364 / 405
十九章
閑話 マシロ家の一人娘
しおりを挟むスゥの名前はスゥ。
パパとママの一人娘なの。
今はしょうがない理由があってパパしか一緒じゃないけど、その分精一杯甘やかしてくれるパパが大好きな愛娘です。
そんなスゥは今、パパを尾行してる最中なの。
んみゅ?
"どうして?"
そんなの決まってるの。
最近、パパが何か隠し事をしてるみたいなの………。
お部屋に入ろうとしたら慌ててダメって言われちゃうし、帰るのがいつもより遅いなぁ~………って思って聞いたら、むにゃむにゃしてあんまり答えてくれないし………。
"おんなのかん"でピンと来たの。
パパ、絶対に何か隠してる…………って。
"浮気?"
パパがそんなことするはずない無いの。
パパはお姉ちゃん達とスゥが大好きで、皆が悲しむことは絶対しないの。
パパは──────あっ、パパが行っちゃったの!
急いで追いかけなきゃ………!
物陰をコソコソ、おっきなお馬さんの横でコソコソ、お店の看板の後ろでコソコソ…………。
なんだかちょっと楽しくなってきちゃったの。
「…………ん?」
「っ!」
パ、パパがいきなり振り返ったの………!
あわてて木さんに隠れたけど………見つからなかったかな………?
かくれんぼをしてるみたいで楽しいけど、今日のスゥは優秀なスパイさん。
見つかったら命は無いの。
ドキドキしながらそっと見たら、パパは首を傾げながら歩いてたの。
バレなかったみたい。
やったの!
ふっふっふっ、このままパパの秘密を暴いてやるの!
それからも"ぱーふぇくとすぱい"スゥさんの追跡は続いたの。
「あれは………ん~、よく見えないの………」
パパがお店で何か見てる。
すっごく悩んでるみたいだけど、遠くてあんまり見えないの。
しかも人がすっごく多いの。
あっちに行ったりこっちに行ったり………お祭りみたいなの。
「あうっ」
「…………あん?」
あわわ、よそ見してたら誰かにぶつかっちゃったみたいなの!
こういう時はすぐに謝るってパパに教わったの!
「ご、ごめんなさいなの………」
「おう。嬢ちゃんこそ、ケガはねぇか?」
ちゃんとごめんなさいしたら、ぶつかったおじさんが怒らないで心配してくれたの。
やっぱりパパの言った通り、ごめんなさいは大切なの。
おじさんは転んじゃったスゥを起こしてくれて、首を傾げてこう言ったの。
「嬢ちゃん、もしかして迷子か?」
もうっ、失礼なおじさんなの!
スゥは"ぱーふぇくとすぱい"さん。
今も犯人を尾行してる真っ最中なの。
「"パパが何か隠してるから、そっと後を着いてきた"だぁ………?」
「みゅ。何か?」
「い、いや何でもねぇ………」
おかしいの。
なぜかおじさんの笑顔が引き攣ってる気がする………。
まぁそんなのはどうでもいいの。
早くパパを───────あっ。
「パパを見失っちゃったの………」
尾行失敗。
ガーンッ………って落ち込んじゃってスゥは四つん這いに崩れ落ちたの。
"ぱーふぇくとすぱい"さんの初任務だったのに………。
そうやって落ち込んでたら、おじさんが声をかけてくれたの。
「諦めるのは早いぜ、嬢ちゃん」
「みゅ?」
「おい野郎ども!」
「「「おう」」」
「みゅ!?」
おじさんが増えたの。
あ、違うの。
たぶんずっとおじさんの後ろでスゥの話を聞いてくれてたんだけど、スゥがパパのことばっかり考えてて気付かなかったの。
みゅ、パパへの愛が大きすぎてごめんなさい。
「嬢ちゃん、これで見えるか?」
「みゅ!ありがとうなの!」
「良いってことよ」
おじさんがスゥを肩に乗せてくれたら、すっごく高くて周りがよく見えるようになったの。
これならパパを見つけられそうなの!
「…………あっ、居たの!」
「お。どいつだ?嬢ちゃんのパパってのは」
「あそこの剣を持ってる人なの!」
「ああ、あの金髪の兄ちゃんか。中々いい男じゃ─────」
「違うの。その横の白い髪の人がパパなの」
「あ!?」
肩に乗せてくれたおじさんだけじゃなくて、周りのおじさん達までびっくりしたような顔をしてるの。
?スゥ何かおかしなこと言ったのかな………。
「あれが一児の父だと………」
「兄とか姉ではなく?」
「…………"アリ"だな」
「「「「 え? 」」」」
よく分かんないけど一人のおじさんに視線が集中するけど、それよりも。
「………あっ、パパが行っちゃうの!」
「む!追いかけるぞ………!」
今度はおじさん達と建物の影をコソコソ、お店の脇道からコソコソ。
しばらく追いかけてやっとパパが立ち止まったから、見つからないように少し離れた建物の角からひょっこり顔だけ出してパパを見張るの。
「…………お、おい、あれ!」
スゥの下で向こうを見てたおじさんが、急に驚いたみたいな大きな声を出したの。
パパにバレちゃう………!
他のおじさん達とそのおじさんをポコポコしてたら、何やら言い訳があるみたいで。
ほう、言ってみなさいなの。
「あれ、見てみろ」
「みゅ?──────あっ!?」
スゥとおじさんの視線の先には、もちろんパパの姿。
でも…………さっきまでとは一つ、明らかに違うところがあるの。
パパが…………女の人と一緒にいる………!?
11
あなたにおすすめの小説
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる