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65話
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65話
リリスの指を鳴らす音が鳴ったと同時に俺達は全員ラビット族が強制転移させた場所にいた。
俺達が四天王のフェンリルと遭遇した場所でもある。
今や周り一面ウサ耳で溢れている。
それに妙に殺気立っているような気がする。
どういう状況なのかリリスへ聞くと、
深淵の大地でも”生き延びる”処置をしたらしい。
どうやらリリスによると、
ラビット族は本来の潜在能力は人間族などと比べ物にならない位能力的、身体的に上位種らしい。
だが、絶望的に温和で平和主義かつ、勇気が無いため人間族に逆らう事無く従順に従っていたようだ。
だからリリスはそのリミッターを一時的に外してあげたようだ。
俺は嫌な予感がしてここに居る筈のフェンリルを探す様に辺りを確認した。
すると敷地の端にボロクズの様に押しやられている四天王のフェンリルが変わり果てた無残な姿で転がっていた。
・・・おいおい雑魚過ぎんだろ。
ラビット族にフルボッコにされる四天王って斬新だな。
一応虫の息だがかろうじて生きている様だ。
永久に四天王の割にあいつ弱すぎないか?
と確認したが、「あんな”ただの犬”四天王にはおらんぞ?」
と不快そうなな顔をしていた。
自称四天王だったのか、マジでダサい奴だな・・・。
彼の名誉の為にそのまま静かに息を引き取った方が幸せなのかもしれないが・・・。
一応俺としては永久の所に案内してくれた恩はある。
それに、フェンリルにとっては純粋に自分の居場所を守ろうとしただけだが、理不尽な暴力により返り討ちにあった訳だしな。
俺も大切な人を守りきれず、無残に殺されたしな・・・。
正直、そんな奴は救いたい。
リリスの方に視線を投げかけると全てを理解したように、
溜め息を吐くとフェンリルへ回復魔法をかけてくれた。
リリスが魔法を使う度に永久が戦慄しているようだが、そんなに凄いのか?
俺にはサッパリなんだがなぁ?
リリスの回復魔法で肉や骨が露出した毛並みや、腹や頭からはみ出ていた臓物が綺麗に治っていく。
「死の淵から帰って着た気分はどうだ?」
「えっ・・・?あ、あれ?そうだ!突然現れた凶悪なダークラビットの集団に襲われて・・・死・・・うわああまだいるじゃないか!?」
「おいおい、また攻撃するなよ?こっちから攻撃しない限り何もしてこないからな?それに今度死にかけても助けないぞ?」
「・・ゴクリ」
「ここを勝手に占領しちまったの悪いが、コイツ等の面倒を見て貰えないか?普段は温和で可愛らしい筈だからさ」
「嫌です!絶対嫌です!!」
「(魔王様に四天王騙っていた事バラすぞ?)」
「(ど、どうかそれだけは許して下さい・・・!)」
フェンリルは急に人型になると、綺麗な土下座で懇願してきた。
無事俺の”お願い”を聞いて貰う事に成功した。
・・・ショタには興味はないが、妙に可愛らしい泣き顔だったので少しドキッとしてしまったのは秘密だ。
フェンリルの毛並みを堪能している間に、
リリスはほぼ廃墟の旧前線基地を次々とファンシーな建物を建設していっている。
ほおっておいてもきっと立派な前線基地を作り上げてくれるだろう。
だが、唖然としているミラージュに声をかけてリリスへのアドバイスをお願いした。
おそらくこの有り様はリリスの超個人的な趣味なんだろう。
だが、女の子が9割のこの集団には非常にウケが良かった。
考えてみれば、ここには俺とフェンリルしか男が居ないしな。
永久も次々と箱庭の様にファンシーな見た目に前線基地が作り直されていく様子を楽しそうに眺めていた。
リリスの指を鳴らす音が鳴ったと同時に俺達は全員ラビット族が強制転移させた場所にいた。
俺達が四天王のフェンリルと遭遇した場所でもある。
今や周り一面ウサ耳で溢れている。
それに妙に殺気立っているような気がする。
どういう状況なのかリリスへ聞くと、
深淵の大地でも”生き延びる”処置をしたらしい。
どうやらリリスによると、
ラビット族は本来の潜在能力は人間族などと比べ物にならない位能力的、身体的に上位種らしい。
だが、絶望的に温和で平和主義かつ、勇気が無いため人間族に逆らう事無く従順に従っていたようだ。
だからリリスはそのリミッターを一時的に外してあげたようだ。
俺は嫌な予感がしてここに居る筈のフェンリルを探す様に辺りを確認した。
すると敷地の端にボロクズの様に押しやられている四天王のフェンリルが変わり果てた無残な姿で転がっていた。
・・・おいおい雑魚過ぎんだろ。
ラビット族にフルボッコにされる四天王って斬新だな。
一応虫の息だがかろうじて生きている様だ。
永久に四天王の割にあいつ弱すぎないか?
と確認したが、「あんな”ただの犬”四天王にはおらんぞ?」
と不快そうなな顔をしていた。
自称四天王だったのか、マジでダサい奴だな・・・。
彼の名誉の為にそのまま静かに息を引き取った方が幸せなのかもしれないが・・・。
一応俺としては永久の所に案内してくれた恩はある。
それに、フェンリルにとっては純粋に自分の居場所を守ろうとしただけだが、理不尽な暴力により返り討ちにあった訳だしな。
俺も大切な人を守りきれず、無残に殺されたしな・・・。
正直、そんな奴は救いたい。
リリスの方に視線を投げかけると全てを理解したように、
溜め息を吐くとフェンリルへ回復魔法をかけてくれた。
リリスが魔法を使う度に永久が戦慄しているようだが、そんなに凄いのか?
俺にはサッパリなんだがなぁ?
リリスの回復魔法で肉や骨が露出した毛並みや、腹や頭からはみ出ていた臓物が綺麗に治っていく。
「死の淵から帰って着た気分はどうだ?」
「えっ・・・?あ、あれ?そうだ!突然現れた凶悪なダークラビットの集団に襲われて・・・死・・・うわああまだいるじゃないか!?」
「おいおい、また攻撃するなよ?こっちから攻撃しない限り何もしてこないからな?それに今度死にかけても助けないぞ?」
「・・ゴクリ」
「ここを勝手に占領しちまったの悪いが、コイツ等の面倒を見て貰えないか?普段は温和で可愛らしい筈だからさ」
「嫌です!絶対嫌です!!」
「(魔王様に四天王騙っていた事バラすぞ?)」
「(ど、どうかそれだけは許して下さい・・・!)」
フェンリルは急に人型になると、綺麗な土下座で懇願してきた。
無事俺の”お願い”を聞いて貰う事に成功した。
・・・ショタには興味はないが、妙に可愛らしい泣き顔だったので少しドキッとしてしまったのは秘密だ。
フェンリルの毛並みを堪能している間に、
リリスはほぼ廃墟の旧前線基地を次々とファンシーな建物を建設していっている。
ほおっておいてもきっと立派な前線基地を作り上げてくれるだろう。
だが、唖然としているミラージュに声をかけてリリスへのアドバイスをお願いした。
おそらくこの有り様はリリスの超個人的な趣味なんだろう。
だが、女の子が9割のこの集団には非常にウケが良かった。
考えてみれば、ここには俺とフェンリルしか男が居ないしな。
永久も次々と箱庭の様にファンシーな見た目に前線基地が作り直されていく様子を楽しそうに眺めていた。
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