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35話
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35話
俺はなかなか泣き止まないユリの頭を撫でて、落ち着かせた。
すっかり憔悴しきったユリにステビアが洗脳されて無いことを
伝えると、呆気にとられた表情で暫く固まっていた。
「有り得ない・・・絶対有り得ない・・・けど規格外のさーくんなら有りなのかも?」
うーん、うーん、とひとりで悩んでいるようだった。
「ステビアはこんなに懐いているし、大丈夫だろう?」
そう言いながらステビアを撫でてあげた。
「お姉さんも撫でてくれていーんだよ?」
と若干の警戒心を解きながらユリに提案している。
その提案に恐れおののいていたが、覚悟を決めたのか、恐る恐る撫でていた。
「ユリお姉さんはご主人の女だから特別だよ?」
気持ちよさそうに撫でられていたステビアが爆弾発言をした。
「!?ど、どうしてそんな事分かるのかなー?」
心当たりが多くあるユリが慌てながら聞き返しているが、
その態度でバレバレ過ぎだろう。
「だって、ご主人の匂いが凄くするよ?沢山マーキングされて羨ましいなぁ・・・」
俺はユリの匂いなんて全く気にならないけどなぁ?
ステビアの鼻が尋常じゃないくらい良いってことなんだろうけど。
しかし・・・マーキングってもな。
「ねぇねぇご主人!うちにもマーキングしてよー!」
「・・・そのうちな」
「うんっ!」
満面な笑みでご機嫌になっているステビアを撫でながら、
俺の理性が崩壊するのが早いのか、それとも誤魔化す事が出来ない状況になるのが先か・・・と考える。
・・・どっちだろうな?
その後、またユリにオススメの依頼を選んでもらった。
ランクも上がったし、出来る依頼も増えたらしい。
だが今回は、ステビアもいると言うことで、
いきなり難易度が高い依頼ではなく、
前回より少し難度が上がったモノを見繕ってもらった。
今回はコボルトの討伐ということで、
前回同様完璧なユリのお膳立てを受け、
コボルト生息エリアに向かう事にした。
ステビアにはコボルトを倒した証拠となる部位を処理をお願いした。
「いいよー?うちに任せて!」
と張り切っているようだった。
前回同様コボルトが出現するエリアに
到着したが、案の定と言うべきか、コボルト達は俺達から距離を取り、何処かへ向かっているようだった。
仕方がないので一定の距離をあけながら進んで行った。
この様子だと”また”巣”か?と思い、あらかじめステビアには説明しておいた。
かなり驚いていたが、「ご主人とその武器なら大丈夫だね!ご主人が危ないならうちも戦うよ?」と言い切ってくれた。
やはりステビアは本能的に強さを確認する事が出来る様だ。
本当に頼もしい限りだ。
そう思いながら、巣へ向かって行った。
俺はなかなか泣き止まないユリの頭を撫でて、落ち着かせた。
すっかり憔悴しきったユリにステビアが洗脳されて無いことを
伝えると、呆気にとられた表情で暫く固まっていた。
「有り得ない・・・絶対有り得ない・・・けど規格外のさーくんなら有りなのかも?」
うーん、うーん、とひとりで悩んでいるようだった。
「ステビアはこんなに懐いているし、大丈夫だろう?」
そう言いながらステビアを撫でてあげた。
「お姉さんも撫でてくれていーんだよ?」
と若干の警戒心を解きながらユリに提案している。
その提案に恐れおののいていたが、覚悟を決めたのか、恐る恐る撫でていた。
「ユリお姉さんはご主人の女だから特別だよ?」
気持ちよさそうに撫でられていたステビアが爆弾発言をした。
「!?ど、どうしてそんな事分かるのかなー?」
心当たりが多くあるユリが慌てながら聞き返しているが、
その態度でバレバレ過ぎだろう。
「だって、ご主人の匂いが凄くするよ?沢山マーキングされて羨ましいなぁ・・・」
俺はユリの匂いなんて全く気にならないけどなぁ?
ステビアの鼻が尋常じゃないくらい良いってことなんだろうけど。
しかし・・・マーキングってもな。
「ねぇねぇご主人!うちにもマーキングしてよー!」
「・・・そのうちな」
「うんっ!」
満面な笑みでご機嫌になっているステビアを撫でながら、
俺の理性が崩壊するのが早いのか、それとも誤魔化す事が出来ない状況になるのが先か・・・と考える。
・・・どっちだろうな?
その後、またユリにオススメの依頼を選んでもらった。
ランクも上がったし、出来る依頼も増えたらしい。
だが今回は、ステビアもいると言うことで、
いきなり難易度が高い依頼ではなく、
前回より少し難度が上がったモノを見繕ってもらった。
今回はコボルトの討伐ということで、
前回同様完璧なユリのお膳立てを受け、
コボルト生息エリアに向かう事にした。
ステビアにはコボルトを倒した証拠となる部位を処理をお願いした。
「いいよー?うちに任せて!」
と張り切っているようだった。
前回同様コボルトが出現するエリアに
到着したが、案の定と言うべきか、コボルト達は俺達から距離を取り、何処かへ向かっているようだった。
仕方がないので一定の距離をあけながら進んで行った。
この様子だと”また”巣”か?と思い、あらかじめステビアには説明しておいた。
かなり驚いていたが、「ご主人とその武器なら大丈夫だね!ご主人が危ないならうちも戦うよ?」と言い切ってくれた。
やはりステビアは本能的に強さを確認する事が出来る様だ。
本当に頼もしい限りだ。
そう思いながら、巣へ向かって行った。
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