【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒

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年明けパーティー③

パーティー会場の外に、私とエフェンは立っていた。
外の風に当たりに来ていたのだ。
外と言っても、入退場の扉から出たのではなく、会場のバルコニーに移っただけなのだが。


「疲れるな。」

「ええ、本当にね。次から次へと、貴族達の相手をするのも大変だわ。」

「2人の気持ちには同情するよ。正直、彼らの相手は面倒だ。」

「それ、誰かに聞かれでもしたら大変だぞ、ディル。国の王子様だということを、忘れるなよ。」

「わかっているさ、エフェン。けどエフェンやヴァリフィアも、同じことを思っているじゃないか。」

「当たり前だ。私は面倒事が嫌いだからな。」

「私も貴族達の相手面倒事は嫌いです。取り繕うのも疲れますから。」

「2人とも、僕には軽いよね。」

「ディルに取り繕っても意味がないからな。昔からの付き合いだし、ディル自体がそんな感じじゃないか。」

「同じく。」

「ははっ!確かにそうだな。」


ディルジアを含め、3人でここに集まろうと決めていたのだ。
令嬢達などの相手は疲れる為、休憩を兼ねている。


「エイリジュ、令嬢達にモテモテだったな。」

「そうですね。私も初めて見たので驚きました。普段のエーリとは違いすぎですね。別人に見えてしまいます。」

「エイリジュはリフィが目標の姉だからだろう。強くて格好良く、そして優しい。そんなリフィと、令嬢や令息達を相手にしている時のエイリジュは同じに見える。」

「そう……でしょうか。」

「っ……ぷっ!あははっ!」

「エフェン…!何がおかしいのよ!」

「いや、別に何も!弟に敬われる姉、か。少し羨ましいと思っただけさ。私は妹を『情報屋』にだけはしたくないからな。私の裏の顔を、知らないまま育ってほしいものだ。」


そう言うエフェンは、どこか遠い目をしていた。
妹が誰かに誇れる兄になりたい。
だが自分の本当の姿を知られてしまえば、妹は格好良いと思い、同じ道を進んでしまうかもしれない。
それが実の兄妹だったならば尚更だ。
同じ道を進ませないためにも、エフェンは優しい兄のみ演じているのだろう。
『情報屋』のことは話したことがないと言っていた。

私は周りに知られ過ぎているので、隠しようもない。
それに、二つ名を授けられるようなことがない限り、面倒事には巻き込まれないはず。
エイリジュには、二つ名持ちになるというよりも、私に近付きたいという気持ちが強い様子。
その事に少し安心している。


「ふふっ。エフェンも立派なお兄さんね。今度本人に、将来の夢を聞いてみたらどうかしら?」

「それも一手だな。帰ってから聞いてみるよ。」

「ええ。リエーナちゃんの答え、楽しみにしているわ。」

「僕にも聞かせてほしい。」

「分かった。2人に聞かせるさ。さて、そろそろ戻ろうか。」

「ああ。」「ええ。」


その後もパーティーは数時間続き、侯爵家に着いた頃には22時を過ぎていたのだった。



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《補足》
漫画などによく出てくる、パーティー会場の外にある手すりだけのスペース。
主人公などが手を置いて外の景色を眺めていますよね……。
あれはバルコニーで良いのでしょうか…。
感想 7

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