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28匹目 アロワナのマリーさん
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「どうもお久しぶりでーす。萌香、戦線に復帰しました」
商店街のお祭り以来姿を消していた、萌香さんが出勤してきました。
一月振りの出勤なので凄く嬉しいです。尻尾を振ってお出迎えし、歓迎します。
「お帰り。んで、結果はどうだった?」
「…………」
「なんで黙るんだ? おい、テストに集中したいからって長期休暇許したんだからちゃんと結果出さないと怒るぞ?」
「なーんてね、ばっちりクリアしてきましたー」
「おまっ……年上をからかうな」
ご主人様は苦笑されました。萌香さんは学生さんですから、時には勉強に集中する必要があります。その間会えないのは寂しいですが、無事に乗り切る事が出来たようで何よりです。
「べぇも久しぶりだねぇ、暫く撫でられなかったからもふもふ欲求不満だったよぉ」
「どうぞ撫でてくださいな。私萌香さんに撫でられるの大好きですから」
萌香さんと存分にじゃれあいます。ご主人様も久しぶりという事で、このやり取りを優しく見守っています。
「さて、そろそろ開店だ。準備するぞ」
「はーい!」
萌香さんが戻ってこられて、お店が明るくなった気がします。彼女は人を元気にさせる才能があります。やっぱり私、萌香さんが好きですね。
午前中のお仕事はあっという間に終わります。心なしか、来られたお客様が増えた気がしますね。
「やっぱ萌香が居ると客増えるな。このままうちに就職するか?」
「やっだー、里琴さん居るのにそんな事言っちゃっていいのー?」
「あほか、そういう意味で言ったんじゃない」
「慌てちゃって、素直じゃないなー。私が居ない間、里琴さんと進展できた?」
「ばっちりさ。な、べぇ」
「そうですね。ちゃんと進んでいますよ」
一声、「わん」と鳴いて返事をします。萌香さんに通じたようで、「そっかぁ」と返されました。
「萌香はどうなんだ? そういう浮いた話は聞いた事無いけど」
「別に今はいらないかな、べぇが傍に居ればそれでいい。ねぇ、べぇ頂戴よー」
「ダメに決まってるだろ」
私の取り合いで喧嘩をしないでください。それと萌香さんには申し訳ないのですが、私はご主人様一筋ですので、貴方の飼い犬にはなれません。
「俺は午後の仕込みするから、その間に買い出し行ってくれ。べぇの散歩もついでにな」
「はーい。じゃあ行こっか」
「お散歩ですね。楽しみです」
萌香さんとのお散歩です。ついつい鼻歌がこぼれてしまいますね。
「ちゃこにも会いたいなー。いつも一緒にいるけど、今日は居ないんだね」
言われてみれば、今日はちゃこさんさんが来ていません。朝からどこかに出かけているようですけども。
思っていたら、ちゃこさんさんの匂いがしました。それに、
「ああもう! やっぱむかつくわあんた!」
ちゃこさんさんが癇癪を起す声が聞こえました。
萌香さんと一緒にお魚屋さんへ向かうと、大きな水槽に猫パンチを繰り返す彼女が居ました。
「無駄無駄、そんなパンチでこの水槽が壊れるとでも思っているのか?」
「むっきー! 魚のくせに生意気よ!」
ちゃこさんさんが怒っているのは、お魚屋さんで飼われているアロワナのマリーさんです。マリーって名前ですが男性です。
マリーさんは優雅に泳ぎながら、水面をバシャバシャ叩いて挑発しています。ちゃこさんさんは飛沫を浴び、青筋を立てました。
「どうされたんですか?」
「あ、丁度いい所に。あんた今すぐこいつの水槽ひっくり返して」
「できませんよそんなの。マリーさんと喧嘩をされていたようですが、何が原因なんですか?」
「それがさ、聞いてよ! こっそり切り身を取ろうとしたらこいつが水を浴びせて邪魔してきたのよ! 酷くない?」
「ちゃこさんさんが悪いですよね。ちょっと擁護できないですよ」
「なんでよ!」
「自業自得だよ。商品を奪おうとする方がいけないのさ」
マリーさんはまた水を被せてきます。お仕事熱心なのはいいのですが、私も巻き添えを受けて濡れてしまったのですが。
「こちとら魚屋の守りを任されているんでね、泥棒猫はとっとと帰れ」
「魚風情が猫様相手に指図するんじゃないわよ、私らにとってあんたなんか所詮食事の一種でしかないんだから」
「だったら俺を水槽から引きずり出してみな。口ばかり達者なアメリカンショートヘアーさん」
「むっきー! 魚に煽られるとか腹立たしいことこの上ないんだけどー!」
ちゃこさんさんは躍起になって水槽をひっかいています。ですがマリーさんはへのかっぱ、気に留めすらしません。
「ちゃこ! それ以上水槽にいたずらしちゃだめだぞー」
萌香さんがちゃこさんさんを抱え上げました。顎の下をなで、興奮した彼女をなだめます。
「うりうりー。ちゃこの撫で心地、すべすべして気持ちいいなぁ。修羅場乗り超えたからまた遊べるよー」
「嬉しくもなんともないんだけど」
ちゃこさんさんは不機嫌そうにこぼします。
萌香さんはマリーさんを見やると、水槽をつついたり、指を這わせたりします。マリーさんも反応し、指を追いかけたり、噛みつこうとしたりします。お腹が空いているんでしょうか。
「餌でもあげてみるかい?」
「いいんですか?」
「コオロギだけど大丈夫かな」
「勿論。私虫とか平気ですから」
「なんだってコオロギ食う奴が多いのよこの商店街」
「お買い求めしやすいんですよ、多分」
食いしん坊な私でも食べたいとは思いませんが。
「むっ、この気配……コオロギか!」
萌香さんがコオロギをつまむなり、マリーさんがそわそわし始めます。水槽の上にコオロギを掲げるなり、大ジャンプして一飲みにしてしまいました。
大迫力のお食事です。そしたら、見ていたちゃこさんさんが何かを閃きました。
「あのジャンプした瞬間、隙だらけよね……ふっふっふ、見てなさいアロワナめ」
「いじめちゃだめですよ?」
「いじめるんじゃない、売られた喧嘩を買うだけよ」
「もう1匹あげてもいいですか?」
「まぁ、1匹くらいならいいよ」
萌香さんが2匹目のコオロギを手にしました。同時に、ちゃこさんさんの目つきも鋭くなります。
そしてマリーさんがコオロギを狙ってジャンプした瞬間、ちゃこさんさんもとびかかりました。宙に浮いているマリーさんには避ける術がありません。
が。
「甘いな猫」
「にゃん!?」
マリーさんは空中で身をひるがえし、尻尾でちゃこさんさんを叩き落としました。
当然泳げないちゃこさんさんは溺れてしまいます。萌香さん達も驚き、大騒ぎになってしまいます。
「だっ、誰か助けっ、あぶぶっ!」
「しょうがない奴だな、ほらよ」
マリーさんがちゃこさんさんを押し上げ、水槽から助けてくれました。
萌香さんの腕に逃げ込んだちゃこさんさんは水を吐き出し、悔しそうにマリーさんをにらみます。
「くっしょ~……猫が魚なんかに負けるなんて、末代までの大恥よ……」
「猫より魚の方が賢い事もあるのさ。これに懲りたら魚屋で悪さをするのは止めるんだな」
「マリーさんの言う通りですよ。お店の物を取ったら泥棒です」
「あんたまで魚の味方するのかっ」
「当然の報いだ。おいべぇ、こいつが二度と悪戯しないよう、しっかり見張ってろ」
「わかりました」
「こら!」
ちゃこさんさんは終始ご機嫌斜めでした。萌香さんに抱えられ、帰路につきます。
「う~……里琴に魚あげようと思ってたのに、計画が全部おじゃんじゃない」
「里琴さんのためとはいえ、泥棒をするのはよくないと思いますよ」
「大丈夫、次はバレないようにするから」
「そういう問題じゃありません」
これは懲りてないようですね。またやらかさないよう、注意してみる必要がありますね。
「ちゃこは悪戯っ子だねぇ。ほら、おねーさんがいいものあげるから、もうあんな事しちゃだめだぞー」
萌香さんはちゃこさんさんにマグロチューブをあげました。これにはちゃこさんさんも大喜びです。
「ふたり居るし、丁度いいかな。べぇとちゃこに頼みたい事があるんだ」
「私達に頼み事? マグロチューブ次第ではやってあげてもいいけど」
「私は萌香さんの頼みならなんでもしますよ。言ってください」
「ふふん、実はね、店長と里琴さんのためにさぁ~」
萌香さんのお話しを聞いた後、私達は。
二つ返事でその頼みごとを受け入れたのでした。
※アロワナ
生きた化石と呼ばれる淡水魚。35cmほどまで育つ魚であり、大型の90cm水槽で飼育する必要がある。水面を跳んで餌を取る魚のため、蓋をつけなければ水槽から飛び出す恐れがある。水が汚れやすいため、大型のろ過装置も必要になる。
餌は人口餌があるものの、コオロギ等の生餌の方がよく食いつく。個体によって偏食があるため、ショップ店員に問い合わせておくと良いだろう。
アロワナに限らず、大型の熱帯魚は飼育費用が掛かり、飼いきれなくなって捨ててしまうケースが多発している。アロワナを放流すれば外来生物法に抵触し、懲役3年以下か罰金300万以下が課せられる。
商店街のお祭り以来姿を消していた、萌香さんが出勤してきました。
一月振りの出勤なので凄く嬉しいです。尻尾を振ってお出迎えし、歓迎します。
「お帰り。んで、結果はどうだった?」
「…………」
「なんで黙るんだ? おい、テストに集中したいからって長期休暇許したんだからちゃんと結果出さないと怒るぞ?」
「なーんてね、ばっちりクリアしてきましたー」
「おまっ……年上をからかうな」
ご主人様は苦笑されました。萌香さんは学生さんですから、時には勉強に集中する必要があります。その間会えないのは寂しいですが、無事に乗り切る事が出来たようで何よりです。
「べぇも久しぶりだねぇ、暫く撫でられなかったからもふもふ欲求不満だったよぉ」
「どうぞ撫でてくださいな。私萌香さんに撫でられるの大好きですから」
萌香さんと存分にじゃれあいます。ご主人様も久しぶりという事で、このやり取りを優しく見守っています。
「さて、そろそろ開店だ。準備するぞ」
「はーい!」
萌香さんが戻ってこられて、お店が明るくなった気がします。彼女は人を元気にさせる才能があります。やっぱり私、萌香さんが好きですね。
午前中のお仕事はあっという間に終わります。心なしか、来られたお客様が増えた気がしますね。
「やっぱ萌香が居ると客増えるな。このままうちに就職するか?」
「やっだー、里琴さん居るのにそんな事言っちゃっていいのー?」
「あほか、そういう意味で言ったんじゃない」
「慌てちゃって、素直じゃないなー。私が居ない間、里琴さんと進展できた?」
「ばっちりさ。な、べぇ」
「そうですね。ちゃんと進んでいますよ」
一声、「わん」と鳴いて返事をします。萌香さんに通じたようで、「そっかぁ」と返されました。
「萌香はどうなんだ? そういう浮いた話は聞いた事無いけど」
「別に今はいらないかな、べぇが傍に居ればそれでいい。ねぇ、べぇ頂戴よー」
「ダメに決まってるだろ」
私の取り合いで喧嘩をしないでください。それと萌香さんには申し訳ないのですが、私はご主人様一筋ですので、貴方の飼い犬にはなれません。
「俺は午後の仕込みするから、その間に買い出し行ってくれ。べぇの散歩もついでにな」
「はーい。じゃあ行こっか」
「お散歩ですね。楽しみです」
萌香さんとのお散歩です。ついつい鼻歌がこぼれてしまいますね。
「ちゃこにも会いたいなー。いつも一緒にいるけど、今日は居ないんだね」
言われてみれば、今日はちゃこさんさんが来ていません。朝からどこかに出かけているようですけども。
思っていたら、ちゃこさんさんの匂いがしました。それに、
「ああもう! やっぱむかつくわあんた!」
ちゃこさんさんが癇癪を起す声が聞こえました。
萌香さんと一緒にお魚屋さんへ向かうと、大きな水槽に猫パンチを繰り返す彼女が居ました。
「無駄無駄、そんなパンチでこの水槽が壊れるとでも思っているのか?」
「むっきー! 魚のくせに生意気よ!」
ちゃこさんさんが怒っているのは、お魚屋さんで飼われているアロワナのマリーさんです。マリーって名前ですが男性です。
マリーさんは優雅に泳ぎながら、水面をバシャバシャ叩いて挑発しています。ちゃこさんさんは飛沫を浴び、青筋を立てました。
「どうされたんですか?」
「あ、丁度いい所に。あんた今すぐこいつの水槽ひっくり返して」
「できませんよそんなの。マリーさんと喧嘩をされていたようですが、何が原因なんですか?」
「それがさ、聞いてよ! こっそり切り身を取ろうとしたらこいつが水を浴びせて邪魔してきたのよ! 酷くない?」
「ちゃこさんさんが悪いですよね。ちょっと擁護できないですよ」
「なんでよ!」
「自業自得だよ。商品を奪おうとする方がいけないのさ」
マリーさんはまた水を被せてきます。お仕事熱心なのはいいのですが、私も巻き添えを受けて濡れてしまったのですが。
「こちとら魚屋の守りを任されているんでね、泥棒猫はとっとと帰れ」
「魚風情が猫様相手に指図するんじゃないわよ、私らにとってあんたなんか所詮食事の一種でしかないんだから」
「だったら俺を水槽から引きずり出してみな。口ばかり達者なアメリカンショートヘアーさん」
「むっきー! 魚に煽られるとか腹立たしいことこの上ないんだけどー!」
ちゃこさんさんは躍起になって水槽をひっかいています。ですがマリーさんはへのかっぱ、気に留めすらしません。
「ちゃこ! それ以上水槽にいたずらしちゃだめだぞー」
萌香さんがちゃこさんさんを抱え上げました。顎の下をなで、興奮した彼女をなだめます。
「うりうりー。ちゃこの撫で心地、すべすべして気持ちいいなぁ。修羅場乗り超えたからまた遊べるよー」
「嬉しくもなんともないんだけど」
ちゃこさんさんは不機嫌そうにこぼします。
萌香さんはマリーさんを見やると、水槽をつついたり、指を這わせたりします。マリーさんも反応し、指を追いかけたり、噛みつこうとしたりします。お腹が空いているんでしょうか。
「餌でもあげてみるかい?」
「いいんですか?」
「コオロギだけど大丈夫かな」
「勿論。私虫とか平気ですから」
「なんだってコオロギ食う奴が多いのよこの商店街」
「お買い求めしやすいんですよ、多分」
食いしん坊な私でも食べたいとは思いませんが。
「むっ、この気配……コオロギか!」
萌香さんがコオロギをつまむなり、マリーさんがそわそわし始めます。水槽の上にコオロギを掲げるなり、大ジャンプして一飲みにしてしまいました。
大迫力のお食事です。そしたら、見ていたちゃこさんさんが何かを閃きました。
「あのジャンプした瞬間、隙だらけよね……ふっふっふ、見てなさいアロワナめ」
「いじめちゃだめですよ?」
「いじめるんじゃない、売られた喧嘩を買うだけよ」
「もう1匹あげてもいいですか?」
「まぁ、1匹くらいならいいよ」
萌香さんが2匹目のコオロギを手にしました。同時に、ちゃこさんさんの目つきも鋭くなります。
そしてマリーさんがコオロギを狙ってジャンプした瞬間、ちゃこさんさんもとびかかりました。宙に浮いているマリーさんには避ける術がありません。
が。
「甘いな猫」
「にゃん!?」
マリーさんは空中で身をひるがえし、尻尾でちゃこさんさんを叩き落としました。
当然泳げないちゃこさんさんは溺れてしまいます。萌香さん達も驚き、大騒ぎになってしまいます。
「だっ、誰か助けっ、あぶぶっ!」
「しょうがない奴だな、ほらよ」
マリーさんがちゃこさんさんを押し上げ、水槽から助けてくれました。
萌香さんの腕に逃げ込んだちゃこさんさんは水を吐き出し、悔しそうにマリーさんをにらみます。
「くっしょ~……猫が魚なんかに負けるなんて、末代までの大恥よ……」
「猫より魚の方が賢い事もあるのさ。これに懲りたら魚屋で悪さをするのは止めるんだな」
「マリーさんの言う通りですよ。お店の物を取ったら泥棒です」
「あんたまで魚の味方するのかっ」
「当然の報いだ。おいべぇ、こいつが二度と悪戯しないよう、しっかり見張ってろ」
「わかりました」
「こら!」
ちゃこさんさんは終始ご機嫌斜めでした。萌香さんに抱えられ、帰路につきます。
「う~……里琴に魚あげようと思ってたのに、計画が全部おじゃんじゃない」
「里琴さんのためとはいえ、泥棒をするのはよくないと思いますよ」
「大丈夫、次はバレないようにするから」
「そういう問題じゃありません」
これは懲りてないようですね。またやらかさないよう、注意してみる必要がありますね。
「ちゃこは悪戯っ子だねぇ。ほら、おねーさんがいいものあげるから、もうあんな事しちゃだめだぞー」
萌香さんはちゃこさんさんにマグロチューブをあげました。これにはちゃこさんさんも大喜びです。
「ふたり居るし、丁度いいかな。べぇとちゃこに頼みたい事があるんだ」
「私達に頼み事? マグロチューブ次第ではやってあげてもいいけど」
「私は萌香さんの頼みならなんでもしますよ。言ってください」
「ふふん、実はね、店長と里琴さんのためにさぁ~」
萌香さんのお話しを聞いた後、私達は。
二つ返事でその頼みごとを受け入れたのでした。
※アロワナ
生きた化石と呼ばれる淡水魚。35cmほどまで育つ魚であり、大型の90cm水槽で飼育する必要がある。水面を跳んで餌を取る魚のため、蓋をつけなければ水槽から飛び出す恐れがある。水が汚れやすいため、大型のろ過装置も必要になる。
餌は人口餌があるものの、コオロギ等の生餌の方がよく食いつく。個体によって偏食があるため、ショップ店員に問い合わせておくと良いだろう。
アロワナに限らず、大型の熱帯魚は飼育費用が掛かり、飼いきれなくなって捨ててしまうケースが多発している。アロワナを放流すれば外来生物法に抵触し、懲役3年以下か罰金300万以下が課せられる。
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