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安心出来る!

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ディルジアが本当の気持ちを打ち明けてくれてから、数日後。
私はイヤホンもどきを付け、魔道具の前に座っていた。
これから始まる会談を聞く為だ。
その隣にはエフェンもいた。
彼にも聞いてもらいたいと、国王陛下から頼まれたのだ。
ディルジアは会談に出席している。


《単刀直入に言おう。ライゼリクト王よ、貴国とは今後とも良い関係でありたい。故に、交易以外では、互いに不可侵というふうにしたいのだ。》

《つまり、不利益にならぬように、一部を除いた不可侵条約を結びたい……ということでよろしいか?》

《そういうことだ。諜報員を送る、交易の邪魔をする……戦争などは論外だ。ライゼリクト王が言うように、互いに不利益にはしない。内政を覗かれることや軍事力を知られるのは、望まぬだろう?》

《ふむ…確かにな。》

《既に、釘を刺されているのではあるまいか?狙っていた張本人にな。》

《……。ツィレイル王の申し出を受けよう。》

《それはありがたい。内容は、【交易以外の相互不可侵条約】ということで良いか?》

《それで構わぬ。》

《ディルジアよ。》

《はい。ではここに、署名をお願い致します。--ありがとうございます。これで条約は締結されました。今後この条約を破った場合、それ相応の対価を支払っていただくことになります。》

《うむ。》《了解した。》


この後も会談は続いたが、私に直接的な関係は無いものばかりだった。
しかし、私とエフェンは最後まで真剣に聞いていた。


「無事締結されて良かったな。」

「ええ、本当にね…。」


これ以降、私が狙われることは無くなった。
平和が戻ってきたのだ。


そして半年が経ち、私達は高等部の最高学年になった--
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