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シーズン
第8ー18話 時間すらも味方であれ
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遠くの空をぼんやりと眺めている。
虎白は、夜間に送り出したエヴァと仲間達が上手く作戦を成功させられたのかと気にしている。
その結果を知るために空を眺めているのだ。
広い平原で連合軍が、ルーシー軍を待ち構える中で陣中から大切なエヴァの安否を気にしているその時だ。
正面からは、ルーシーの旗印が高々と山中の谷間を進んでいるのが見えた。
その光景は連合軍の全ての者に見えている。
平原に彼らが出てきて決戦となるのは、残す所僅か数分だろう。
連合軍の全軍に緊張が走る中、虎白だけは変わらず空を眺めていた。
「せめて生きているって事だけでも伝えてくれ・・・」
そう小さく声を発する中、竹子の主力軍がマケドニア軍やスタシア軍と肩を並べる様に横一列に広がった。
それでも空だけを見つめているその時だ。
緑色の狼煙のろしが高々と上がると、更に近くでも同色の狼煙が上がった。
虎白は狼煙を確認すると、安堵の表情を浮かべた。
「よかった・・・エヴァも半獣族も無事だったか・・・」
これはエヴァの出撃前に手渡した三色の発煙筒が、伝えた結果だ。
緑は成功で、赤は半獣族の救出失敗。
そして黒の発煙筒は部隊にも損害が出たと知らせる内容だった。
緑色の発煙筒をエヴァが打ち上げて、等間隔に配備されている白陸兵が虎白へと伝えていった。
青空に高々と上がる緑煙りょくえんに安堵すると、直ぐさま腰に縄を巻きつけるとユーリやエリアナ、ゾフィアにも巻き付けた。
一本のとてつもなく長い縄を周囲の皇国武士らにも巻きつけると、一つの束の様に皆が腰に巻いた。
「な、何をしているんだ鞍馬?」
「今から奇襲をするんだ」
「は!? な、なか・・・敵はもうそこまで来ているんだぞ!!」
既に肉眼で旗印が見える距離にまで迫るルーシー軍を、今から奇襲なんて不可能な事だ。
仮に向かうとしても、部隊に縄をくくりつける意味がわからないユーリは困惑した表情で虎白を見ている。
すると大きく深呼吸をした虎白は、自身が持つ神業を解き放った。
「第八感・・・止まった時間の中で俺に間接的にでも触れている者は同じ様に停止した時間の中を動ける・・・昨晩にユーリと酒を飲んだ時に気がついたんだ」
突然肩を触られた反動で、酒瓶を落としたユーリと瓶を通して触れ合った。
思わず第八感を放った際に、瓶を同時に触ったユーリだけが止まった時間の中で動いていたのだ。
虎白は縄を経由して、配下の皇国武士達にも第八感の影響を及ぼしたというわけだ。
止まった時間の中で移動してルーシー軍を奇襲するのだと察したユーリは、驚いた様子で虎白の顔を見ている。
「ただ一つ言っておくが、これには膨大な神通力を消費するんだ・・・奇襲の時には俺はもう使い物にならねえかもしれねえ・・・」
「私は奇襲をする前にどうしても話したい相手がいるんだ・・・」
それがルニャというわけだ。
ルーシーの二人の英雄が抜けた今、妹の様に可愛がられていたルニャが全軍を率いて決戦の地へと向かっている。
ユーリは戦う前に彼女と話して、同胞の犠牲を減らそうと考えていたのだ。
そして停止した時間の中を進み、山中へ入ると見張りのルーシー兵を皇国武士らが淡々と斬り捨てていった。
やがて虎白は神通力の消耗に耐えられなくなり吐血をすると、ユーリの肩を掴んだ。
「もう限界だ・・・交渉するのはいいが、失敗した時は全員斬るからな。 そうしないと、俺の仲間が斬られるんでな」
「わかっている・・・」
そして時間が再始動したが、結果は虚しくルニャと同胞達はユーリを殺さんと殺到したのだった。
突如として現れた皇国武士による奇襲は、ルーシー軍を驚かせた。
奇襲に驚く戦闘民族らは、押し出される様に平原へと溢れ出たがそこには竹子やアレクサンドロス大王らの連合軍が待ち構えているというわけだ。
平原に飛び出してきたルーシー軍を前に偉大なる征服王が、剣を天高く突き上げて将兵に語りかけた。
「この戦いで、北側領土に平和が訪れる。 我がアレクサンダーよ!! 戦争がない平和な世界を創造する事に力を貸せ!! この世界こそ、皆がアレクサンダーだ!! 勇者であれー!!!!」
勇者の言葉が戦場に響き渡ると、大地が割れるほどの将兵の歓声が包んだ。
そして馬蹄と歩兵の足音が地震の如く音を立て、動揺するルーシー軍へと飛びかかった。
たちまちのどかな平原は血生臭い戦場へと様変わりした。
戦争のない天上界を創るため。
平和には、蔑まれても無視される半獣族がいてはならないのだ。
事実をひた隠しにして、戦争を自国の民に煽るフキエやスワンという存在はこの先も変わる事なく人を欺く。
そんな腐りきった世界を変えるために、虎白の夢を叶える仲間達が最後の戦いに挑むのだった。
虎白は、夜間に送り出したエヴァと仲間達が上手く作戦を成功させられたのかと気にしている。
その結果を知るために空を眺めているのだ。
広い平原で連合軍が、ルーシー軍を待ち構える中で陣中から大切なエヴァの安否を気にしているその時だ。
正面からは、ルーシーの旗印が高々と山中の谷間を進んでいるのが見えた。
その光景は連合軍の全ての者に見えている。
平原に彼らが出てきて決戦となるのは、残す所僅か数分だろう。
連合軍の全軍に緊張が走る中、虎白だけは変わらず空を眺めていた。
「せめて生きているって事だけでも伝えてくれ・・・」
そう小さく声を発する中、竹子の主力軍がマケドニア軍やスタシア軍と肩を並べる様に横一列に広がった。
それでも空だけを見つめているその時だ。
緑色の狼煙のろしが高々と上がると、更に近くでも同色の狼煙が上がった。
虎白は狼煙を確認すると、安堵の表情を浮かべた。
「よかった・・・エヴァも半獣族も無事だったか・・・」
これはエヴァの出撃前に手渡した三色の発煙筒が、伝えた結果だ。
緑は成功で、赤は半獣族の救出失敗。
そして黒の発煙筒は部隊にも損害が出たと知らせる内容だった。
緑色の発煙筒をエヴァが打ち上げて、等間隔に配備されている白陸兵が虎白へと伝えていった。
青空に高々と上がる緑煙りょくえんに安堵すると、直ぐさま腰に縄を巻きつけるとユーリやエリアナ、ゾフィアにも巻き付けた。
一本のとてつもなく長い縄を周囲の皇国武士らにも巻きつけると、一つの束の様に皆が腰に巻いた。
「な、何をしているんだ鞍馬?」
「今から奇襲をするんだ」
「は!? な、なか・・・敵はもうそこまで来ているんだぞ!!」
既に肉眼で旗印が見える距離にまで迫るルーシー軍を、今から奇襲なんて不可能な事だ。
仮に向かうとしても、部隊に縄をくくりつける意味がわからないユーリは困惑した表情で虎白を見ている。
すると大きく深呼吸をした虎白は、自身が持つ神業を解き放った。
「第八感・・・止まった時間の中で俺に間接的にでも触れている者は同じ様に停止した時間の中を動ける・・・昨晩にユーリと酒を飲んだ時に気がついたんだ」
突然肩を触られた反動で、酒瓶を落としたユーリと瓶を通して触れ合った。
思わず第八感を放った際に、瓶を同時に触ったユーリだけが止まった時間の中で動いていたのだ。
虎白は縄を経由して、配下の皇国武士達にも第八感の影響を及ぼしたというわけだ。
止まった時間の中で移動してルーシー軍を奇襲するのだと察したユーリは、驚いた様子で虎白の顔を見ている。
「ただ一つ言っておくが、これには膨大な神通力を消費するんだ・・・奇襲の時には俺はもう使い物にならねえかもしれねえ・・・」
「私は奇襲をする前にどうしても話したい相手がいるんだ・・・」
それがルニャというわけだ。
ルーシーの二人の英雄が抜けた今、妹の様に可愛がられていたルニャが全軍を率いて決戦の地へと向かっている。
ユーリは戦う前に彼女と話して、同胞の犠牲を減らそうと考えていたのだ。
そして停止した時間の中を進み、山中へ入ると見張りのルーシー兵を皇国武士らが淡々と斬り捨てていった。
やがて虎白は神通力の消耗に耐えられなくなり吐血をすると、ユーリの肩を掴んだ。
「もう限界だ・・・交渉するのはいいが、失敗した時は全員斬るからな。 そうしないと、俺の仲間が斬られるんでな」
「わかっている・・・」
そして時間が再始動したが、結果は虚しくルニャと同胞達はユーリを殺さんと殺到したのだった。
突如として現れた皇国武士による奇襲は、ルーシー軍を驚かせた。
奇襲に驚く戦闘民族らは、押し出される様に平原へと溢れ出たがそこには竹子やアレクサンドロス大王らの連合軍が待ち構えているというわけだ。
平原に飛び出してきたルーシー軍を前に偉大なる征服王が、剣を天高く突き上げて将兵に語りかけた。
「この戦いで、北側領土に平和が訪れる。 我がアレクサンダーよ!! 戦争がない平和な世界を創造する事に力を貸せ!! この世界こそ、皆がアレクサンダーだ!! 勇者であれー!!!!」
勇者の言葉が戦場に響き渡ると、大地が割れるほどの将兵の歓声が包んだ。
そして馬蹄と歩兵の足音が地震の如く音を立て、動揺するルーシー軍へと飛びかかった。
たちまちのどかな平原は血生臭い戦場へと様変わりした。
戦争のない天上界を創るため。
平和には、蔑まれても無視される半獣族がいてはならないのだ。
事実をひた隠しにして、戦争を自国の民に煽るフキエやスワンという存在はこの先も変わる事なく人を欺く。
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