく。
音楽は聞くのが専門だった隼人に彼女がどれほどの技量かは計り知れない。ただ、巧かった。
次に小さな身体からは想像のできないほどの声量に圧倒され、隼人と話していた時とは違う、温かみに溢れる声色が荒れていた彼の心に広く染み渡った。
それは通勤路を急ぐ人々にも伝わったのか、立ち止まる者は存在しなかったが、皆が皆、春が訪れたあの日を思い出した。
「君は――」
隼人が演奏を終えた女性に声をかけようとした瞬間。
「おおい、水谷―!」
遠くから腹を震わせる低い声が響いた。
「あ、木島さん。いけね、こんな時間だ」
スマートフォンで時間を確認した隼人が弾き語りの女性に軽く頭を下げると木島の元に駆け寄った。
どこか楽しそうに立ち去る二人を見、女性は柔らかい笑みを浮かべて「そっか、あなたも居場所を見つけたんだね」と呟いた。
そして慌ただしさの片隅で彼女は歌い続ける。
色彩豊かな希望に溢れる歌を。
いのりと瑞季は食事が美味いと評判の居酒屋で吞んでいた。
「この前のアレさ、スイはどう思う?」
酔っているのか、胸元を大きくはだけたいのりが問う。彼女は皿が乱雑に並べられた机からロックグラスを摘まみ取り、カランカランと小気味の良い音を奏でている。
「ハヤトさんの件ですか。あれはどう考えても彼が悪いと思います」
瑞希は憮然とした様子で炭酸の抜けた「とりあえず生」をグイッと飲み干し、顔を赤くして返す。
「そうよねえ。ま、同じ考えで口に出さなかっただけのあたしも同類だけど」
「いのりさんは悪くないです!」
いのりは煌びやかな時代を氷の中に夢想し「そうは言ってくれるけどね」と高濃度アルコールで喉を焼いて口を開く。
「あれ以来、空気が気まずくなって鬼島さんの発言を最後にチャットは止まってる。まあ、何か言えた雰囲気じゃないしね。このまま解散かな」
言葉とは裏腹に、いのりの表情には影一つ見えない。
「でも、折角仲良くなれたのに……」
「もうどうこう言えないでしょアレは」
空のジョッキを手にしたまま消沈する瑞季。彼女の狭い肩を平手でポンポンと叩き「ま、もう忘れてさぁ」と笑ってみせるいのり。
「二人で新しい出会いでも探そうよ。かわりの人なんて沢山居るわけだし」
悪びれない様子のいのりを瑞季は目を細めて見つめる。
「……いのりさんは、一度うまくいかなかったからと鬼島さんやハヤトさんを見捨てるんですか」
感情を押し殺した瑞季の声。
「他人なんてさ」
それを察してか、察せずにいたのか。いのりは自らの内に溜まったものを撒き散らすかのように口早に語る。
「この日本で一億以上。ここ東京だけでも一千万も居るんだよ。少しでも合わなかったらサヨナラ。それでいいじゃない」
「ちょっといのりさんのこと、見損ないました。そんなことを言う人だったなんて」
瑞希は視線を落とし、手をぎゅっと握りしめる。その顔には明らかに落胆の色が見えた。
いのりはそんな彼女を前にしても冷静なままアルコールで喉を洗い「怒った? でもね」と言葉を続ける。
「今言ったことは本心よ。いい、スイ。あんたはまだ若いから分からないと思うけど、人生ってのは取捨選択の連続なの。何を残し、何を捨てるのか――」
いのりは怒れる瑞季のなかに、かつての自分を見ていた。
夢を追って上京した彼女。
長かった下積み時代。
栄光と挫折、裏切り……そして人間不信。
信じたから傷付いた。
信じていたから裏切られた。
いのりは瑞季にそういう思いをしてほしくはない。その一心で鈍る声帯に酒を絡ませ、老婆心に任せて発言をする。
「……だったら」
俯いていた瑞季が熱にうなされているような顔でいのりを静かに睨みつけた。
「私がいのりさんを『切る』と言ったら、どうしますか」
「スイはそんなことは言わない。いいえ、言えない。だって、あたしたちはお互いに必要としているじゃない?」
瑞希の目の前には歳を積み重ねて擦れた大人が座っていた。青々しい彼女からすれば魔女ともいえる様相で。
「……」
瑞希は押し黙るほかなかった。
会社に居場所はない。
高校・専門学校時代の友人たちはそれぞれ多忙そうで禄に連絡が取れない。
そんな飯野 瑞希の居場所はインターネットだけだった。文字と、声だけのやり取りだけがそこに居る理由だった。
その中でもいのりの存在は大きい。
年上で余裕があって、何でも相談に乗ってくれる頼れる姉貴分。
「ね? あたしたちは繋がってしまった。一旦繋がった縁は中々解けないのよ」
いのりは薄まったロックグラスの中身を飲み干し、結露したそれを机へ静かに置く。
「二人は。他の二人は……」
「何度も言わせないで。男なんて消耗品。放っておいても次から次に湧いて出てくるから」
いのりは静かに、だが極めて強い言葉で言い放つ。
暫しの静寂。
他の客たちの楽しそうな笑い声の中、いのりは瑞季を見つめ、瑞季はその視線から逃れるように俯いていた。
「……しばらく時間をください。いのりさんが私の友人として相応しいか」
「あなたは戻ってくる。絶対にね」
いのりは伏せられた伝票を取り、立ち上がると瑞季に振り返ることなく、店から去って行った。
「私は……」
活気溢れる店内で、瑞季だけが下を向いていた。
通勤途中、義文のスマートフォンが震える。他者に見られることがないハヤトからのダイレクトメッセージだ。
「ボク、昔から悪ノリする癖があって」
義文はすぐに返事を打とうとするが、揺れる車内で思うようにいかない。
「ボク、いや、俺は学生時代うまくやっていたんですよ。それが今の会社に入ってボロボロに言われて、自信をなくして。せめてネットでは目立とうと思っちゃって」
「ハヤトさん」
義文は次々に流れてくる文字列に相手を呼ぶことしかできない。
「Kさんとスイさんには完全に嫌われてしまっただろうし、グループのほうは抜けます。最後に、あなたを貶すつもりは少しもありませんでした。ごめんなさい」
「ハヤトさ——」
義文は再び相手を呼ぼうとしたが、それは届くことなく、虚構へと吸い込まれていく。そして「このユーザーにはメッセージを送ることができません」と画面が無慈悲に告げていた。
水谷 隼人は駅近くの施設で柱を背に黄昏ていた。
「俺、最高にダセエよな……」
自らの行いを悔いる隼人。
あの場所は荒れた現代のオアシスだったはずだ。多少ふざけても許してくれる友人たち。だが、昨夜の彼は甘えるがあまり、無作法に一線を越えてしまった。
彼としては身を引くことでけじめはつけたつもりだが、後悔だけが降り積もっていく。
「仕事も辞めちまおうかな。なんて」
隼人は俯いてついそのようなことを口走る。
「あの、すみません」
次の瞬間、隼人の背後から忘れかけていた初春の風が吹き抜ける。柔らかさの中にひやりとした風を孕む懐かしい声色。
彼がはっとして顔を上げると、そこには一人の少女が憮然とした表情で立っていた。いや、背丈こそ低いが、その表情はもう一人の女性として扱うよう物語っている。
だが、痩躯でカジュアルな出で立ちとその顔立ちからか、隼人に動揺をもたらす。
「道路使用許可証です。そこ、わたしの場所なので動いてもらってもいいです?」
「あ、ああ」
その少女は隼人が自分に見惚れているとは露知らず、書状と大きな黒のハードケースで彼を押しのけた。
そうして少女のような女性はふう、と息を押し出す。
「……何を見てるんです?」
ジロジロと、無遠慮な視線を送る隼人を女性は訝しんだ。
「あ、いや。この辺りでは見ない顔だなって」
彼は咄嗟に嘘をつく。
ここ東京は個性が際立ち、また埋没する日本の都。どこを見渡しても人、ヒト、ひと。一人一人を記憶している余裕など持っている人間のほうが稀である。
「普段は上野のほうに通っていますので。ここへは高校の時以来でしょうか」
女性はケースから鈍く光るアコースティックギターを優しい手付きで取り出した。そして思い出に浸るかのようにボディを二、三度撫でる。
そしてストラップを身体に通し、ピンと張られた弦を滑るように弾いた。それは雑踏の中でもかなり響くほどの音量ではあったが、それで歩みを止める者は誰一人とていない。
女性はそれでも快調な相棒に満足そうに微笑み「お兄さんも良かったら聞いていってください」と淡桜色のピックを手にギターを弾いていく。
音楽は聞くのが専門だった隼人に彼女がどれほどの技量かは計り知れない。ただ、巧かった。
次に小さな身体からは想像のできないほどの声量に圧倒され、隼人と話していた時とは違う、温かみに溢れる声色が荒れていた彼の心に広く染み渡った。
それは通勤路を急ぐ人々にも伝わったのか、立ち止まる者は存在しなかったが、皆が皆、春が訪れたあの日を思い出した。
「君は――」
隼人が演奏を終えた女性に声をかけようとした瞬間。
「おおい、水谷―!」
遠くから腹を震わせる低い声が響いた。
「あ、木島さん。いけね、こんな時間だ」
スマートフォンで時間を確認した隼人が弾き語りの女性に軽く頭を下げると木島の元に駆け寄った。
どこか楽しそうに立ち去る二人を見、女性は柔らかい笑みを浮かべて「そっか、あなたも居場所を見つけたんだね」と呟いた。
そして慌ただしさの片隅で彼女は歌い続ける。
色彩豊かな希望に溢れる歌を。
いのりと瑞季は食事が美味いと評判の居酒屋で吞んでいた。
「この前のアレさ、スイはどう思う?」
酔っているのか、胸元を大きくはだけたいのりが問う。彼女は皿が乱雑に並べられた机からロックグラスを摘まみ取り、カランカランと小気味の良い音を奏でている。
「ハヤトさんの件ですか。あれはどう考えても彼が悪いと思います」
瑞希は憮然とした様子で炭酸の抜けた「とりあえず生」をグイッと飲み干し、顔を赤くして返す。
「そうよねえ。ま、同じ考えで口に出さなかっただけのあたしも同類だけど」
「いのりさんは悪くないです!」
いのりは煌びやかな時代を氷の中に夢想し「そうは言ってくれるけどね」と高濃度アルコールで喉を焼いて口を開く。
「あれ以来、空気が気まずくなって鬼島さんの発言を最後にチャットは止まってる。まあ、何か言えた雰囲気じゃないしね。このまま解散かな」
言葉とは裏腹に、いのりの表情には影一つ見えない。
「でも、折角仲良くなれたのに……」
「もうどうこう言えないでしょアレは」
空のジョッキを手にしたまま消沈する瑞季。彼女の狭い肩を平手でポンポンと叩き「ま、もう忘れてさぁ」と笑ってみせるいのり。
「二人で新しい出会いでも探そうよ。かわりの人なんて沢山居るわけだし」
悪びれない様子のいのりを瑞季は目を細めて見つめる。
「……いのりさんは、一度うまくいかなかったからと鬼島さんやハヤトさんを見捨てるんですか」
感情を押し殺した瑞季の声。
「他人なんてさ」
それを察してか、察せずにいたのか。いのりは自らの内に溜まったものを撒き散らすかのように口早に語る。
「この日本で一億以上。ここ東京だけでも一千万も居るんだよ。少しでも合わなかったらサヨナラ。それでいいじゃない」
「ちょっといのりさんのこと、見損ないました。そんなことを言う人だったなんて」
瑞希は視線を落とし、手をぎゅっと握りしめる。その顔には明らかに落胆の色が見えた。
いのりはそんな彼女を前にしても冷静なままアルコールで喉を洗い「怒った? でもね」と言葉を続ける。
「今言ったことは本心よ。いい、スイ。あんたはまだ若いから分からないと思うけど、人生ってのは取捨選択の連続なの。何を残し、何を捨てるのか――」
いのりは怒れる瑞季のなかに、かつての自分を見ていた。
夢を追って上京した彼女。
長かった下積み時代。
栄光と挫折、裏切り……そして人間不信。
信じたから傷付いた。
信じていたから裏切られた。
いのりは瑞季にそういう思いをしてほしくはない。その一心で鈍る声帯に酒を絡ませ、老婆心に任せて発言をする。
「……だったら」
俯いていた瑞季が熱にうなされているような顔でいのりを静かに睨みつけた。
「私がいのりさんを『切る』と言ったら、どうしますか」
「スイはそんなことは言わない。いいえ、言えない。だって、あたしたちはお互いに必要としているじゃない?」
瑞希の目の前には歳を積み重ねて擦れた大人が座っていた。青々しい彼女からすれば魔女ともいえる様相で。
「……」
瑞希は押し黙るほかなかった。
会社に居場所はない。
高校・専門学校時代の友人たちはそれぞれ多忙そうで禄に連絡が取れない。
そんな飯野 瑞希の居場所はインターネットだけだった。文字と、声だけのやり取りだけがそこに居る理由だった。
その中でもいのりの存在は大きい。
年上で余裕があって、何でも相談に乗ってくれる頼れる姉貴分。
「ね? あたしたちは繋がってしまった。一旦繋がった縁は中々解けないのよ」
いのりは薄まったロックグラスの中身を飲み干し、結露したそれを机へ静かに置く。
「二人は。他の二人は……」
「何度も言わせないで。男なんて消耗品。放っておいても次から次に湧いて出てくるから」
いのりは静かに、だが極めて強い言葉で言い放つ。
暫しの静寂。
他の客たちの楽しそうな笑い声の中、いのりは瑞季を見つめ、瑞季はその視線から逃れるように俯いていた。
「……しばらく時間をください。いのりさんが私の友人として相応しいか」
「あなたは戻ってくる。絶対にね」
いのりは伏せられた伝票を取り、立ち上がると瑞季に振り返ることなく、店から去って行った。
「私は……」
活気溢れる店内で、瑞季だけが下を向いていた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる