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「魔物の討伐に、加勢するぞ!」

「「「おおぉぉぉっっ!」」」


200名以上の人族が、魔物討伐に加勢してきた。
その後数時間が経ち、魔物を全て討伐することに成功したのだった。


「ご助力感謝する、精霊殿。」

「こちらこそ礼を言うぞ。」

「さて、そちらの者は魔族なのか?」

「いや、人族だ。過去に、訳あって私が保護した。」

「人族…!ですがその魔力といい……精霊である貴方と同等の魔法威力がありましたが…。」

「ああ。魔力は私と同等であり、魔法は私が教えた。」

「なるほど。彼女は英雄と謳われる方々と同じ強さを持つのですね。私は報告に行ってまいります。」

「向こうの中心にいる者だな。」

「ええ、私がお仕えしている方です。」


そう言うと、先行している10名をまとめていた人族が、報告に向かった。
そして数分後、私にとっては見覚えのある者が、側近を引き連れて二人で私とゼティスーアの元に来た。
私は来ていた服のフードを深く被り、さらには顔を見えないように俯く。


「初めまして。私はこの森近くの人族の領地を治めている、ディガルザ・ヘリューアという。精霊殿、改めて礼を言わせていただきたい。貴殿のおかげで、死人が出なくて済んだ。本当に感謝する。」

「礼には及ばない。魔物に私の安息が乱されるのが嫌だっただけだ。とはいえ、こちらも礼を言わせてもらおう。他の人族も、中々の手練だったな。」

「お褒めに預かり光栄だ。して、そちらの方の活躍も聞いているのだが……魔族の瞳を持った、人族だとか。魔法威力は精霊殿と同じそうだな。貴殿にも礼が言いたい。どうか顔を見せてはいただけないか?」

「……。」


私はどうするべきか迷った。
ゼティスーアも、この男が私にとってどういう人族なのか分かったようだ。
心眼を使ったのだろう。
私の様子を見たゼティスーアが、口を開いたが、私はそれを手で制した。
そして首を振って心配はないと伝える。
フードを取り、ディガルザ・ヘリューアと名乗った男をしっかりと見つめる。


「お久しぶりですね、お父様……いいえ、今は侯爵様と呼んだ方が良いのかしら。」

「なっ…お前は!?」

「そちらの側近の方に、私を森に捨てさせたはず……。そうでしょう?」

「……。」

「確かに捨てられましたわ。森の奥で……ね。でも魔物に襲われているところを、精霊である彼に救っていただいたのです。」

「そうだ。魔物に殺されそうになっていたユイレを救い、私は保護したのだ。しかし、まさか貴様がその非情な父親だったとはな。」

「こ、これは…その……。」

「自らの評判に傷を付けたくないが為に、我が子を捨てるとはな。」


殺気を放つゼティスーアを前に、ディガルザは後ずさりつつも、必死に言い訳を考えている様子。
人族が精霊族に勝てるはずがないので、殺されるとでも思っているのだろう。
だがゼティスーアは、本気で殺そうとしているように見えた。
どうにか止めなければ……


「いや、そんなつもりではない!捨てたのではなく、修行の為に森へ放置させたのだ!魔物を一人で討伐出来るようになってもらわなければ困るのでな!」

「ほう…修行の為に放置しただと?見え透いた嘘をつくでない。我々精霊族には心を読む力がある。嘘をつこうが真実が分かるぞ。」

「いや事実だ!ユイレ、無事で安心した。この魔物の発生を聞き、お前を心配して私自ら出向いたのだ。さぁヘリューア侯爵家へ帰ろう!」

「……。」

「何を突っ立っている。早く行くぞ!」

「はぁ…。」


本当に呆れてしまう。
さて、この男をどうしましょうか。
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