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8話
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俺はラストエリクサーが入っている瓶の蓋を外すと、
相変わらず恍惚とした表情で俺を見つめているツァイトの口許に持っていった。
「ほれ、これ飲めば一気に楽になるぞ」
しかし、ツァイトはラストエリクサーに眼もくれず、
うっとりとした表情でずっと俺を見つめている。
完全に恋する乙女な表情になってきている。
進行が早い。
あまり時間的猶予は無さそうだ。
このまま放置したら、俺の命は元よりツァイトの命も大変危険だ。
「ヤレヤレ・・・」
俺はラストエリクサーを口に含むと、
躊躇いなくツァイトへディープなキスをした。
ツァイトは待ってましたと言わんばかりに俺に抱きつく。
荒々しい舌の洗礼を受けながら、
ラストエリクサーを飲ませる事に成功する。
薬の効果が出るまで時間があるが、全く離してくれないので
こんなの生殺しだよなーと思いつつ、口内を感覚を楽しんだ。
ーーー数分後
「この事はどうかご内密にっ・・・!!」
土下座で床に頭を擦り付けながら俺に懇願している。
さっきとはうって変わって真っ青な顔をし、小刻みに震えている。
まぁ、身近に遣えていればヴァイオレットのヤバさは良く分かるよな。
「不慮の事故だ気にすんなって。俺も今日の事は忘れる。
さっきの件はスライムにでもかじられたと思って諦めてくれ。」
「・・・そうします」
そういうと、少し安堵したがどこか煮えきらない表情で
俺の部屋を出ていこうとドアへ向かっていった。
「(これからこの気持ちを抑えきれるか不安ですよ・・・)はぁ・・・」
ドアを閉める前に俺を見つめて、何か呟いてから溜め息をつき、一礼して部屋を後にした。
残念ながら俺にはツァイトが何を言ったのか聞き取る事はできなかった。
俺は改めてツァイトが持ってきてくれた水を口に含むと
眼を瞑り味覚へ感覚を集中しながら確認する。
するとほのかに甘苦い味様なが混じっていることを確認できた。
どうやら井戸水に惚れ薬を入れたようだな。
俺はラストエリクサーを追加で数本ストレージから取り出すと、
井戸へ行き、ラストエリクサーで中和してやった。
6本も投入すれば大丈夫だろう。
万が一追加で惚れ薬を投入されても十分中和出来るだろう。
まったく高い出費だぜ。
ラストエリクサー1本あれば城が買えるレベルだってのに。
絶対にあいつらに請求してやる。
そう心に決めると、部屋に戻ってさっさと寝る事にした。
勿論寝る前に厳重にドア前にバリケードを築く事も忘れない。
夢うつつに、
「あかないーなんで!?この格好寒いよ~」
と、誰かが嘆いている声が聞こえた様な気がした。
だが俺は一切気にせずそのまま眠りに落ちていった。
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