最強ご主人様はスローライフを送りたい

卯月しろ

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十九章

閑話 マシロ家の一人娘

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スゥの名前はスゥ。
パパとママの一人娘なの。
今はしょうがない理由があってパパしか一緒じゃないけど、その分精一杯甘やかしてくれるパパが大好きな愛娘です。

そんなスゥは今、パパを尾行してる最中なの。
んみゅ?
"どうして?"
そんなの決まってるの。
最近、パパが何か隠し事をしてるみたいなの………。
お部屋に入ろうとしたら慌ててダメって言われちゃうし、帰るのがいつもより遅いなぁ~………って思って聞いたら、むにゃむにゃしてあんまり答えてくれないし………。
"おんなのかん"でピンと来たの。
パパ、絶対に何か隠してる…………って。

"浮気?"

パパがそんなことするはずない無いの。
パパはお姉ちゃん達とスゥが大好きで、皆が悲しむことは絶対しないの。
パパは──────あっ、パパが行っちゃったの!
急いで追いかけなきゃ………!

物陰をコソコソ、おっきなお馬さんの横でコソコソ、お店の看板の後ろでコソコソ…………。

なんだかちょっと楽しくなってきちゃったの。


「…………ん?」
「っ!」


パ、パパがいきなり振り返ったの………!
あわてて木さんに隠れたけど………見つからなかったかな………?
かくれんぼをしてるみたいで楽しいけど、今日のスゥは優秀なスパイさん。
見つかったら命は無いの。

ドキドキしながらそっと見たら、パパは首を傾げながら歩いてたの。
バレなかったみたい。
やったの!
ふっふっふっ、このままパパの秘密を暴いてやるの!



それからも"ぱーふぇくとすぱい"スゥさんの追跡は続いたの。


「あれは………ん~、よく見えないの………」


パパがお店で何か見てる。
すっごく悩んでるみたいだけど、遠くてあんまり見えないの。
しかも人がすっごく多いの。
あっちに行ったりこっちに行ったり………お祭りみたいなの。


「あうっ」
「…………あん?」


あわわ、よそ見してたら誰かにぶつかっちゃったみたいなの!
こういう時はすぐに謝るってパパに教わったの!


「ご、ごめんなさいなの………」
「おう。嬢ちゃんこそ、ケガはねぇか?」


ちゃんとごめんなさいしたら、ぶつかったおじさんが怒らないで心配してくれたの。
やっぱりパパの言った通り、ごめんなさいは大切なの。
おじさんは転んじゃったスゥを起こしてくれて、首を傾げてこう言ったの。


「嬢ちゃん、もしかして迷子か?」


もうっ、失礼なおじさんなの!
スゥは"ぱーふぇくとすぱい"さん。
今も犯人パパを尾行してる真っ最中なの。


「"パパが何か隠してるから、そっと後を着いてきた"だぁ………?」
「みゅ。何か?」
「い、いや何でもねぇ………」


おかしいの。
なぜかおじさんの笑顔が引き攣ってる気がする………。
まぁそんなのはどうでもいいの。
早くパパを───────あっ。


「パパを見失っちゃったの………」


尾行失敗。
ガーンッ………って落ち込んじゃってスゥは四つん這いに崩れ落ちたの。
"ぱーふぇくとすぱい"さんの初任務だったのに………。
そうやって落ち込んでたら、おじさんが声をかけてくれたの。


「諦めるのは早いぜ、嬢ちゃん」
「みゅ?」
「おい野郎ども!」
「「「おう」」」
「みゅ!?」


おじさんが増えたの。
あ、違うの。
たぶんずっとおじさんの後ろでスゥの話を聞いてくれてたんだけど、スゥがパパのことばっかり考えてて気付かなかったの。
みゅ、パパへの愛が大きすぎてごめんなさい。


「嬢ちゃん、これで見えるか?」
「みゅ!ありがとうなの!」
「良いってことよ」


おじさんがスゥを肩に乗せてくれたら、すっごく高くて周りがよく見えるようになったの。
これならパパを見つけられそうなの!


「…………あっ、居たの!」
「お。どいつだ?嬢ちゃんのパパってのは」
「あそこの剣を持ってる人なの!」
「ああ、あの金髪の兄ちゃんか。中々いい男じゃ─────」
「違うの。その横の白い髪の人がパパなの」
「あ!?」


肩に乗せてくれたおじさんだけじゃなくて、周りのおじさん達までびっくりしたような顔をしてるの。
?スゥ何かおかしなこと言ったのかな………。


「あれが一児の父だと………」
「兄とか姉ではなく?」
「…………"アリ"だな」
「「「「   え?   」」」」


よく分かんないけど一人のおじさんに視線が集中するけど、それよりも。


「………あっ、パパが行っちゃうの!」
「む!追いかけるぞ………!」


今度はおじさん達と建物の影をコソコソ、お店の脇道からコソコソ。
しばらく追いかけてやっとパパが立ち止まったから、見つからないように少し離れた建物の角からひょっこり顔だけ出してパパを見張るの。


「…………お、おい、あれ!」


スゥの下で向こうを見てたおじさんが、急に驚いたみたいな大きな声を出したの。
パパにバレちゃう………!
他のおじさん達とそのおじさんをポコポコしてたら、何やら言い訳があるみたいで。
ほう、言ってみなさいなの。


「あれ、見てみろ」
「みゅ?──────あっ!?」


スゥとおじさんの視線の先には、もちろんパパの姿。
でも…………さっきまでとは一つ、明らかに違うところがあるの。
パパが…………女の人と一緒にいる………!?


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