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あくまでも友人です!
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私とエフェンは王室を出てすぐに瞬間移動を発動させ、私の自室へと戻った。
エフェンは浮かない顔をしている。
「ヴァリフィア……その…。」
「気にしないで。私が1人で解明したと言うより、2人でと言った方が良いと思っただけだから。」
「それでは、ヴァリフィアの手柄を横取りしているようじゃないか…!?」
「まぁまぁ落ち着いて、エフェン。」
「あ、ああ。しかし……。」
「本当の狙いは、エフェン余計な手出しをさせない為よ。」
「余計な手出し…?」
「魔石を解析できるほどの実力を持っている。そう勘違いされられたら、エフェンに手を出そうとは思わなくなる…。私は『情報屋』としての貴方を、陛下が利用しようとしないように半分警告のつもりでそう言ったの。」
エフェンは私と同等級の実力を有している。
そう誤解させるのが私の狙いだった。
エフェンは『情報屋』とも呼ばれている私に次ぐ実力者だが、私のせいで霞んで見えていた。
「私と親しいが故に、利用されたら嫌だもの。」
「感謝するよ。だが、私が利用されると思うか?」
「どうだろうね。普通なら有り得ない事かもしれないけれど、相手は国王。手段は幅広いから、警戒するに越したことはないと思うよ。」
「確かにな…。それにしても、ヴァリフィアの言う利用って?」
「エフェンを脅して、魔石に関する情報を詳しく聞き出したりとかかな。勿論、虹色の魔石に関してもね。」
「脅すのは無理じゃないか?」
「簡単な話よ。力を持つ者を手元にしたいのならば、力無き者を人質にすれば良いの。それも、関係の深い人を…ね。例えば家族とか……。」
「……リエーナ。」
エフェンには、5つ下の妹がいる。
名はリエーナ・アーリグェー。
見目麗しく気弱な性格なのだが、身体自体も弱い。
7歳までは外にすら出られなかったらしい。
エフェンから幾度かリエーナについて聞いたことがあった。
今も体調が優れない時があるようだ。
「そうさせない為の、今回の発言よ。私を脅せば、国が滅ぼされるかもしれない。それ以前に、人質などの脅しは私には意味を成さないと、既に陛下は思っているのよ。まぁ、私がそう思わせたのだけどね。事実だけど。」
「つまり、そんなヴァリフィアと同等だと思わせ、脅しは有効打にならないと悟らせるのが狙い……ということだな。」
「その通り。そして私達が一緒にいることが多いのも陛下は知っている。そこを利用して、魔石の解析を通して私とエフェンが親密な関係であると再度確認をしてもらう。そうすることで……」
「私を脅したりするのならば、ヴァリフィアも敵に回すことになる……と。」
「そう。全てはエフェンに手を出させないようにする為に必要な事だったのよ。陛下は頭が切れるから、私の言動の意味を正しく理解しているはずよ。」
「……本当にありがとう。私はそこまで頭が回らなかったよ…。」
「どういたしましてっ。もしエフェンに何かあったら、真っ先に助けに行くよ。私は…親友だからね!」
「ああ!私もヴァリフィアに何かあれば、すぐに駆けつけよう!ただし、その時は女性に変身して行くよ。ははっ。」
「どうして?」
「何度か言っているが、ディルに嫉妬されるのはごめんだ。君の事となると周りが見えなくなるからな。」
「ええっと?」
「さて、私は帰るよ。じゃあな!」
「ちょ、待ってよエフェン!」
笑いながらエフェンは瞬間移動で消えた。
からかわれた気分だ。
でも、不思議と嫌な気はしなかった。
それはきっと、私もディルジアが好きだから。
だからこそ、彼がエフェンに嫉妬していると知ってこう思った。
(ディルジアって、子供っぽくて可愛い……。)
エフェンは浮かない顔をしている。
「ヴァリフィア……その…。」
「気にしないで。私が1人で解明したと言うより、2人でと言った方が良いと思っただけだから。」
「それでは、ヴァリフィアの手柄を横取りしているようじゃないか…!?」
「まぁまぁ落ち着いて、エフェン。」
「あ、ああ。しかし……。」
「本当の狙いは、エフェン余計な手出しをさせない為よ。」
「余計な手出し…?」
「魔石を解析できるほどの実力を持っている。そう勘違いされられたら、エフェンに手を出そうとは思わなくなる…。私は『情報屋』としての貴方を、陛下が利用しようとしないように半分警告のつもりでそう言ったの。」
エフェンは私と同等級の実力を有している。
そう誤解させるのが私の狙いだった。
エフェンは『情報屋』とも呼ばれている私に次ぐ実力者だが、私のせいで霞んで見えていた。
「私と親しいが故に、利用されたら嫌だもの。」
「感謝するよ。だが、私が利用されると思うか?」
「どうだろうね。普通なら有り得ない事かもしれないけれど、相手は国王。手段は幅広いから、警戒するに越したことはないと思うよ。」
「確かにな…。それにしても、ヴァリフィアの言う利用って?」
「エフェンを脅して、魔石に関する情報を詳しく聞き出したりとかかな。勿論、虹色の魔石に関してもね。」
「脅すのは無理じゃないか?」
「簡単な話よ。力を持つ者を手元にしたいのならば、力無き者を人質にすれば良いの。それも、関係の深い人を…ね。例えば家族とか……。」
「……リエーナ。」
エフェンには、5つ下の妹がいる。
名はリエーナ・アーリグェー。
見目麗しく気弱な性格なのだが、身体自体も弱い。
7歳までは外にすら出られなかったらしい。
エフェンから幾度かリエーナについて聞いたことがあった。
今も体調が優れない時があるようだ。
「そうさせない為の、今回の発言よ。私を脅せば、国が滅ぼされるかもしれない。それ以前に、人質などの脅しは私には意味を成さないと、既に陛下は思っているのよ。まぁ、私がそう思わせたのだけどね。事実だけど。」
「つまり、そんなヴァリフィアと同等だと思わせ、脅しは有効打にならないと悟らせるのが狙い……ということだな。」
「その通り。そして私達が一緒にいることが多いのも陛下は知っている。そこを利用して、魔石の解析を通して私とエフェンが親密な関係であると再度確認をしてもらう。そうすることで……」
「私を脅したりするのならば、ヴァリフィアも敵に回すことになる……と。」
「そう。全てはエフェンに手を出させないようにする為に必要な事だったのよ。陛下は頭が切れるから、私の言動の意味を正しく理解しているはずよ。」
「……本当にありがとう。私はそこまで頭が回らなかったよ…。」
「どういたしましてっ。もしエフェンに何かあったら、真っ先に助けに行くよ。私は…親友だからね!」
「ああ!私もヴァリフィアに何かあれば、すぐに駆けつけよう!ただし、その時は女性に変身して行くよ。ははっ。」
「どうして?」
「何度か言っているが、ディルに嫉妬されるのはごめんだ。君の事となると周りが見えなくなるからな。」
「ええっと?」
「さて、私は帰るよ。じゃあな!」
「ちょ、待ってよエフェン!」
笑いながらエフェンは瞬間移動で消えた。
からかわれた気分だ。
でも、不思議と嫌な気はしなかった。
それはきっと、私もディルジアが好きだから。
だからこそ、彼がエフェンに嫉妬していると知ってこう思った。
(ディルジアって、子供っぽくて可愛い……。)
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