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18匹目 ハリネズミのもぐりんさん
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「ちょっと手伝ってほしい事があるんだけど」
寝ている私に、ちゃこさんさんがそう言ってきました。いつもなら「パトロールに行くわよ」と言いそうなんですけれど、何かあったのでしょうか。
「話はあとでするから、うちに来てくれる?」
「おや、ちゃこさんさんのお家ですか。これまた珍しいですね」
ということは、里琴さんが大変なことになっているのでしょうか。ならば、お手伝いに行かねばなりませんね。
お花屋さんへ向かうと、里琴さんがケージを抱えていました。そこからほのかに動物の匂いがします。ネズミの匂いでは、ありませんね。嗅いだことのない匂いです。
「あっ、べぇだ。来てくれたのね」
「はい、ちゃこさんさんに呼ばれましたので」
と言っても、言葉は通じませんので、頭を擦りつけてご挨拶します。里琴さんが撫でてくれて思わず尻尾が揺れました。
「でれでれしてんじゃないわよエロ犬」
「してはいないんですけども。それで、あのケースにはどなたが入っているんでしょうか」
「べぇも気になる? 実はね、この子を預かったんだ」
里琴さんがケージの中を見せてくれました。中に居たのは……。
「誰でちか? あたちのお家を覗くのは」
トゲトゲの体毛を持ったハリネズミさんでした。初めてお伺いされる方ですね。
「初めまして、私はゴールデンレトリバーのべぇと申します。貴方のお名前は?」
「もぐりんでち。おっきい生き物でちね、初めて見たでち」
「この子は隣のお宅から預かったのよ。旅行に行くからその間世話してくれって頼まれちゃって。でもハリネズミなんて初めて世話するから、ちょっと緊張しちゃうな」
里琴さんは頬を掻きました。私もハリネズミさんは初めて対面しますね。
「こんな感じに、里琴がハリネズミの面倒を押し付けられたからさ。あんたにも手伝ってもらいたいのよ。仕事しながら世話するの大変だろうし」
「そういう事ですか、任せてください。ちゃこさんさんもご主人様思いですね」
「るっさい」
里琴さんのお家に上がり、もぐりんさんと落ち着いてお話をしてみます。もぐりんさんは興味津々に私を見上げ、鼻をすんすん鳴らしています。
「折角来てくれたんだし、ゆっくりしていって。そうだ! ジャーキー買ってたの、よかったらどうぞ」
「それは嬉しいです、いただきます」
ジャーキーを食べた後、奥のお部屋に招かれます。
ちゃこさんさんが子猫の頃を思い出します、懐かしいですね。彼女が小さい頃は私が寄り添ってあげたんですよ。
「べぇたん、どうしてそんなに大きいでちか? ちゃこたんよりもずーっと大きいでち」
「犬ですから。もぐりんさんはどうしてそんなとげを持っているんですか?」
「これトゲじゃないでち、毛でち。食べられそうになったら体を丸めてとがらせれば、口に刺さって反撃できるんでち。ハリネズミは強いんでち」
「丸まった所見たけど、なんかイガグリみたいだったわね」
「栗ですか。いいですよね栗、ほくほくで美味しいです」
「わたちを見ながら涎を垂らさないでほしいでち」
「すみません甘栗さん」
「ハリネズミでち。んっ……なんかいい匂いがするでち」
もぐりんさんがせわしなく動き回ります。すると里琴さんが別のケージを持って来ました。中に居るのは、コオロギです。
ピンセットでコオロギをつまみ上げると、カップに白い粉と一緒に入れて混ぜ合わせます。まさかそれ、食べるんでしょうか。
「一日一回あげてくれって頼まれたけど、やっぱり抵抗あるなぁ……はいどうぞ、おやつよ」
「コオロギでち! 嬉しいでち!」
もぐりんさんは大喜びで食べ始めます。愛らしい姿なんですけど、虫って美味しいんでしょうか。
「んージューシーでち♪ これが楽しみなんでちよ」
「私らのところのマグロチューブみたいなものかしら。気持ちは少しわかるかな」
「私もジャーキーが食べられないと悲しくなりますし、同じようなものなんでしょうね」
可愛らしいんですけど、なんだかネズミさんらしくないですね。匂いもネズミさんとは違いますし。
「すいませーん、店員さーん?」
「あっ、お客さん。はーい今行きまーす」
里琴さんはケージをテーブルに置いて出て行きます。お花のお世話もしないといけませんから、お忙しいみたいですね
「もっとコオロギ食べたいでち」
「やめときなさい。間食したら太るわよ」
「肥満は万病の元ですからね、節制した方がいいですよ」
「むー……」
私だってジャーキーをたらふく食べたいですよ。でもご主人様からきつく言いつけられていますから我慢しているんです。
「1日2食じゃ少ないのよね。お昼過ぎるとお腹が空いてきちゃうし」
「おやつじゃお腹は一杯になりませんからね……」
私達ペットの悩みです。でも満腹になると吐き戻しちゃったり、下痢しちゃったりしますし……1回それでお腹壊したこともありますから、どれだけ苦しいのか分かります。
「脱出でち」
『え?』
かさこそと音がします。一瞬のスキをついて、もぐりんさんがケージから脱走してしまいました。
姿が見えません。ほんの数秒で姿を消すなんて、忍者みたいです。
「ケージの扉に鼻突っ込んでこじ開けた? そんな器用な事が出来るの?」
「急いで捕まえないと、外に出て行ってしまいますよ」
「そうね、こらー! どこに行ったのよ!」
こんな時こそ私の出番ですね。
匂いでもぐりんさんを追跡します。どうやら隣のお部屋へ移動したようです。
ですが姿が見えません。匂いはするので確実にここに居るはずですが。
「こっちよ、物音がするわ」
「流石の聴覚ですね」
「あんたはここで出口を抑えてて、私が近づいて追い込むわ」
ちゃこさんさんは音を立てずに近づいていきます。行き先にはコオロギのケージが置いてあり、
「コオロギはここでちね、どうやったら食べられるでちか?」
もぐりんさんはその周りをぐるぐるしています。コオロギへの欲求で脱走するなんて、私より食い意地張っているかもしれません。
「ようやく見つけた。ほらとっととケージに戻りなさい、コオロギなら里琴がちゃんとあげるから」
「嫌でち! コオロギ食べるまで動かないでち!」
「全く、それなら教育的指導よ」
ちゃこさんさんが猫パンチを打ち込みます。が、その前にもぐりんさんは丸まって針を立てて防御。肉球に突き刺さり、「みぎゃー!」と悲痛な叫びが木霊します。
鉄壁の防御力です、流石ハリネズミ……。
「わたちにコオロギを寄越せでちー!」
「もう怒った、あんたも手伝いなさい! こいつ絶対しばいてやる!」
「暴力はいけませんよ」
「もうしてるけどね!」
どったんばったんと、ちゃこさんさんともぐりんさんが追いかけっこを始めました。
いや、速いですもぐりんさん。短距離の速度なら多分私より速いです。目が追い付きません。しかも隙間をするりと潜り抜けますし、ずんぐりむっくりな体に反して機敏です。
ちゃこさんさんも猫ならではの俊敏さで追いかけますけど、もぐりんさんはすばしっこさに加えて針まであります。何度も反撃を受けてもんどりうっています。
「むきゃー! ネズミの癖に猫に盾突こうなんざ生意気だってのぉ!」
「そういえば、昔ご主人様にネズミが猫をやっつけるアニメを見せられた事がありますよ」
「私はトムとジェリーかっ! あいったぁーまた針刺さったぁー!」
「わたちを捕まえようなんて、100憶年早いでちー」
ちゃこさんさんともぐりんさんの追いかけっこは、里琴さんが戻ってくるまで延々と続きましたとさ。
◇◇◇
「ふー、ごめんね待たせて。お話したら長くなっちゃった。あら?」
戻ってきた里琴さんは、私達を見て微笑みました。
追いかけっこに疲れたのか、ちゃこさんさんともぐりんさんは眠っています。私は寒くないよう、2人に寄り添っています。
「もぐりんってば、脱走しちゃったんだ。べぇとちゃこが捕まえてくれたのね、ありがと」
「いえいえどういたしまして」
里琴さんはもぐりんさんをケージに戻し、ちゃこさんさんを撫でました。
「こうしてると、ちゃこが子猫だった頃を思い出すな。べぇも覚えてる?」
勿論、覚えていますよ。
「なんて言っても、べぇは忘れてるか。私はべぇが子犬だった頃の事を知ってるんだぞー。それはもう可愛かったんだから」
私が物心ついた頃から、里琴さんとはお知合いですからね。
「ね、べぇ。もしかしたら私、貴方のご主人様になるかもしれないよ? そうなれたら私も、嬉しいな」
「私もそうなる事を、待ち続けていますよ」
どうもご主人様との仲が進展しているみたいですね。私もちゃこさんさんと一緒に住めるようになるのを、楽しみにしていますね。
※ハリネズミ
ハリネズミカフェが作られるなど、近年人気となっている動物。
ネズミと名付けられているが、実際はモグラの仲間でネズミとは別種の動物。英名の「hedgehog」も直訳すると「生垣のブタ」であり、ネズミ扱いすらされていない。
非常に憶病な性格で人に懐く事は少なく、「触られるのに慣れる」程度。掌に乗ってくれるのは人間に「慣れている」だけで「懐いている」わけではないので、過度なスキンシップは針を立てたり噛みついたりする恐れがある。
寝ている私に、ちゃこさんさんがそう言ってきました。いつもなら「パトロールに行くわよ」と言いそうなんですけれど、何かあったのでしょうか。
「話はあとでするから、うちに来てくれる?」
「おや、ちゃこさんさんのお家ですか。これまた珍しいですね」
ということは、里琴さんが大変なことになっているのでしょうか。ならば、お手伝いに行かねばなりませんね。
お花屋さんへ向かうと、里琴さんがケージを抱えていました。そこからほのかに動物の匂いがします。ネズミの匂いでは、ありませんね。嗅いだことのない匂いです。
「あっ、べぇだ。来てくれたのね」
「はい、ちゃこさんさんに呼ばれましたので」
と言っても、言葉は通じませんので、頭を擦りつけてご挨拶します。里琴さんが撫でてくれて思わず尻尾が揺れました。
「でれでれしてんじゃないわよエロ犬」
「してはいないんですけども。それで、あのケースにはどなたが入っているんでしょうか」
「べぇも気になる? 実はね、この子を預かったんだ」
里琴さんがケージの中を見せてくれました。中に居たのは……。
「誰でちか? あたちのお家を覗くのは」
トゲトゲの体毛を持ったハリネズミさんでした。初めてお伺いされる方ですね。
「初めまして、私はゴールデンレトリバーのべぇと申します。貴方のお名前は?」
「もぐりんでち。おっきい生き物でちね、初めて見たでち」
「この子は隣のお宅から預かったのよ。旅行に行くからその間世話してくれって頼まれちゃって。でもハリネズミなんて初めて世話するから、ちょっと緊張しちゃうな」
里琴さんは頬を掻きました。私もハリネズミさんは初めて対面しますね。
「こんな感じに、里琴がハリネズミの面倒を押し付けられたからさ。あんたにも手伝ってもらいたいのよ。仕事しながら世話するの大変だろうし」
「そういう事ですか、任せてください。ちゃこさんさんもご主人様思いですね」
「るっさい」
里琴さんのお家に上がり、もぐりんさんと落ち着いてお話をしてみます。もぐりんさんは興味津々に私を見上げ、鼻をすんすん鳴らしています。
「折角来てくれたんだし、ゆっくりしていって。そうだ! ジャーキー買ってたの、よかったらどうぞ」
「それは嬉しいです、いただきます」
ジャーキーを食べた後、奥のお部屋に招かれます。
ちゃこさんさんが子猫の頃を思い出します、懐かしいですね。彼女が小さい頃は私が寄り添ってあげたんですよ。
「べぇたん、どうしてそんなに大きいでちか? ちゃこたんよりもずーっと大きいでち」
「犬ですから。もぐりんさんはどうしてそんなとげを持っているんですか?」
「これトゲじゃないでち、毛でち。食べられそうになったら体を丸めてとがらせれば、口に刺さって反撃できるんでち。ハリネズミは強いんでち」
「丸まった所見たけど、なんかイガグリみたいだったわね」
「栗ですか。いいですよね栗、ほくほくで美味しいです」
「わたちを見ながら涎を垂らさないでほしいでち」
「すみません甘栗さん」
「ハリネズミでち。んっ……なんかいい匂いがするでち」
もぐりんさんがせわしなく動き回ります。すると里琴さんが別のケージを持って来ました。中に居るのは、コオロギです。
ピンセットでコオロギをつまみ上げると、カップに白い粉と一緒に入れて混ぜ合わせます。まさかそれ、食べるんでしょうか。
「一日一回あげてくれって頼まれたけど、やっぱり抵抗あるなぁ……はいどうぞ、おやつよ」
「コオロギでち! 嬉しいでち!」
もぐりんさんは大喜びで食べ始めます。愛らしい姿なんですけど、虫って美味しいんでしょうか。
「んージューシーでち♪ これが楽しみなんでちよ」
「私らのところのマグロチューブみたいなものかしら。気持ちは少しわかるかな」
「私もジャーキーが食べられないと悲しくなりますし、同じようなものなんでしょうね」
可愛らしいんですけど、なんだかネズミさんらしくないですね。匂いもネズミさんとは違いますし。
「すいませーん、店員さーん?」
「あっ、お客さん。はーい今行きまーす」
里琴さんはケージをテーブルに置いて出て行きます。お花のお世話もしないといけませんから、お忙しいみたいですね
「もっとコオロギ食べたいでち」
「やめときなさい。間食したら太るわよ」
「肥満は万病の元ですからね、節制した方がいいですよ」
「むー……」
私だってジャーキーをたらふく食べたいですよ。でもご主人様からきつく言いつけられていますから我慢しているんです。
「1日2食じゃ少ないのよね。お昼過ぎるとお腹が空いてきちゃうし」
「おやつじゃお腹は一杯になりませんからね……」
私達ペットの悩みです。でも満腹になると吐き戻しちゃったり、下痢しちゃったりしますし……1回それでお腹壊したこともありますから、どれだけ苦しいのか分かります。
「脱出でち」
『え?』
かさこそと音がします。一瞬のスキをついて、もぐりんさんがケージから脱走してしまいました。
姿が見えません。ほんの数秒で姿を消すなんて、忍者みたいです。
「ケージの扉に鼻突っ込んでこじ開けた? そんな器用な事が出来るの?」
「急いで捕まえないと、外に出て行ってしまいますよ」
「そうね、こらー! どこに行ったのよ!」
こんな時こそ私の出番ですね。
匂いでもぐりんさんを追跡します。どうやら隣のお部屋へ移動したようです。
ですが姿が見えません。匂いはするので確実にここに居るはずですが。
「こっちよ、物音がするわ」
「流石の聴覚ですね」
「あんたはここで出口を抑えてて、私が近づいて追い込むわ」
ちゃこさんさんは音を立てずに近づいていきます。行き先にはコオロギのケージが置いてあり、
「コオロギはここでちね、どうやったら食べられるでちか?」
もぐりんさんはその周りをぐるぐるしています。コオロギへの欲求で脱走するなんて、私より食い意地張っているかもしれません。
「ようやく見つけた。ほらとっととケージに戻りなさい、コオロギなら里琴がちゃんとあげるから」
「嫌でち! コオロギ食べるまで動かないでち!」
「全く、それなら教育的指導よ」
ちゃこさんさんが猫パンチを打ち込みます。が、その前にもぐりんさんは丸まって針を立てて防御。肉球に突き刺さり、「みぎゃー!」と悲痛な叫びが木霊します。
鉄壁の防御力です、流石ハリネズミ……。
「わたちにコオロギを寄越せでちー!」
「もう怒った、あんたも手伝いなさい! こいつ絶対しばいてやる!」
「暴力はいけませんよ」
「もうしてるけどね!」
どったんばったんと、ちゃこさんさんともぐりんさんが追いかけっこを始めました。
いや、速いですもぐりんさん。短距離の速度なら多分私より速いです。目が追い付きません。しかも隙間をするりと潜り抜けますし、ずんぐりむっくりな体に反して機敏です。
ちゃこさんさんも猫ならではの俊敏さで追いかけますけど、もぐりんさんはすばしっこさに加えて針まであります。何度も反撃を受けてもんどりうっています。
「むきゃー! ネズミの癖に猫に盾突こうなんざ生意気だってのぉ!」
「そういえば、昔ご主人様にネズミが猫をやっつけるアニメを見せられた事がありますよ」
「私はトムとジェリーかっ! あいったぁーまた針刺さったぁー!」
「わたちを捕まえようなんて、100憶年早いでちー」
ちゃこさんさんともぐりんさんの追いかけっこは、里琴さんが戻ってくるまで延々と続きましたとさ。
◇◇◇
「ふー、ごめんね待たせて。お話したら長くなっちゃった。あら?」
戻ってきた里琴さんは、私達を見て微笑みました。
追いかけっこに疲れたのか、ちゃこさんさんともぐりんさんは眠っています。私は寒くないよう、2人に寄り添っています。
「もぐりんってば、脱走しちゃったんだ。べぇとちゃこが捕まえてくれたのね、ありがと」
「いえいえどういたしまして」
里琴さんはもぐりんさんをケージに戻し、ちゃこさんさんを撫でました。
「こうしてると、ちゃこが子猫だった頃を思い出すな。べぇも覚えてる?」
勿論、覚えていますよ。
「なんて言っても、べぇは忘れてるか。私はべぇが子犬だった頃の事を知ってるんだぞー。それはもう可愛かったんだから」
私が物心ついた頃から、里琴さんとはお知合いですからね。
「ね、べぇ。もしかしたら私、貴方のご主人様になるかもしれないよ? そうなれたら私も、嬉しいな」
「私もそうなる事を、待ち続けていますよ」
どうもご主人様との仲が進展しているみたいですね。私もちゃこさんさんと一緒に住めるようになるのを、楽しみにしていますね。
※ハリネズミ
ハリネズミカフェが作られるなど、近年人気となっている動物。
ネズミと名付けられているが、実際はモグラの仲間でネズミとは別種の動物。英名の「hedgehog」も直訳すると「生垣のブタ」であり、ネズミ扱いすらされていない。
非常に憶病な性格で人に懐く事は少なく、「触られるのに慣れる」程度。掌に乗ってくれるのは人間に「慣れている」だけで「懐いている」わけではないので、過度なスキンシップは針を立てたり噛みついたりする恐れがある。
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