【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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上手く説明をしましょう

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「任務内容は、書類にまとめておいた。読んでくれ。」

「ありがとうございます。」

「拝見しよう。」


そこに記されていたのは、とある貴族に仕えている者からの、密告内容だった。
私はエフェンと顔を見合わせる。
この書類から、大体の予想がつくからだ。


「この密告内容は、事実なのでしょうか。」

「それを確かめる為に、密告者に扮して情報を集める。」

「つまり、その貴族に仕えている者に成り代わり、潜入調査する…という事だね。」

「その通り。そして潜入役をエフェンに、ヴァリフィアも別の手段で邸を調査してもらいたい。」

「承知致しました。」「分かったよ。」


私はどのような役回りかと身構えていたが、証拠集めという事は、以前と同じ方法だろうと考える。
そしてその予想は当たりだった。


「私はどのように動けば良いのでしょう?」

「ヴァリフィアには、不可視化の魔法を使い、邸内にあるであろう証拠資料を、以前使った魔道具で記録してほしい。」

「一つ、よろしいでしょうか。」

「何だい?」

「普通に、不法侵入では…?」

「そんな事、今更じゃないか。」

「そうそう。ディルの言う通りだと思うよ。それに、ばれなければ問題はないだろう?くくくっ。」

「えぇ……。」


(軽いなぁ。エフェン彩菜なんて笑ってるし…。まぁ2人の言うことも、間違ってはいない……のかな?)


しかし、不可視化の状態で特定の物を探し出すのは、場所が分かっていないと危険だ。
気付かれる可能性がある。
そこで頼み事をした。


「エフェン。潜入調査の際に邸内を調べ、フロアマップ化してもらえるかしら?」

「了解だ。特に、執務室の場所とかかな?」

「ええ。記録が保管された部屋でも構わない。」

「分かった。任せてくれ。」

「フロアマップ化…とは?」


聞き馴染みの無い言葉に、ディルジアが反応する。
それは何だという疑問の顔だ。


「ええ…と、フロアマップとは…。」

「私がご説明させていただきます。……フロアマップとは、建物内の各部屋の場所を記した地図の事です。」

「おぉ、流石は『賢華』ヴァリフィアだね。説明が上手いよ。」

「エフェンがお困りのようだったので。」

「そう睨まなくても良いじゃないか。」


ディルジアは「成程…。」と頷いている。
しかし、顔を上げると笑顔で問いかけてきた。


「ちなみに、リフィとエフェンはどこでその言葉を?」

「それは…。」

「他国の地で書かれたという書物に、記されておりました。「建物内の地図」などという呼び方は、長くて面倒だと思ったので、違う言葉はないかと探した事があるのです。」

「そうなのか。」

「つい口にしてしまったのですが、まさかエフェンに伝わるとは思っていませんでした。」


(彩菜は、嘘をついたり説明をするのが苦手なんだね……。これからも友達として、フォローしてあげないと!)


「元日本人どうし」としての仲間意識が高い、ヴァリフィアである--
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