18 / 140
第18話 中学野球の始まり
しおりを挟む
中学生活も1週間が経とうとしている。
そして週末になり、中学の野球チームに参加した。
新宿ナインズというチームだ。
それなりに強く、先輩は優秀だった。
祐輝は1年生が集まる場所に来ると周囲を見ていた。
「は、初めまして。 健太って言います。 よ、よろしく。」
おどおどしている少年が話しかけてきた。
祐輝はペコリと会釈すると健太は安堵した表情でぎこちない笑顔を見せた。
今の所は祐輝と健太しかいない。
しばらく待つともう1人現れた。
色黒で愛想の悪い少年が歩いてきた。
「は、初めまして。」
「あーどうも。 エルド。」
『エルド?』
「キリスト教で韓国のハーフ。」
エルドはそれだけ言うと黙って立っていた。
気まずい空気の中、数分経つと監督が現れた。
祐輝は不思議そうに監督を見ている。
「えー。 今年度の新宿ナインズのメンバーは君達3人。 以上。」
「・・・・・・」
例年20人以上のが入る新宿ナインズは驚く事にたったの3人だった。
先輩達は2年、3年合わせると40人もいた。
しかし祐輝達1年生は3人しか集まらなかった。
開いた口が塞がらない祐輝は監督を見ていた。
「ええ。 監督の大間です。 よろしく。 まあ・・・3人でもね、頑張れば試合出られるからね。 頑張っていこう。」
動揺が隠せないまま、祐輝はナインズの練習に参加した。
すると健太が話しかけてくる。
ボールを持ってきてペコリと会釈している。
「ゆ、祐輝はタイガースのメンバーだったんだよね?」
「まあね。 ずっとベンチだけどな。」
「そっか。 俺のチームとも何回か試合していたんだよね。 いつも10対0で負けてたけど。」
「ふーん。」
「きゃ、キャッチボールやろ!」
祐輝はその言葉を最後にいつ聞いたか。
何年も前に一輝に言われた言葉だった。
キャッチボールをやってくれる相手がいるなんて。
2人はキャッチボールを始めた。
「は、速いねっ。」
「そうか? 軽く投げてるよ。」
「おお1年坊主! 集まれ!」
ドスの聞いた声を出して手招きしている大きな体の男性。
祐輝と健太が男性の前に行って帽子を取った。
脱帽という言葉は野球の世界では敬意を表す行動だ。
先輩や監督、コーチ話す時は脱帽する事が礼儀である。
男性は祐輝の腕や肩を触っている。
「おお。 お前はピッチャー。 健太。 お前はキャッチャーだ。 エルドは。 まず基礎練習だな。」
「え、えっと・・・」
「俺は佐藤です。 コーチやってます。 息子がなあそこにいるデカイやつが息子だ。」
佐藤コーチが指差す先には大きな体のピッチャーがボールを投げている。
その急速は小学校では絶対に見る事のない速さだった。
驚いて目を見開く祐輝は佐藤コーチの息子を見ていた。
「おーい雄太!!」
「はいおと・・・コーチ。」
「こいつ祐輝。 ピッチャーにするから練習教えてやれ。」
「はい。 じゃあ祐輝おいで。」
祐輝は困った表情で雄太についていく。
同学年では背の高い祐輝だったが、雄太は中学2年生で180センチもあった。
雄太に釣れられてピッチャーマウンドに行くとボールを投げる先輩がいる。
「じゃあ祐輝。 こちら3年生の中村さん。 俺達は中村さんの指示で練習やるから。」
「わ、わかりました。 よろしくお願いします。」
「あ、あと。 後輩は基本的に先輩に話しかけちゃダメだからな。」
「はい。」
雄太の投球に驚いたが中村の投球は更に上をいっていた。
速いストレートに物凄いカーブ。
ナインズの不動のエースだ。
「祐輝は小学校でもピッチャー?」
「い、いや・・・ベンチです。 ろくに試合出てません・・・」
「え? 1年なのにデカイけどな。 とりあえず投げてみな。」
祐輝は生まれて初めてピッチャーマウンドに立った。
先輩や健太が見守る中、祐輝はぎこちない投球フォームでキャッチャーに投げた。
そのストレートはキャッチャーが綺麗に捕球した。
同時に先輩からもどよめきの声が出た。
「おお速いな! 3年になればエースだな。」
「え、えっと・・・」
「まあ頑張れ! 俺も中村さんも小学校の時はベンチだったよ。」
中村は顔立ちのいい美少年だった。
すました表情で汗を拭いている。
祐輝の事は見もしていない。
雄太は少しぽっちゃりしていて可愛らしい。
祐輝はこうして佐藤コーチの指名で野球の顔役とも言えるピッチャーというポジションになった。
そして週末になり、中学の野球チームに参加した。
新宿ナインズというチームだ。
それなりに強く、先輩は優秀だった。
祐輝は1年生が集まる場所に来ると周囲を見ていた。
「は、初めまして。 健太って言います。 よ、よろしく。」
おどおどしている少年が話しかけてきた。
祐輝はペコリと会釈すると健太は安堵した表情でぎこちない笑顔を見せた。
今の所は祐輝と健太しかいない。
しばらく待つともう1人現れた。
色黒で愛想の悪い少年が歩いてきた。
「は、初めまして。」
「あーどうも。 エルド。」
『エルド?』
「キリスト教で韓国のハーフ。」
エルドはそれだけ言うと黙って立っていた。
気まずい空気の中、数分経つと監督が現れた。
祐輝は不思議そうに監督を見ている。
「えー。 今年度の新宿ナインズのメンバーは君達3人。 以上。」
「・・・・・・」
例年20人以上のが入る新宿ナインズは驚く事にたったの3人だった。
先輩達は2年、3年合わせると40人もいた。
しかし祐輝達1年生は3人しか集まらなかった。
開いた口が塞がらない祐輝は監督を見ていた。
「ええ。 監督の大間です。 よろしく。 まあ・・・3人でもね、頑張れば試合出られるからね。 頑張っていこう。」
動揺が隠せないまま、祐輝はナインズの練習に参加した。
すると健太が話しかけてくる。
ボールを持ってきてペコリと会釈している。
「ゆ、祐輝はタイガースのメンバーだったんだよね?」
「まあね。 ずっとベンチだけどな。」
「そっか。 俺のチームとも何回か試合していたんだよね。 いつも10対0で負けてたけど。」
「ふーん。」
「きゃ、キャッチボールやろ!」
祐輝はその言葉を最後にいつ聞いたか。
何年も前に一輝に言われた言葉だった。
キャッチボールをやってくれる相手がいるなんて。
2人はキャッチボールを始めた。
「は、速いねっ。」
「そうか? 軽く投げてるよ。」
「おお1年坊主! 集まれ!」
ドスの聞いた声を出して手招きしている大きな体の男性。
祐輝と健太が男性の前に行って帽子を取った。
脱帽という言葉は野球の世界では敬意を表す行動だ。
先輩や監督、コーチ話す時は脱帽する事が礼儀である。
男性は祐輝の腕や肩を触っている。
「おお。 お前はピッチャー。 健太。 お前はキャッチャーだ。 エルドは。 まず基礎練習だな。」
「え、えっと・・・」
「俺は佐藤です。 コーチやってます。 息子がなあそこにいるデカイやつが息子だ。」
佐藤コーチが指差す先には大きな体のピッチャーがボールを投げている。
その急速は小学校では絶対に見る事のない速さだった。
驚いて目を見開く祐輝は佐藤コーチの息子を見ていた。
「おーい雄太!!」
「はいおと・・・コーチ。」
「こいつ祐輝。 ピッチャーにするから練習教えてやれ。」
「はい。 じゃあ祐輝おいで。」
祐輝は困った表情で雄太についていく。
同学年では背の高い祐輝だったが、雄太は中学2年生で180センチもあった。
雄太に釣れられてピッチャーマウンドに行くとボールを投げる先輩がいる。
「じゃあ祐輝。 こちら3年生の中村さん。 俺達は中村さんの指示で練習やるから。」
「わ、わかりました。 よろしくお願いします。」
「あ、あと。 後輩は基本的に先輩に話しかけちゃダメだからな。」
「はい。」
雄太の投球に驚いたが中村の投球は更に上をいっていた。
速いストレートに物凄いカーブ。
ナインズの不動のエースだ。
「祐輝は小学校でもピッチャー?」
「い、いや・・・ベンチです。 ろくに試合出てません・・・」
「え? 1年なのにデカイけどな。 とりあえず投げてみな。」
祐輝は生まれて初めてピッチャーマウンドに立った。
先輩や健太が見守る中、祐輝はぎこちない投球フォームでキャッチャーに投げた。
そのストレートはキャッチャーが綺麗に捕球した。
同時に先輩からもどよめきの声が出た。
「おお速いな! 3年になればエースだな。」
「え、えっと・・・」
「まあ頑張れ! 俺も中村さんも小学校の時はベンチだったよ。」
中村は顔立ちのいい美少年だった。
すました表情で汗を拭いている。
祐輝の事は見もしていない。
雄太は少しぽっちゃりしていて可愛らしい。
祐輝はこうして佐藤コーチの指名で野球の顔役とも言えるピッチャーというポジションになった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる