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166話 立ちふさがるコープ
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〈コープ視点〉
僕の願いは、世界中全ての人々が幸せになる事。
でも人は皆、考え方も性格も、何もかもが違う。
それなら皆、一人の個性にしてしまえばいい。それにふさわしい人格こそが、この僕、プロフェッサー・コープだ。
皆をコープにしてしまえば、皆が皆僕を愛しあい、争いごとも無くなって、皆ハッピーだ。
だから皆でコープになろう。コープになれば毎日が幸せだ。世界中全員がコープになれば、この世は理想の世界となる。
「ああ、なんて僕は優しいドワーフなんだ。僕の昔からの夢、世界平和! その実現のためにも僕は、数多の困難を乗り越えてきた!」
「素敵だよコープ! 最高だよコープ! 僕の意志こそ世界の意志! コープこそが平和の証! 今こそ実現するために!」
『さぁ! 愛すべき僕達で今! 平和への道筋を立てよう!』
異空間の中央には、僕達が用意した魔法陣がある。
ここで魔法をかければ、全世界に特効薬の雨を降らせられる。皆が雨水を飲めば、病気も治って、人格が僕に上書きされる。これで人間と魔王軍の戦争も終わりになるんだ。
ちょっと長い詠唱が必要になるけど、世界平和実現のカウントダウンと思うと、不思議と苦じゃなくなる。むしろお楽しみのためのワクワクが大きくなるばかり。
さぁ、今こそ僕達の理想を叶えるための一歩を踏み出そう!
「そこまでだ!」
勿論、目の前の障害を取り除いてからね♪
◇◇◇
〈ディック視点〉
どうやら、ぎりぎり間に合ったみたいだな。
ソユーズと共に壁を切り開いて、僕らはコープの居る場所までたどり着いた。
魔法陣が展開され、中央に二人のコープが並び立っている。奴らは僕らを見るなり狂った笑みを浮かべ、フェイスのコープが僕に歩み寄ってきた。
「やぁディック! それにイザヨイも、歴史的瞬間の立ち合いに来てくれたんだね」
「馬鹿なことを抜かすな、止めに来たんだ。お前のその、私利私欲に塗れた野望を」
刀を抜き、僕はコープを睨みつけた。
するとハヌマーンが勝手に装備されて、光り輝く。コープはにやりとするなり、エンディミオンを抜いた。
「アンチ魔導具のハヌマーンかぁ、エンディミオンの数少ない天敵だよねぇ」
「やっぱり知っていたか」
「当然だよ、だって僕はコープだよ? 僕の知らない事なんて何にもないんだもん!」
コープは高笑いすると、僕らにエンディミオンを突きつける。あの剣は握るだけで、途方もない孤独感に苛む副作用がある。
フェイスはエンディミオンに心を壊されていたから耐えられたけど、コープはそれをものともせず使っているのか……狂人のメンタル、尋常じゃないな。
「ふふふん、アンチ魔導具ハヌマーンでも、対応できない部分があるのは分かっているよ。覚醒の力、それを使えば攻撃が通るようになる。僕ってば勉強熱心でしょお? 理想のためならどんな努力だって怠らない! それがプロフェッサー・コープの心意気って奴なのさぁ!」
「その努力をどうして、他の所に活かせなかったんだ」
お前のその知識、技術力……個人で持つには、あまりにも大きすぎる力だ。
私利私欲で使うのではなく、他の用途で使っていたら……いいや、考えるだけ無駄だな。
「お前は、母さんの命を理不尽に奪った男だ……絶対、絶対に許さない! 必ず僕の手で、お前を! 殺してやる!!」
「あはははは! 恐い恐い、どうしようか僕、こんなに怒った人は初めてだよ」
「それならこっちが殺し返しちゃったら? だって僕には、エンディミオンがあるんだもん」
「それもそうだね、最強の魔導具エンディミオン。これさえあれば、僕ならば! 魔王軍の英雄ディックであったとしても倒す事が出来るもん!」
「勿論僕も協力するよ僕! 夫のピンチに手を貸すのは妻の役目だからね!」
「ではぼくは全力で僕を守ろう! 妻を守るのは夫の責務だからね!」
二人のコープが立ちふさがる。どうやら……一筋縄ではいかない相手のようだな。
「皆、力を貸してくれ。あの狂人を何としても倒し、この馬鹿げた茶番を終わらせる。そのためにも!」
「分かっている、俺達の力、思う存分使うがいい!」
「……このようなふざけた相手に、もはや何の遠慮もせん」
「とっとと潰して、私達の大事な場所を守っちゃいましょう!」
四天王が臨戦態勢に入った。シラヌイも僕の隣に立って、シュヴァリエを握りしめた。
『奴が何をしてくるか分からぬ以上、充分注意しろ、二人とも』
「分かってる。あいつみたいに命を弄ぶような不届き者は」
『完膚なきまでに叩き潰す。そうであろう、主よ』
「ああ……いくぞハヌマーン!」
最初から全開で行く! ハヌマーンの力を受け、僕は覚醒した。
硬質な翼が生え、全身が悪魔のような姿に変わり、体の奥底から力があふれてくる。ハヌマーンの覚醒した姿を見て、コープはまた興奮し始めた。
「ひゃー! 初めて見るけどおったまげたなぁ! それじゃあ僕も、エンディミオンの力を使ってみようかなぁ!」
言うなりコープは、エンディミオンの覚醒の力を使った。
フェイスと同じように、天使を思わせる姿へ変身してしまう。あいつ……エンディミオンの力まで自在に使えるのか。
気を付けないと、皆の力をコピーで奪われる……フェイスのコープは、僕一人で倒さなくちゃな。
「偽物の私は、こっちに任せなさい。四天王全員がかりで倒してやるから!」
『了解、気を付けて、シラヌイ!』
覚悟しろ、コープ……決着の時だ!
僕の願いは、世界中全ての人々が幸せになる事。
でも人は皆、考え方も性格も、何もかもが違う。
それなら皆、一人の個性にしてしまえばいい。それにふさわしい人格こそが、この僕、プロフェッサー・コープだ。
皆をコープにしてしまえば、皆が皆僕を愛しあい、争いごとも無くなって、皆ハッピーだ。
だから皆でコープになろう。コープになれば毎日が幸せだ。世界中全員がコープになれば、この世は理想の世界となる。
「ああ、なんて僕は優しいドワーフなんだ。僕の昔からの夢、世界平和! その実現のためにも僕は、数多の困難を乗り越えてきた!」
「素敵だよコープ! 最高だよコープ! 僕の意志こそ世界の意志! コープこそが平和の証! 今こそ実現するために!」
『さぁ! 愛すべき僕達で今! 平和への道筋を立てよう!』
異空間の中央には、僕達が用意した魔法陣がある。
ここで魔法をかければ、全世界に特効薬の雨を降らせられる。皆が雨水を飲めば、病気も治って、人格が僕に上書きされる。これで人間と魔王軍の戦争も終わりになるんだ。
ちょっと長い詠唱が必要になるけど、世界平和実現のカウントダウンと思うと、不思議と苦じゃなくなる。むしろお楽しみのためのワクワクが大きくなるばかり。
さぁ、今こそ僕達の理想を叶えるための一歩を踏み出そう!
「そこまでだ!」
勿論、目の前の障害を取り除いてからね♪
◇◇◇
〈ディック視点〉
どうやら、ぎりぎり間に合ったみたいだな。
ソユーズと共に壁を切り開いて、僕らはコープの居る場所までたどり着いた。
魔法陣が展開され、中央に二人のコープが並び立っている。奴らは僕らを見るなり狂った笑みを浮かべ、フェイスのコープが僕に歩み寄ってきた。
「やぁディック! それにイザヨイも、歴史的瞬間の立ち合いに来てくれたんだね」
「馬鹿なことを抜かすな、止めに来たんだ。お前のその、私利私欲に塗れた野望を」
刀を抜き、僕はコープを睨みつけた。
するとハヌマーンが勝手に装備されて、光り輝く。コープはにやりとするなり、エンディミオンを抜いた。
「アンチ魔導具のハヌマーンかぁ、エンディミオンの数少ない天敵だよねぇ」
「やっぱり知っていたか」
「当然だよ、だって僕はコープだよ? 僕の知らない事なんて何にもないんだもん!」
コープは高笑いすると、僕らにエンディミオンを突きつける。あの剣は握るだけで、途方もない孤独感に苛む副作用がある。
フェイスはエンディミオンに心を壊されていたから耐えられたけど、コープはそれをものともせず使っているのか……狂人のメンタル、尋常じゃないな。
「ふふふん、アンチ魔導具ハヌマーンでも、対応できない部分があるのは分かっているよ。覚醒の力、それを使えば攻撃が通るようになる。僕ってば勉強熱心でしょお? 理想のためならどんな努力だって怠らない! それがプロフェッサー・コープの心意気って奴なのさぁ!」
「その努力をどうして、他の所に活かせなかったんだ」
お前のその知識、技術力……個人で持つには、あまりにも大きすぎる力だ。
私利私欲で使うのではなく、他の用途で使っていたら……いいや、考えるだけ無駄だな。
「お前は、母さんの命を理不尽に奪った男だ……絶対、絶対に許さない! 必ず僕の手で、お前を! 殺してやる!!」
「あはははは! 恐い恐い、どうしようか僕、こんなに怒った人は初めてだよ」
「それならこっちが殺し返しちゃったら? だって僕には、エンディミオンがあるんだもん」
「それもそうだね、最強の魔導具エンディミオン。これさえあれば、僕ならば! 魔王軍の英雄ディックであったとしても倒す事が出来るもん!」
「勿論僕も協力するよ僕! 夫のピンチに手を貸すのは妻の役目だからね!」
「ではぼくは全力で僕を守ろう! 妻を守るのは夫の責務だからね!」
二人のコープが立ちふさがる。どうやら……一筋縄ではいかない相手のようだな。
「皆、力を貸してくれ。あの狂人を何としても倒し、この馬鹿げた茶番を終わらせる。そのためにも!」
「分かっている、俺達の力、思う存分使うがいい!」
「……このようなふざけた相手に、もはや何の遠慮もせん」
「とっとと潰して、私達の大事な場所を守っちゃいましょう!」
四天王が臨戦態勢に入った。シラヌイも僕の隣に立って、シュヴァリエを握りしめた。
『奴が何をしてくるか分からぬ以上、充分注意しろ、二人とも』
「分かってる。あいつみたいに命を弄ぶような不届き者は」
『完膚なきまでに叩き潰す。そうであろう、主よ』
「ああ……いくぞハヌマーン!」
最初から全開で行く! ハヌマーンの力を受け、僕は覚醒した。
硬質な翼が生え、全身が悪魔のような姿に変わり、体の奥底から力があふれてくる。ハヌマーンの覚醒した姿を見て、コープはまた興奮し始めた。
「ひゃー! 初めて見るけどおったまげたなぁ! それじゃあ僕も、エンディミオンの力を使ってみようかなぁ!」
言うなりコープは、エンディミオンの覚醒の力を使った。
フェイスと同じように、天使を思わせる姿へ変身してしまう。あいつ……エンディミオンの力まで自在に使えるのか。
気を付けないと、皆の力をコピーで奪われる……フェイスのコープは、僕一人で倒さなくちゃな。
「偽物の私は、こっちに任せなさい。四天王全員がかりで倒してやるから!」
『了解、気を付けて、シラヌイ!』
覚悟しろ、コープ……決着の時だ!
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