ち○○で楽しむ異世界生活

文字の大きさ
49 / 111

49 反芻

しおりを挟む
 アンナと朝食を済ませたあとに風呂に入り、自室の椅子に座って一人で呆けている。
 アンナになにかを話したと思うが、なにを話したのか憶えていない。
 幻のような夜だった。が、ひりつくちんこがまぎれもなく現実だったことを示している。
 童貞を捨てた夜もここまで凄い興奮は無かった。
 肉体、技術、所作、品位、言葉遣い。
 アンナのすべては男を愉しませるためだけに存在しているかのようだった。
 自室でなにか仕事でもしようかと思っても呆けてしまって、昨日の快感を反芻してしまっている。
 いつもは女性をイカせることで満足感を憶えていたが、極上の射精というのも凄いものなんだな。

 それにしてもあの中の感触はなんだったんだ?むさぼるようにアンナを求めてしまった。アソコの相性がいい女性とも寝たことはあるけれど、王家だと言うだけであんなエゲつない名器に産まれつくなどということがあるのか?
 ・・・!?
 日付けか?
 わざわざ抱かれる日を指定してきたのはこういう意味か!
 女性の肉体は日によって違う。愛液がサラサラの日もあれば、粘りが強い日もある。月経周期から計算しているのか食べ物で体質改善をしているのか細かい方法までは分からないが、とにかくアンナは自分の性器が男にとって一番いい状態になる日というものを知っているのか。
 これもおそらくマハカム王家の秘儀のようなものなのだろう。

 女性を抱かせて情報を抜くなど諜報の基本中の基本なのだろうが、アンナはそういうレベルではない。男をアホにさせ国を傾けさせるために、訓練と教育と研究によって作られた女性だ。発想としては俺がリタやリザに仕込んだことに近いが・・・
 彼女たちとアンナの一番の違いは、プライドの置き所だな。
 個人としてのプライドや欲求がアンナには一切感じられない。
 卑屈だとか自分が無いという感じではない。
 王女がセックスをする相手には、自分の祖国の未来がかかっている。だから最初から自分の意志や個人としてのタブーやプライドなどベッドに持ちこまず、訓練されたことだけを忠実にやる。
 全裸で這いつくばって皿で水を飲め、と命令してもアンナは俺が止めるまで続けるだろう。
 確実に男を骨抜きできる方法で国を潰すことがアンナのプライドの在り方かもしれない。これはこれでなかなかに怖い。
 サーシャたちが武器だとしたら、アンナは兵器だ。

 ありゃ片手間でどうこうなるような女性じゃないな。
 自分の仕事を全て他の人間にブン投げて、ようやく五分になれる相手だ。
 ここまで骨抜きにされた経験は一度も無い。イカせた快感を反芻することはあっても、イった経験を反芻したことも無い。身体の構造上、女性の方が深くイケるように出来ていて、男の射精なんてたいした快楽でもないもんだと思い込んでいた。
 世界は広いというよりも、異世界の性知識スゲーな。
 そりゃ国ごと乗っ取られたり滅びたりしちゃうな。こわっ。

 まぁ一方的にやり込められたという感覚でも無い。
 収穫もあった。
 挿入時のアンナの反応は、必ずイくタイプの女性の反応だった。おそらくポイントは前のかなり浅い位置にある。一度イカせれば完全に尻に敷かれることも無い・・・と思いたい。
 そういえば処女を相手にするのは初めてだな。
 単純に経験人数が多い方が女性は中でイきやすい。となると数をこなさないといけないか。
 五回・・・いや・・・七回かな。ヘタすりゃ十回以上かかるかもしれない。下地作りからだもんな。
 ・・・あのアンナを相手にか?大仕事だなこりゃ。
 まずは俺がアンナを求めているということを前に出して、こちらが攻める側に回らないと始まらない。

 あとはアンナの精神状態だな。
 正直なところ、よく分からない。
 王女様のお相手なんてしたことが無いからなぁ。
 性に奔放でも中でイケない女性もいる。求められ抱かれることがセックスだと思っているか、男を射精に導くことがセックスだと思っている女性だとしたら、中イキのハードルは上がる。
 セックスに抵抗感が無いことを前提とした上で、肉体や心理が快感で変化することに恐怖や抵抗があるようであれば中イキまでは導きづらい。

 ただのセックスだの、溺れてもいいだの、ヌルい考えでは本当に骨抜きになってしまうな。まぁ死んでもいいから味わいたいレベルの内容だったけれど、サーシャを含め他の女性たちの先を考えるとアンナの快楽に溺れていいワケがない。セックスしていない時間に一人の女のことばかり考えているだけで二度目の人生が終わってしまうというのも・・・まぁそれはそれで幸せな気がするけれど・・・
 それはそれとして、だ。
 金髪碧眼の美女が死ぬような世界などやっぱりイヤだ。
 せっかくこの世界を変えられるだけの知識を持ったまま二度目の人生を送っているのだから、やれるだけのことはやっておきたい。

 マハカムの織物をアンナが俺に贈ったことの意味というものも分かった気がする。
 織物の方はこちらを混乱させるダミーで、本命はあくまでアンナだ。贈り物自体に意味があるようには思えない。もしくは本当にアンナがここで働いてくれている女性たちに贈りたくて個人的に持ってきたのか。彼女はちょっと天然っぽいものな・・・
 逆に考えれば、アンナをどうにかできたらマハカムには大きいカードが無くなる。アンナと同レベルで男と寝れる女性がもっといるとしたら、マハカムはとうにカードを使っているはずだ。・・・そうであってくれないとアレは危険すぎる。
 まさか俺のちんこにこの国の未来がかかるような状況になってしまうとはなぁ。

 ・・・少しだけ俺を刺した女性の気持ちが分かった気がする。
 あれほどの熱量のセックスをした上で、アンナに冷たくあしらわれたら男のほうは頭がオカしくなってしまうだろうな。この手の駆け引きで男が女性に敵うワケが無い。
 中でイく女性の心理ってこういう感覚なのか・・・
 この感情をしっかりと憶えておかないと、この世界でも誰かに刺されそうだな。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜

夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。 不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。 その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。 彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。 異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!? *小説家になろうでも公開しております。

処理中です...