青春聖戦 24年の思い出

くらまゆうき

文字の大きさ
107 / 140

第107話 後悔するかも

しおりを挟む
「俺帰るわ。」
「えーなんでよー!」



自分でもその言葉には驚いた。


初体験ができる千載一遇の機会だったが、祐輝は何かが気に入らなかった。


荷物を背負うと店を出ようとした。


するとミクが悲しそうに見ている。




「なんで・・・」
「なんか嫌だ。 違うんだよな。」
「そっか・・・」




祐輝はドアノブに手をかけて「ごめん」とつぶやくと店を出た。


すると先程の不良達がタバコを咥えて人数を増やして店の前に立っていた。


ゾロゾロと祐輝の近くに行くと「どうだった?」と聞いてきた。


「何が?」と返すと不良は得意げに話しを始めた。




「あいつは俺らの地元で一番上手いぜ。」
「そっか。 じゃあ。」
「おい待てよ! ヤッたんだろ?」




祐輝は不良を見て首を振ると一同が驚いて顔を見合わせた。


ミクとヤらない男がいるのかと驚いている。


それほどまでに少年達は旺盛であり、ミクが可愛らしかった。




「なんでだよ?」
「わからない。 でも嫌だった。」
「あいつは可愛いのに誰とでもヤるんだよ。」




その時祐輝は何かを感じた。


ああそれか。


ミズキとの違和感は。


あいつは俺のためにいつも頑張ってくれた。


好きってミズキみたいな事言うんだろうな。


カラオケで上手な歌を聴かされる事が好きって感情じゃないよな。


祐輝は清々しい表情になると下を向いて鼻で笑った。


そして顔を上げると不良達を睨んだ。




「まあどうでもいいよ。 俺はあいつに興味がなくなったから。 まだ店にいるし、勝手にヤッてこいよ。」
「マジでさー。 お前調子乗るなよ。」
「かかってこいよ。 丁度暴れたかったから。」




この衝動は何なのか。


無性に力を爆発させたくなった。


目の前にいる不良達に何の恨みもないが、こいつらをぶっ飛ばしてやりたくなった。


不良達は5人はいる。


だが祐輝はやる気だった。




「お前5対1で勝てると思ってんの?」
「そんな細くて小さいお前らが5人いるからどうした? タバコは20歳からだろ。 じゃねえとお前らみてえに成長できないからな。」




この啖呵には不良も我慢の限界という表情だった。


「ついてこいよ」と不良が祐輝を人気のない空き地へと連れて行く。


夕方から夜に差し掛かる頃、5人の不良と対峙する祐輝は平然としていた。


すると不良の1人が祐輝の顔を殴った。


一瞬の沈黙から祐輝はくすくすと笑い始めた。




「全然痛くねえ。 お前ら人を殴る時は手加減するなよ? 殺したって構わねえよ? じゃあ次は俺が行くぞ。」




次の瞬間には不良の1人がその場に崩れ落ちた。


驚く不良は4人がかりで襲いかかったが3分後には全員がその場でぐったりしていた。


「ふう」っと呼吸を整えた祐輝は1人で駅へと歩いていった。


駅のホームで電車を待っている間も、この一連の感情の整理をしていた。


どうしてミクと初体験をしなかったのか、どうして不良をぶっ飛ばしたくなったのか。


心の中でモヤモヤとする感情は何なのか。


警笛が響き、電車が近づいて来ると祐輝は目をつぶって考えていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

処理中です...