転生魔法伝記〜魔法を極めたいと思いますが、それを邪魔する者は排除しておきます〜

プロローグ

第0話 死亡、そして王女転生

科学技術が進んだ世界。
そんな世界に、彼女は住んでいた。

彼女の名は八笠 美明やかさ みあ。
オタクの独身女性だ。


「はぁ～、もうこんな時間か…。これじゃ新刊買えないじゃん。」


見ると時間は既に23時をまわっていた。


「これが世間で言うブラック企業ってやつだね。」


足取りが重く、ずっと画面を見ていたせいか頭も痛い。
視界がはっきりとしない中、美明は歩いていた。


「待つんだ！君！」
「危ない！」

「え…？」


ドン！

何かが私にぶつかった。
途端、身体に力が入らなくなる。
痛い……熱い…意識が遠のいていく…


（あぁ…私死ぬんだ…。）


周りの民衆はざわめき、悲鳴をあげる人、慌てて何かを叫ぶ人、腰が抜けて座ってしまう人。
だがそれは、既に美明には見えても聞こえてもいなかった。


（悔いのない…一生……だったかな…。ねぇ…神様。もし…生ま……れ変われる…のだと……したら、…魔法や…剣に満ち………世界…行き…………な。）
《はいはーい！その願い、聞き届けちゃうよ！若くして死んじゃうとか悲しすぎるからね。君は来世で好きなように、楽しんでね！》



──きっと、大物になるから…──




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目を開けると、そこには自分を取り囲む大勢の人がいた。


（あれ？私死んだはずじゃ…。ここは病院？にしては少し…というかかなり違うような…？）

「無事産まれましたよ、レーファル様！元気な女の子です！」

「おめでとうございます、レーファル様！きっと貴方様に似て、お美しくなられるでしょう！｣

（産まれる…？レーファル様？おめでとう…？）



突然の言葉に、美明は驚きを隠せない。
と言っても、場違いでも何でもなく、美明が理解に追いついていないだけなのだが。



（あれ？言葉が出ない…って、それどころか身体が動かないんですけど！？）



自分の身体の変化に気づいた美明。
手足を見ると、小さくまるで赤ん坊のよう…



（私、赤ちゃんになってる？！でも私死んだはずだよね？！まさか、転生…した？）


「お名前はどうされましょう？」

「そうね、リーア……ラルア………リアラ。リアラにしましょう！」

「リアラ様ですか！とても良きお名前かと！」

「ふふっ、ありがとう。私よりも美しく、賢くて優しい子に育つのよ…リアラ。」




そうして、八笠 美明は、フィールア王国・第三王女リアラ・フィールアへと転生したのだった…。