98 / 255
笑顔の裏……
しおりを挟む
「さて、作戦が決まれば、後は行動あるのみだね。」
「はい。」「ああ。」
ディルジアの説明により、潜入などの段取りを共有した。
しかし、朝から話をしているのでまだ正午前だ。
「潜入は、夜の方が良いでしょう。密告して下さった方と入れ替わる時が増えますから。」
「そうだね。リフィの言う通りだと思う。」
「だとしても、夜までは半日程ある。ディル、何をして過ごすんだ?」
「……何をしようか?」
「おいおい……。する事が無いんだったら、待ちぼうけだぞ?」
やれやれ、と参ったという風に両手を横に出して首を振るエフェン。
確かに、長時間この古びた小屋で過ごすのは嫌なものだ。
そこで……
「殿下、エフェン。提案があります。」
「お、名案でもあるのかい?」
私の言葉に、2人がこちらを向く。
そしてエフェンが問うてきた。
「密告者の方と会えませんか?話を聞いておきたいのです。」
「それは良いね。」
「ディル、密告者はその貴族に仕えている者だったよな。呼び出しなんてしたら、怪しまれるんじゃないか?」
「問題ないと思うよ。その人は書記官でね。時々王城に報告書を提出しに来るのさ。」
「だが、王城に訪れる日にちが決まっているんじゃ…。」
「今日がまさにその日だよ。」
にやりと笑いながらエフェンに言うディルジア。
しかし、王城までは距離があった。
どうやって行くのだろうか、そう思っていると…
「早速王城へ向かおう。」
「ですが殿下。今からでは往復の時間を考えますと、とても行けるとは思いませんが…。」
「そこはリフィの出番だろ?」
「私もヴァリフィアの魔法を見てみたい。」
「はぁ……分かりましたよ。私が提案したのですからね。仕方ありません。」
そして私は指を鳴らす。
すると一瞬で王城へと着いた。
「流石リフィだね。」
「ここまで魔法を極めているとは……オタク感が伺えるね。」
「エフェン、殴りますよ?」
「おぉっ、コワイコワイ。」
「???」
「殿下。早速書記官の方を探しますよ!」
「あ、ああ…。」
ディルジアに「オタクとは何か」と聞かれる前に、話を逸らしておいた。
そして30分後に、書記官を見つける事が出来た。
ディルジアのみで話しかける。
私とエフェンは後ろで待機だ。
「こんにちは。」
「ディ、ディルジア殿下!?ご、ご機嫌麗しゅう…。」
「貴方が、男爵家の書記官ですね?」
「そうですが…なにか御用ですか?」
「お話を伺いたいのですよ。貴方が提出した、秘密のものについての。」
「……!分かりました。協力させていただきます。」
終始王子スマイルを崩さないディルジア。
それを見て私達は顔を見合わせる。
「ディルの王子スマイル……怪しく見えちゃうね…。」
「まぁあのスマイルで、他の貴族令嬢達は落ちちゃうけどね。」
「ははっ。怪しく見えるのは私達だけか。」
「全く、その通りだよ……。」
苦笑しながら小声で話していると、ディルジアが書記官を連れてこちらへと来た。
「何を仲良さそうに話していたのですか……?」
「いえ、殿下は流石だなと、関心していたのです。」
「……無駄話は程々にして、こちらがかの貴族の書記官です。」
「お初にお目にかかります。」
「初めまして。私はエフェンと申します。こちらは『賢華』の二つ名を持つヴァリフィアです。」
「その紹介の仕方、やめていただけますか…?」
「笑顔で言うの止めてくれ…。結構怖いから。」
「ふふっ。……改めまして。紹介に預かりました、ヴァリフィアと申します。よろしくお願いしますね。」
「私はゴーデと申します。以後お見知り置きを。話をお聞きしたいとの事でしたが……。」
「はい。ゴーデさんから、直接お話を伺いたかったのです。とりあえず場所を移しましょう。」
そして私は、全員を先程の小屋へと瞬間移動させたのだった。
「はい。」「ああ。」
ディルジアの説明により、潜入などの段取りを共有した。
しかし、朝から話をしているのでまだ正午前だ。
「潜入は、夜の方が良いでしょう。密告して下さった方と入れ替わる時が増えますから。」
「そうだね。リフィの言う通りだと思う。」
「だとしても、夜までは半日程ある。ディル、何をして過ごすんだ?」
「……何をしようか?」
「おいおい……。する事が無いんだったら、待ちぼうけだぞ?」
やれやれ、と参ったという風に両手を横に出して首を振るエフェン。
確かに、長時間この古びた小屋で過ごすのは嫌なものだ。
そこで……
「殿下、エフェン。提案があります。」
「お、名案でもあるのかい?」
私の言葉に、2人がこちらを向く。
そしてエフェンが問うてきた。
「密告者の方と会えませんか?話を聞いておきたいのです。」
「それは良いね。」
「ディル、密告者はその貴族に仕えている者だったよな。呼び出しなんてしたら、怪しまれるんじゃないか?」
「問題ないと思うよ。その人は書記官でね。時々王城に報告書を提出しに来るのさ。」
「だが、王城に訪れる日にちが決まっているんじゃ…。」
「今日がまさにその日だよ。」
にやりと笑いながらエフェンに言うディルジア。
しかし、王城までは距離があった。
どうやって行くのだろうか、そう思っていると…
「早速王城へ向かおう。」
「ですが殿下。今からでは往復の時間を考えますと、とても行けるとは思いませんが…。」
「そこはリフィの出番だろ?」
「私もヴァリフィアの魔法を見てみたい。」
「はぁ……分かりましたよ。私が提案したのですからね。仕方ありません。」
そして私は指を鳴らす。
すると一瞬で王城へと着いた。
「流石リフィだね。」
「ここまで魔法を極めているとは……オタク感が伺えるね。」
「エフェン、殴りますよ?」
「おぉっ、コワイコワイ。」
「???」
「殿下。早速書記官の方を探しますよ!」
「あ、ああ…。」
ディルジアに「オタクとは何か」と聞かれる前に、話を逸らしておいた。
そして30分後に、書記官を見つける事が出来た。
ディルジアのみで話しかける。
私とエフェンは後ろで待機だ。
「こんにちは。」
「ディ、ディルジア殿下!?ご、ご機嫌麗しゅう…。」
「貴方が、男爵家の書記官ですね?」
「そうですが…なにか御用ですか?」
「お話を伺いたいのですよ。貴方が提出した、秘密のものについての。」
「……!分かりました。協力させていただきます。」
終始王子スマイルを崩さないディルジア。
それを見て私達は顔を見合わせる。
「ディルの王子スマイル……怪しく見えちゃうね…。」
「まぁあのスマイルで、他の貴族令嬢達は落ちちゃうけどね。」
「ははっ。怪しく見えるのは私達だけか。」
「全く、その通りだよ……。」
苦笑しながら小声で話していると、ディルジアが書記官を連れてこちらへと来た。
「何を仲良さそうに話していたのですか……?」
「いえ、殿下は流石だなと、関心していたのです。」
「……無駄話は程々にして、こちらがかの貴族の書記官です。」
「お初にお目にかかります。」
「初めまして。私はエフェンと申します。こちらは『賢華』の二つ名を持つヴァリフィアです。」
「その紹介の仕方、やめていただけますか…?」
「笑顔で言うの止めてくれ…。結構怖いから。」
「ふふっ。……改めまして。紹介に預かりました、ヴァリフィアと申します。よろしくお願いしますね。」
「私はゴーデと申します。以後お見知り置きを。話をお聞きしたいとの事でしたが……。」
「はい。ゴーデさんから、直接お話を伺いたかったのです。とりあえず場所を移しましょう。」
そして私は、全員を先程の小屋へと瞬間移動させたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,073
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる