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7話 幽霊はダメっ!
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「おはようございます、皆さん」
夜明け前に起きてきた三人に挨拶し、僕は朝食を並べた。
三人とも顔色がいい、よく眠れたみたいだ、拠点を作った者として冥利に尽きるよ。
「なんだこの、寝た感」
「わかる。宿に泊まったかのような爽快感だわ」
「んで朝飯までできてるし、至れり尽くせりだな」
「しかしシュウよ、お前の体調は大丈夫なのか? 昨日からずっと働き詰めだろう」
「ちゃんと休んでるから平気だよ。それと、これどうぞ。罠避けの護符を作ったんです。これがあればトラップを避けられるので、探索が楽になると思います」
「……ねぇシュウ君、仕事しすぎだし、本当に休んでいいのよ?」
ミスティに心配されてしまった。でも勇者パーティに居た頃より仕事量が減ってるから、体力が余ってるんだよね。
朝食を済ませてから、二人の武器を手入れする。耐久値を回復させたから、探索中に壊れる事はまずないはずだ。
「なぁシュウ、俺の剣の耐久値、分母まで上がってるんだけど。限界値上がってるんだけど。お前何したの?」
「私の弓も同じだわ、貴方は何回私達を驚かせれば気が済むのかしら」
「あ……だめ、でしたか?」
「いやいや、そんなの一言も言ってないだろ? むしろ感心してるくらいだ。これだけスキルを使いこなしている奴は見たことないな」
よかった、厄介者扱いされてるわけじゃなかったんだな。
「ダンジョンも事前に斥候しておきました。ある程度マッピングしましたし、セーフゾーンを幾つか設置できたので、危なくなったら立ち寄りましょう」
「貴方、一人で夜のダンジョンに入ったの? ダメじゃない! 貴方戦えないでしょう、万一の事があったらどうするの!」
「前のパーティではいつもさせられてました。それに煙玉で逃げられますし、平気ですよ」
「前は前、今は今。私達のパーティに居る間はそんな無茶をしちゃダメ、いい?」
怒られてしまった。やっぱり前の感覚で働くのはよくなかったか。
「そう落ち込むなシュウ。ミスティ殿はお前を心配して怒ったのだ、決して見放したわけではない。私も心配したぞ、まさか単身ダンジョンに乗り込むとは。戦えぬ探索者を斥候に使うとは、勇者は何を考えている」
「慰安金目当て、だったんだと思う。パーティ内で死者が出たら、ギルドから慰安金が出るんだ。斥候って名目でわざと危ない場所に放り込んで、殺そうとしていたんだろうな」
「……シュウ、ここにはお前を殺そうとする者は居ない。だから、自ら危ない場所へ向かわないでくれ。もっと自分を大事にしてくれ」
エルザは肩をつかみ、悲しそうな顔を向けてきた。
ここには、僕を心配してくれる人が居る。今まで、誰からも心配されたことなんかなかったのに。
『お前って本当、使えないよなぁ』
アースから何度も言われ続けた罵声。でも逃げたら居場所がなくなると思って、暴力暴言から逃げられなくて。辛かったな。
「無茶はさておき、セーフゾーンを作ってくれて助かるよ。このダンジョン大きいから、無補給で潜り続けるのはきつかったからな。ここからは俺達の仕事だ、遠慮なく頼ってくれよ」
ロイドは僕の肩を叩き、先頭に立ってダンジョンに入っていった。
心配されたからには、もっと頑張らないと。じゃないとまた、見捨てられるかもしれないから。
◇◇◇
ダンジョン内は暗く、松明がなければ周りの様子を見る事もできない。
アンデットモンスターが数多く徘徊していて、そこかしこからゾンビやゴーストと言ったモンスターが現れてくる。物理攻撃が無効だったり、再生能力を持つ相手ばかりだけど、そこはゴールドランク冒険者だ。
「そらよっ!」
ロイドの一撃は再生能力を持つゾンビを粉みじんに打ち砕き、復活を許さない。再生する体力を残さず倒したんだ。しかも一振りで、数体を一度にやっつけてしまった。
ゴーストは物理攻撃が透過してしまうから、ロイドは防戦一方になる。でもダメージが全く通ってなくて、笑う余裕すらある。パワーとタフネスに極振りした重戦車タイプなんだね。
ロイドが壁になっている間、放たれたミスティの矢はゴーストの実体を捉え、急所を貫いた。ゴーストに効果のある、教会で清めてもらった銀の矢だ。あれなら実体のないアンデットにも物理攻撃が通用する。
ロイドの鎧にはタゲを自分に集中させる「ヘイト」のスキルが組み込まれているから、ミスティに攻撃は向かわない。お互いの役割をきちんと理解して助け合っているんだな。
「ずっとお前らにいい所を奪われてたからな、先輩として意地を示さなきゃならないだろ」
「エルザほどじゃないけど、私達もそれなりにやるでしょう?」
「それなりなんて。相性が悪いアンデットを相手に圧倒するなんてすごいと思います」
「ありがと。それで、後ろで震えてるのは何?」
エルザは僕の背中にしがみつき、さっきからずっと震えている。顔が青ざめていて、へっぴり腰になっていて、アンデットモンスターが出るたびに「ぎゃあ!」だの「ひいぃ!」だの、魔王とは思えない悲鳴をあげていた。
「エルザって、幽霊苦手なの?」
「そそそそそんなことはないぞぞぞぞぞぞこのていどのれんちゅうにわたしがおくれをとるなどああああありえないいいいい……」
「隠せてない、恐怖心が隠せてないよエルザ。苦手、なんだね」
「……うん……」
涙目になって僕の手を握ってくる。目で「帰ろう」と訴えていて、すっかり怯え切っていた。
「魔王だった頃、アンデット族はどうしてたの?」
「部下に全部任せてかかわらないようにしていたんだ……大昔にゾンビに噛まれて生死の境をさまよったことがあって……それ以来アンデット全般が苦手になってしまって……」
それは確かに、トラウマになるかもしれないなぁ……。
「無敵のウィザードにも弱点があったか。けど安心しな、そのための俺達だ」
「一人の弱点は皆で補う。それでこそパーティでしょう?」
でもロイドとミスティは気にしない。僕達の欠点を知っても見捨てる事なく、胸を叩いてフォローしてくれる。
いい人達だな。こんなにいい人、僕は見た事がないや。
一度セーフゾーンで休憩を取る事に。範囲と効果時間は短いけど、モンスター除けのアイテムを置き、そこに補給用の薬や携帯食料を用意しておいたんだ。
あとは砥石や矢束をセットして、消耗した二人をサポートする準備を整えている。長時間の探索もこれで安心だ。
「そんな小まめに手入れしなくても大丈夫だぞ?」
「いえ、万一の事があったら危険ですから」
ロイドの剣を砥石で磨き上げ、性能を元通りの状態に戻しておく。ダンジョンは危険がいっぱいだ、ちょっとの油断で死んでしまうかもしれない。武器は常に最高の状態にしておかないと。
「矢筒も心もとなくなっていたから助かるわ。一旦お腹に入れときましょう、ほらエルザ」
「ここここんな所で食べるのか!? ぜ、全部終わってから、外で食べればいいのでは?」
「補給食取っておかないと、体力が持たないわよ?」
「あうぅぅぅ……」
怯えてそれどころじゃないらしく、僕にしがみついたまま離れない。うーん、ちょっとでも食べたほうが気がまぎれると思うんだけど。
「エルザ、はい」
そう思ったから、エルザの口元に携帯食料を差し出してみる。エルザは反射的に齧り、目をしばたいた。
「ちょっとは落ち着いた?」
「う、うむ……しかしこれはあの、その……あ、あーんというやつでは……」
「えっ?」
えーっと、僕がエルザに携帯食料を差し出して、それをエルザが食べて……構図としては深い仲の男女がやる……。
「あ、あわわわわ……ごめんごめん! 人前で僕はなんて事を!」
「いやむしろこれはこれで美味しい目に遭ったと言うか役得と言うか!」
エルザも青ざめていた顔が真っ赤になる。無意識にやった事と言え、すんごい恥ずかしい……。
「なぁミスティ、この携帯食料甘ったるいんだが。俺の舌がおかしいんかね」
「安心なさい、私のも舌が曲がるくらい甘いから」
ロイドとミスティは、なぜか僕達を見ながらもしゃもしゃと携帯食料をかじり続けていた。
―おぉぉぉぉぉぉ……ん
と、ダンジョンの奥から地響きのような声がとどろいた。
松明を掲げると、四つん這いの巨大な骸骨が、ものすごい勢いで僕達に迫ってきている。
あれはワイトキングだ、僕達の気配を感じて襲いに来たんだろう。ギルドの依頼にあったダンジョンに巣食う凶暴なモンスター、あいつがそうだ。
モンスター除けは低級モンスターしか効果がない。エルザが戦えないから、苦戦するかもしれない。
「ぎゃああああああああああ!!!! でたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
と思ったら、エルザが極太レーザーをぶっぱなし、ワイトキングを消し去っちゃった。
ダンジョンに風穴が空いて僕らは唖然とする。でもエルザは自分のした事が理解できなかったみたいで、
「ひいぃぃぃぃっ! た、たすけてくれシュウーっ!」
「落ち着いてエルザ! もういない、もういないからっ!」
錯乱したまま僕に抱き着いて泣きわめく姿には、魔王の威厳が全くなかった。幽霊に恐がるただの女の人だ。
……ワイトキングって、倒すのにゴールドランク冒険者が五人は必要な強敵なんだけど。それを一撃で消し飛ばすエルザのほうがよっぽど怖いや……。
夜明け前に起きてきた三人に挨拶し、僕は朝食を並べた。
三人とも顔色がいい、よく眠れたみたいだ、拠点を作った者として冥利に尽きるよ。
「なんだこの、寝た感」
「わかる。宿に泊まったかのような爽快感だわ」
「んで朝飯までできてるし、至れり尽くせりだな」
「しかしシュウよ、お前の体調は大丈夫なのか? 昨日からずっと働き詰めだろう」
「ちゃんと休んでるから平気だよ。それと、これどうぞ。罠避けの護符を作ったんです。これがあればトラップを避けられるので、探索が楽になると思います」
「……ねぇシュウ君、仕事しすぎだし、本当に休んでいいのよ?」
ミスティに心配されてしまった。でも勇者パーティに居た頃より仕事量が減ってるから、体力が余ってるんだよね。
朝食を済ませてから、二人の武器を手入れする。耐久値を回復させたから、探索中に壊れる事はまずないはずだ。
「なぁシュウ、俺の剣の耐久値、分母まで上がってるんだけど。限界値上がってるんだけど。お前何したの?」
「私の弓も同じだわ、貴方は何回私達を驚かせれば気が済むのかしら」
「あ……だめ、でしたか?」
「いやいや、そんなの一言も言ってないだろ? むしろ感心してるくらいだ。これだけスキルを使いこなしている奴は見たことないな」
よかった、厄介者扱いされてるわけじゃなかったんだな。
「ダンジョンも事前に斥候しておきました。ある程度マッピングしましたし、セーフゾーンを幾つか設置できたので、危なくなったら立ち寄りましょう」
「貴方、一人で夜のダンジョンに入ったの? ダメじゃない! 貴方戦えないでしょう、万一の事があったらどうするの!」
「前のパーティではいつもさせられてました。それに煙玉で逃げられますし、平気ですよ」
「前は前、今は今。私達のパーティに居る間はそんな無茶をしちゃダメ、いい?」
怒られてしまった。やっぱり前の感覚で働くのはよくなかったか。
「そう落ち込むなシュウ。ミスティ殿はお前を心配して怒ったのだ、決して見放したわけではない。私も心配したぞ、まさか単身ダンジョンに乗り込むとは。戦えぬ探索者を斥候に使うとは、勇者は何を考えている」
「慰安金目当て、だったんだと思う。パーティ内で死者が出たら、ギルドから慰安金が出るんだ。斥候って名目でわざと危ない場所に放り込んで、殺そうとしていたんだろうな」
「……シュウ、ここにはお前を殺そうとする者は居ない。だから、自ら危ない場所へ向かわないでくれ。もっと自分を大事にしてくれ」
エルザは肩をつかみ、悲しそうな顔を向けてきた。
ここには、僕を心配してくれる人が居る。今まで、誰からも心配されたことなんかなかったのに。
『お前って本当、使えないよなぁ』
アースから何度も言われ続けた罵声。でも逃げたら居場所がなくなると思って、暴力暴言から逃げられなくて。辛かったな。
「無茶はさておき、セーフゾーンを作ってくれて助かるよ。このダンジョン大きいから、無補給で潜り続けるのはきつかったからな。ここからは俺達の仕事だ、遠慮なく頼ってくれよ」
ロイドは僕の肩を叩き、先頭に立ってダンジョンに入っていった。
心配されたからには、もっと頑張らないと。じゃないとまた、見捨てられるかもしれないから。
◇◇◇
ダンジョン内は暗く、松明がなければ周りの様子を見る事もできない。
アンデットモンスターが数多く徘徊していて、そこかしこからゾンビやゴーストと言ったモンスターが現れてくる。物理攻撃が無効だったり、再生能力を持つ相手ばかりだけど、そこはゴールドランク冒険者だ。
「そらよっ!」
ロイドの一撃は再生能力を持つゾンビを粉みじんに打ち砕き、復活を許さない。再生する体力を残さず倒したんだ。しかも一振りで、数体を一度にやっつけてしまった。
ゴーストは物理攻撃が透過してしまうから、ロイドは防戦一方になる。でもダメージが全く通ってなくて、笑う余裕すらある。パワーとタフネスに極振りした重戦車タイプなんだね。
ロイドが壁になっている間、放たれたミスティの矢はゴーストの実体を捉え、急所を貫いた。ゴーストに効果のある、教会で清めてもらった銀の矢だ。あれなら実体のないアンデットにも物理攻撃が通用する。
ロイドの鎧にはタゲを自分に集中させる「ヘイト」のスキルが組み込まれているから、ミスティに攻撃は向かわない。お互いの役割をきちんと理解して助け合っているんだな。
「ずっとお前らにいい所を奪われてたからな、先輩として意地を示さなきゃならないだろ」
「エルザほどじゃないけど、私達もそれなりにやるでしょう?」
「それなりなんて。相性が悪いアンデットを相手に圧倒するなんてすごいと思います」
「ありがと。それで、後ろで震えてるのは何?」
エルザは僕の背中にしがみつき、さっきからずっと震えている。顔が青ざめていて、へっぴり腰になっていて、アンデットモンスターが出るたびに「ぎゃあ!」だの「ひいぃ!」だの、魔王とは思えない悲鳴をあげていた。
「エルザって、幽霊苦手なの?」
「そそそそそんなことはないぞぞぞぞぞぞこのていどのれんちゅうにわたしがおくれをとるなどああああありえないいいいい……」
「隠せてない、恐怖心が隠せてないよエルザ。苦手、なんだね」
「……うん……」
涙目になって僕の手を握ってくる。目で「帰ろう」と訴えていて、すっかり怯え切っていた。
「魔王だった頃、アンデット族はどうしてたの?」
「部下に全部任せてかかわらないようにしていたんだ……大昔にゾンビに噛まれて生死の境をさまよったことがあって……それ以来アンデット全般が苦手になってしまって……」
それは確かに、トラウマになるかもしれないなぁ……。
「無敵のウィザードにも弱点があったか。けど安心しな、そのための俺達だ」
「一人の弱点は皆で補う。それでこそパーティでしょう?」
でもロイドとミスティは気にしない。僕達の欠点を知っても見捨てる事なく、胸を叩いてフォローしてくれる。
いい人達だな。こんなにいい人、僕は見た事がないや。
一度セーフゾーンで休憩を取る事に。範囲と効果時間は短いけど、モンスター除けのアイテムを置き、そこに補給用の薬や携帯食料を用意しておいたんだ。
あとは砥石や矢束をセットして、消耗した二人をサポートする準備を整えている。長時間の探索もこれで安心だ。
「そんな小まめに手入れしなくても大丈夫だぞ?」
「いえ、万一の事があったら危険ですから」
ロイドの剣を砥石で磨き上げ、性能を元通りの状態に戻しておく。ダンジョンは危険がいっぱいだ、ちょっとの油断で死んでしまうかもしれない。武器は常に最高の状態にしておかないと。
「矢筒も心もとなくなっていたから助かるわ。一旦お腹に入れときましょう、ほらエルザ」
「ここここんな所で食べるのか!? ぜ、全部終わってから、外で食べればいいのでは?」
「補給食取っておかないと、体力が持たないわよ?」
「あうぅぅぅ……」
怯えてそれどころじゃないらしく、僕にしがみついたまま離れない。うーん、ちょっとでも食べたほうが気がまぎれると思うんだけど。
「エルザ、はい」
そう思ったから、エルザの口元に携帯食料を差し出してみる。エルザは反射的に齧り、目をしばたいた。
「ちょっとは落ち着いた?」
「う、うむ……しかしこれはあの、その……あ、あーんというやつでは……」
「えっ?」
えーっと、僕がエルザに携帯食料を差し出して、それをエルザが食べて……構図としては深い仲の男女がやる……。
「あ、あわわわわ……ごめんごめん! 人前で僕はなんて事を!」
「いやむしろこれはこれで美味しい目に遭ったと言うか役得と言うか!」
エルザも青ざめていた顔が真っ赤になる。無意識にやった事と言え、すんごい恥ずかしい……。
「なぁミスティ、この携帯食料甘ったるいんだが。俺の舌がおかしいんかね」
「安心なさい、私のも舌が曲がるくらい甘いから」
ロイドとミスティは、なぜか僕達を見ながらもしゃもしゃと携帯食料をかじり続けていた。
―おぉぉぉぉぉぉ……ん
と、ダンジョンの奥から地響きのような声がとどろいた。
松明を掲げると、四つん這いの巨大な骸骨が、ものすごい勢いで僕達に迫ってきている。
あれはワイトキングだ、僕達の気配を感じて襲いに来たんだろう。ギルドの依頼にあったダンジョンに巣食う凶暴なモンスター、あいつがそうだ。
モンスター除けは低級モンスターしか効果がない。エルザが戦えないから、苦戦するかもしれない。
「ぎゃああああああああああ!!!! でたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
と思ったら、エルザが極太レーザーをぶっぱなし、ワイトキングを消し去っちゃった。
ダンジョンに風穴が空いて僕らは唖然とする。でもエルザは自分のした事が理解できなかったみたいで、
「ひいぃぃぃぃっ! た、たすけてくれシュウーっ!」
「落ち着いてエルザ! もういない、もういないからっ!」
錯乱したまま僕に抱き着いて泣きわめく姿には、魔王の威厳が全くなかった。幽霊に恐がるただの女の人だ。
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