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33話目 それゆけアニマル商店街
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「ひゃっはー! 走るだけの犬猫に俺達が捕まえられるかよー!」
カラス達は空高く飛んでいってしまいます。このままでは、商店街の外へ逃げられてしまいそうです。
「楽勝楽勝! 犬猫撒くのに苦労なんざいらねぇぜひゃっはー!」
「それはどうかな?」
カラス達の群れに一羽の猛禽類が飛び込みます。コノハミミズクのふーすけさんです。
カラス達を蹴散らし、制空権を確保します。ふーすけさんが睨みを利かせている間、彼らは商店街から逃げられないでしょう。
「小さくても、フクロウだ。怖いけどカラスなんかに負けるものか」
「助かりましたふーすけさん」
「借りを返しにきただけさ。カラス達を外に出さなければいいんでしょう、任せておいて」
ふーすけさんに阻まれ、カラス達が高度を落とします。箱を持ったカラスは、先頭ですね。
「ひゃはは、フクロウからも逃げれば俺達の天下に」
「あら、ごめんあそばせ」
ひょっこりと、キリンのリーオーさんが顔を出しました。カラス達は激突し、さらに高度を落とします。
「あら? お散歩中にカラスにぶつかるなんて。珍しい事もあるのね」
「ありがとうございますリーオーさん」
「おかげで、あいつらが手に届くようになったわ」
ジャンプすればぎりぎり届きそうです。でもスクラムを組んでいて、守りが固い……。
「ねーねー何してるのー? クロとあそぼー!」
そしたら横からクロさんが大ジャンプ! カラスの群れに飛び込んで、編隊を崩しました。
「あっれー? ここどこ? べぇだ! ちゃこさんさんちゃんもいるー! 追いかけっこしてるのー?」
「台詞が大渋滞してるんだけど。まずは落ち着け」
「ですがカラスの編隊が大きく削れました」
追いかけていれば、少しずつ守りを減らして、箱を取り返せるかもしれません。
「くそ、あのハスキーめちゃくちゃだ!」
「だが商店街から出れば、出れさえすれば!」
「真・レグホン流格闘術! 鶏の蹴爪!」
壁を蹴ってよじ登り、弁慶さんが数羽のカラスを蹴飛ばします。いつの間にあんな技術を身に着けたんでしょうか。
「いかがですか師匠! 我が新たなる境地の技を!」
「まぁまぁじゃないかい」
どうやらマリンダさんが教えた技みたいです。いいタイミングで助かりました。
「んで、なんか大騒ぎになってるけど何があったんだい?」
「マリンダさんなぁーいす!」
「弁慶さん、その調子でカラス相手に技を磨いてください」
「任された!」
弁慶さんは嬉々としてカラスを攻撃します。鶏なのに空中戦でカラスを圧倒しています。1羽だけ違う世界線で生きてませんかあの方。
「くそ、なんだあの鶏は! 俺達相手に空で戦ってやがる!」
「編隊を崩すな! ガードを固めれば鶏なんかに」
「おーっほっほっほ! お困りのようねちゃこ!」
カラスの編隊にコールダックのモチさんが突撃しました。弁慶さんとも相まって凄い乱戦になっています。
「この空の女王が助太刀してあげますわ! 状況は分からないけどまかせなさーい!」
「面倒なアヒルだなこのアマ!」
「ええい、低空飛行に切り替えるぞ! 建物を縫って飛べば何とかなるだろ!」
カラス達の高度がより低くなります。これで私達でも届くようになりました。
「俺を守れ! この小箱を守り切れば俺達の勝ちなんだ、ガードを固め続けろ!」
カラス達の編隊が密集し、ガードがより強固になりました。が、
「やかましいぞカラスども、子供が寝てるのに起きてしまうだろう!」
ヤマアラシのコジローさんが針を突き出し、数羽のカラスを攻撃します。
「あっ、しまった力入れすぎちゃった」
コツメカワウソのういろうさんが金魚すくいを悪戯して、水をカラスに飛ばしてひるませます。
たまらず高度を上げるカラス。前を見ていなかったせいで、
「おい目の前!」
「えっ? ぎゃん!」
ガードのカラスがたまたま看板にぶら下がっていたナマケモノのサル吉さんにぶつかり墜落しました。
「……あ、なんか痛い。誰かぶつかったかな?」
「痛覚鈍いわねあんた、怪我してたら病院行きなさいよ」
「ですが少しずつガードが緩んでいます。このままいけば、小箱を持ったカラスを孤立させられるかもしれません」
「そう簡単にやられるか! 苦楼頭の意地を見せてやる!」
「ではミーのコントロールも見せてさしあげマース! ザッツトルネード投法!」
どこからともなくクルミが投げつけられました。カラス達に次々と当たっていきます。
リスザルのリッキーさんにリスのしまちゃん家族がクルミを渡し、カラス達に投げつけていました。
「騒ぎを聞きつけて援護させてもらいマーシた。ファイトデースセニョール」
「うちの子供を襲った恨みをくらえ!」
「いだっ! いだだ! エテ公ごときが、生意気な!」
「高度を上げろ、一旦空中で立て直すぞ!」
カラス達が屋根へ飛び上がりますが、その先には山羊のハナコさんが居ました。
「我が真理の邪魔をする者は、許しません」
「ぎゃん!」
ハナコさんが角を振るい、カラスの編隊を完全に瓦解させました。
「おおっし! これで奴が孤立した!」
「貴方を守る方は居ません、その箱を返してください!」
「そうは……そうは、いくか! 二度もやられた相手に三回もやられてたまるか!」
1羽になったカラスが建物へ逃げ込みます。狭い場所に逃げ込まれては私達も追いかけられません。
「へっへっへ、ここまでくれば……」
「誰かしら、私の厩舎に忍び込んだのは」
ぬうっと、ホルスタインのミルさんが顔を出します。カラスは驚き飛び上がります。
『カラスが居るぞー! おおーいカラスが居るぞー!』
「ぬわーっ! 人間が近くに!」
カラスは暴れて逃げますが、モモイロインコのモモさんの声真似です。カラスはバタつきながら表通りに飛び出して、お肉屋さんの前にまろびました。
「とーさん、カラスが私を襲おうとしてるー」
「こら! うちの子に何するんだ!」
「ぎゃー! 今度は本物の人間か!」
ホーランドロップのちびちゃんさんがご主人様を呼び、カラスを追い払わせます。
「なんなんだこの商店街! 珍獣ばっかりじゃねーか!」
「珍獣とは失礼だな、カラス野郎」
サラブレッドのソニックバスターさんが駆けつけてきました。背中にはフェネックのごんさんが居ます。
「と、とーう!」
ソニックバスターさんの突進にひるんだ隙に、ごんさんが飛びつきます。ですがカラスはひらりと避けてしまいます。
「このごんってのから事情は聞いてある。他の連中にも伝えてあるから、頑張って捕まえろよ」
「さっきの事件、見てたんだ。にしきも別の所で待ち構えてるから、助けてくれるよ」
「ありがとうございます。本当にありがとうございます!」
「商店街総出の大騒動ね、なんか面白くなってきた」
「くっそー! どいつもこいつもめちゃくちゃしやがって、苦楼頭をなめたら、痛い目見るぞこら!」
「痛い目を見るのはそっちでち!」
低空飛行で逃げていたカラスの前に、ケヅメリクガメのリクさんの頭に乗った、ハリネズミのもぐりんさんが立ちふさがります。
急旋回して回避されますが、その先で待っていたのは、
「ピン子タックル、なのねーん!」
「うおおっ!?」
マイクロブタのピン子さんの体当たり。ですがぎりぎりでターンされてしまいます。
「ちっ、取り逃したのねん」
「でも着実に追い込んでいるでち、もうちょっとでち!」
「だけど焦っちゃいけないよ。こういう時こそ、平常心だ」
「はいっ!」
「ふざけんな……ふざけんな! 俺達苦楼頭は無敵のチームだ、こんな、商店街のぼややん集団なんかにぃ! 負けるかぁ! どけぇ羊ぃ!」
「ぐー……んー? 何ー?」
カラスの前で、すりーぴーさんが居眠りをしています。すると羊毛の中からにしきさんが顔を出します。
「根競べか。蛇の得意分野だよ」
「なんだとぉ!?」
にしきさんが不意打ちで噛みつきます。残念ながら空振りしてしまいましたが、アクロバットの拍子に小箱を落としました。
魚屋さんの水槽へ飛んでいきます。このままでは水没……。
「おっと、虫以外はお断りだよ」
という時に、アロワナのマリーさんがジャンプして、小箱を尻尾で跳ね飛ばしました。
取り返す絶好のチャンスです。私達は走り、小箱へ飛び上がります。
「そうはいくかぁ!」
ですがカラスも負けじと食らいつきます。このままでは、また奪われてしまいます……。
「とぉっ!」
刹那、ちゃこさんさんが私の背中を足場にカラスへ飛びつき、抑え込みました。
私は小箱に食らいつき、ご主人様の大事な物を取り返しました。
「ち、ちくしょう! 結局三度目も失敗か! こんのぉ、次こそは絶対リベンジしてやる、覚悟してろよ犬畜生め!」
「何度来ても、私は立ち向かいますよ。ご主人様のためにこのべぇ、何度だって走ってみせます」
「勿論、私もね」
「ちぃっ、覚えてやがれー!」
カラスは捨て台詞を残して去っていきます。商店街の皆さんのおかげで、ご主人様の大事な物を取り戻す事が出来ました。
「おおいべぇ! いきなり走り出して、何してたんだ」
「ちゃこも急に、怪我をしたらどうするの?」
ご主人様と里琴さんがやってきました。私は黙ってご主人様へ小箱を渡します。
「べぇ……これを取り戻すために?」
「はい。ご主人様のために頑張りました」
「お前って奴は……ありがとう、お前は俺の自慢の家族だ。勇気も、しっかり貰えたよ」
ご主人様は私を抱きしめた後、里琴さんに小箱を渡します。
「改めて……大事な話をしても、いいですか?」
「はい……」
「もし、俺を受け入れていただけるのであれば、これを受け取ってくれませんか?」
小箱の中には、小さな宝石をあしらった指輪が入っていました。
里琴さんは頬を赤らめながら、指輪を手に取りました。
「はい、喜んで……!」
カラス達は空高く飛んでいってしまいます。このままでは、商店街の外へ逃げられてしまいそうです。
「楽勝楽勝! 犬猫撒くのに苦労なんざいらねぇぜひゃっはー!」
「それはどうかな?」
カラス達の群れに一羽の猛禽類が飛び込みます。コノハミミズクのふーすけさんです。
カラス達を蹴散らし、制空権を確保します。ふーすけさんが睨みを利かせている間、彼らは商店街から逃げられないでしょう。
「小さくても、フクロウだ。怖いけどカラスなんかに負けるものか」
「助かりましたふーすけさん」
「借りを返しにきただけさ。カラス達を外に出さなければいいんでしょう、任せておいて」
ふーすけさんに阻まれ、カラス達が高度を落とします。箱を持ったカラスは、先頭ですね。
「ひゃはは、フクロウからも逃げれば俺達の天下に」
「あら、ごめんあそばせ」
ひょっこりと、キリンのリーオーさんが顔を出しました。カラス達は激突し、さらに高度を落とします。
「あら? お散歩中にカラスにぶつかるなんて。珍しい事もあるのね」
「ありがとうございますリーオーさん」
「おかげで、あいつらが手に届くようになったわ」
ジャンプすればぎりぎり届きそうです。でもスクラムを組んでいて、守りが固い……。
「ねーねー何してるのー? クロとあそぼー!」
そしたら横からクロさんが大ジャンプ! カラスの群れに飛び込んで、編隊を崩しました。
「あっれー? ここどこ? べぇだ! ちゃこさんさんちゃんもいるー! 追いかけっこしてるのー?」
「台詞が大渋滞してるんだけど。まずは落ち着け」
「ですがカラスの編隊が大きく削れました」
追いかけていれば、少しずつ守りを減らして、箱を取り返せるかもしれません。
「くそ、あのハスキーめちゃくちゃだ!」
「だが商店街から出れば、出れさえすれば!」
「真・レグホン流格闘術! 鶏の蹴爪!」
壁を蹴ってよじ登り、弁慶さんが数羽のカラスを蹴飛ばします。いつの間にあんな技術を身に着けたんでしょうか。
「いかがですか師匠! 我が新たなる境地の技を!」
「まぁまぁじゃないかい」
どうやらマリンダさんが教えた技みたいです。いいタイミングで助かりました。
「んで、なんか大騒ぎになってるけど何があったんだい?」
「マリンダさんなぁーいす!」
「弁慶さん、その調子でカラス相手に技を磨いてください」
「任された!」
弁慶さんは嬉々としてカラスを攻撃します。鶏なのに空中戦でカラスを圧倒しています。1羽だけ違う世界線で生きてませんかあの方。
「くそ、なんだあの鶏は! 俺達相手に空で戦ってやがる!」
「編隊を崩すな! ガードを固めれば鶏なんかに」
「おーっほっほっほ! お困りのようねちゃこ!」
カラスの編隊にコールダックのモチさんが突撃しました。弁慶さんとも相まって凄い乱戦になっています。
「この空の女王が助太刀してあげますわ! 状況は分からないけどまかせなさーい!」
「面倒なアヒルだなこのアマ!」
「ええい、低空飛行に切り替えるぞ! 建物を縫って飛べば何とかなるだろ!」
カラス達の高度がより低くなります。これで私達でも届くようになりました。
「俺を守れ! この小箱を守り切れば俺達の勝ちなんだ、ガードを固め続けろ!」
カラス達の編隊が密集し、ガードがより強固になりました。が、
「やかましいぞカラスども、子供が寝てるのに起きてしまうだろう!」
ヤマアラシのコジローさんが針を突き出し、数羽のカラスを攻撃します。
「あっ、しまった力入れすぎちゃった」
コツメカワウソのういろうさんが金魚すくいを悪戯して、水をカラスに飛ばしてひるませます。
たまらず高度を上げるカラス。前を見ていなかったせいで、
「おい目の前!」
「えっ? ぎゃん!」
ガードのカラスがたまたま看板にぶら下がっていたナマケモノのサル吉さんにぶつかり墜落しました。
「……あ、なんか痛い。誰かぶつかったかな?」
「痛覚鈍いわねあんた、怪我してたら病院行きなさいよ」
「ですが少しずつガードが緩んでいます。このままいけば、小箱を持ったカラスを孤立させられるかもしれません」
「そう簡単にやられるか! 苦楼頭の意地を見せてやる!」
「ではミーのコントロールも見せてさしあげマース! ザッツトルネード投法!」
どこからともなくクルミが投げつけられました。カラス達に次々と当たっていきます。
リスザルのリッキーさんにリスのしまちゃん家族がクルミを渡し、カラス達に投げつけていました。
「騒ぎを聞きつけて援護させてもらいマーシた。ファイトデースセニョール」
「うちの子供を襲った恨みをくらえ!」
「いだっ! いだだ! エテ公ごときが、生意気な!」
「高度を上げろ、一旦空中で立て直すぞ!」
カラス達が屋根へ飛び上がりますが、その先には山羊のハナコさんが居ました。
「我が真理の邪魔をする者は、許しません」
「ぎゃん!」
ハナコさんが角を振るい、カラスの編隊を完全に瓦解させました。
「おおっし! これで奴が孤立した!」
「貴方を守る方は居ません、その箱を返してください!」
「そうは……そうは、いくか! 二度もやられた相手に三回もやられてたまるか!」
1羽になったカラスが建物へ逃げ込みます。狭い場所に逃げ込まれては私達も追いかけられません。
「へっへっへ、ここまでくれば……」
「誰かしら、私の厩舎に忍び込んだのは」
ぬうっと、ホルスタインのミルさんが顔を出します。カラスは驚き飛び上がります。
『カラスが居るぞー! おおーいカラスが居るぞー!』
「ぬわーっ! 人間が近くに!」
カラスは暴れて逃げますが、モモイロインコのモモさんの声真似です。カラスはバタつきながら表通りに飛び出して、お肉屋さんの前にまろびました。
「とーさん、カラスが私を襲おうとしてるー」
「こら! うちの子に何するんだ!」
「ぎゃー! 今度は本物の人間か!」
ホーランドロップのちびちゃんさんがご主人様を呼び、カラスを追い払わせます。
「なんなんだこの商店街! 珍獣ばっかりじゃねーか!」
「珍獣とは失礼だな、カラス野郎」
サラブレッドのソニックバスターさんが駆けつけてきました。背中にはフェネックのごんさんが居ます。
「と、とーう!」
ソニックバスターさんの突進にひるんだ隙に、ごんさんが飛びつきます。ですがカラスはひらりと避けてしまいます。
「このごんってのから事情は聞いてある。他の連中にも伝えてあるから、頑張って捕まえろよ」
「さっきの事件、見てたんだ。にしきも別の所で待ち構えてるから、助けてくれるよ」
「ありがとうございます。本当にありがとうございます!」
「商店街総出の大騒動ね、なんか面白くなってきた」
「くっそー! どいつもこいつもめちゃくちゃしやがって、苦楼頭をなめたら、痛い目見るぞこら!」
「痛い目を見るのはそっちでち!」
低空飛行で逃げていたカラスの前に、ケヅメリクガメのリクさんの頭に乗った、ハリネズミのもぐりんさんが立ちふさがります。
急旋回して回避されますが、その先で待っていたのは、
「ピン子タックル、なのねーん!」
「うおおっ!?」
マイクロブタのピン子さんの体当たり。ですがぎりぎりでターンされてしまいます。
「ちっ、取り逃したのねん」
「でも着実に追い込んでいるでち、もうちょっとでち!」
「だけど焦っちゃいけないよ。こういう時こそ、平常心だ」
「はいっ!」
「ふざけんな……ふざけんな! 俺達苦楼頭は無敵のチームだ、こんな、商店街のぼややん集団なんかにぃ! 負けるかぁ! どけぇ羊ぃ!」
「ぐー……んー? 何ー?」
カラスの前で、すりーぴーさんが居眠りをしています。すると羊毛の中からにしきさんが顔を出します。
「根競べか。蛇の得意分野だよ」
「なんだとぉ!?」
にしきさんが不意打ちで噛みつきます。残念ながら空振りしてしまいましたが、アクロバットの拍子に小箱を落としました。
魚屋さんの水槽へ飛んでいきます。このままでは水没……。
「おっと、虫以外はお断りだよ」
という時に、アロワナのマリーさんがジャンプして、小箱を尻尾で跳ね飛ばしました。
取り返す絶好のチャンスです。私達は走り、小箱へ飛び上がります。
「そうはいくかぁ!」
ですがカラスも負けじと食らいつきます。このままでは、また奪われてしまいます……。
「とぉっ!」
刹那、ちゃこさんさんが私の背中を足場にカラスへ飛びつき、抑え込みました。
私は小箱に食らいつき、ご主人様の大事な物を取り返しました。
「ち、ちくしょう! 結局三度目も失敗か! こんのぉ、次こそは絶対リベンジしてやる、覚悟してろよ犬畜生め!」
「何度来ても、私は立ち向かいますよ。ご主人様のためにこのべぇ、何度だって走ってみせます」
「勿論、私もね」
「ちぃっ、覚えてやがれー!」
カラスは捨て台詞を残して去っていきます。商店街の皆さんのおかげで、ご主人様の大事な物を取り戻す事が出来ました。
「おおいべぇ! いきなり走り出して、何してたんだ」
「ちゃこも急に、怪我をしたらどうするの?」
ご主人様と里琴さんがやってきました。私は黙ってご主人様へ小箱を渡します。
「べぇ……これを取り戻すために?」
「はい。ご主人様のために頑張りました」
「お前って奴は……ありがとう、お前は俺の自慢の家族だ。勇気も、しっかり貰えたよ」
ご主人様は私を抱きしめた後、里琴さんに小箱を渡します。
「改めて……大事な話をしても、いいですか?」
「はい……」
「もし、俺を受け入れていただけるのであれば、これを受け取ってくれませんか?」
小箱の中には、小さな宝石をあしらった指輪が入っていました。
里琴さんは頬を赤らめながら、指輪を手に取りました。
「はい、喜んで……!」
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