神様とショタの生活録

甘栗

文字の大きさ
3 / 11
2話 そしてショタとショタ神は出会った。

ショタとの出会い

しおりを挟む
「はぁ……」
今日、間違って学校に行ってしまった僕は、帰路についているのだが、なにやら周りの人々から異様なものを見るような目で見られているようだった。

横を通った休日の女子高生らしき集団が僕とすれ違った後、「あの子、間違って学校行ったのかな?クスクス」
「シッ!あの子に聞こえちゃうでしょ。クスクス」と言っていて、僕の繊細で脆い心が深く傷ついた。

女子高生達とかなり距離が空いた後、僕は、「はぁーーーー……」っと長いため息をついた。
(なんで間違って学校に行っちゃったんだろ……僕のバカバカバカバカバカバカバカ……)
そんなことを考えて歩いていたら、もう家はすぐそこだった。

僕は半分泣きたい気分で、思いっきり速く走り、すぐに自分の部屋のトビラへと向かった。

ちなみにアパートの見た目だが、歴史があると言えば聞こえがいいが、只のボロアパートである。
でも、ちょっと和風な見た目で僕は結構好きだ。

あと、ボロい、といっても一様、穴は空いていないので安全性はバッチリである。

(部屋に帰って朝寝?昼寝?をしたら、朝のことは忘れるだろう。)
そう思っていた僕は、鞄から銀色の少し錆びた鍵を出す。

そして、鍵穴へと刺し、右にクルッと回す。
カチャ、と音が鳴り、ドアの鍵が開く。
カギを抜き、ドアノブに手をかけてドアを開ける。

部屋の中にはふかふかのソファーと
カーペットと新しいテレビとその他諸々があった。
やっぱり自分の部屋ほど落ち着くものは無い。

洗面所で手洗いうがいをして、自分の部屋へと行く。

僕は色々あって本当に眠かったので、自分の部屋に入ると人形のようにへにゃへにゃと布団に入ってしまい、惰眠を貪った。



「あのあのーすいませんーショタっ子、寝顔可愛いんだけど鍵開けっ放しは俺みたいなショタコンが不法侵入してくるから危ないよー」
どこからか声がする。

僕は重たい瞼をゆっくりと開けた。
すると、目の前に20代であろう
ワンコみたいな男の顔があった。

僕は慌てて、その男の顔を蹴った。
男は、「痛っ!痛っ!……ショタっ子ちゃんよ、残念ながら私にとってはそれはご褒……グハッ」
男の鳩尾に踵落としをしてやった。
ざまぁみろ。不法侵入した報いだ。ちなみに鳩尾はみぞおち、踵はかかとと読む。
ちょっとした豆知識。

流石にもう気絶したかな?と思ったらまだ息があった。
僕はもう一回踵落としをしようと思ったが、大人気ないし、この男がどこから取り出したのか白旗を振っているので、やめておいた。

とりあえず1階のリビングで不法侵入にした事情を聞くことにした。
ロープで椅子にグルグル巻きにしておいたので逃げられることはないだろう。

「えっとね……俺、神様なんだよね。君の家に派遣されたんだ。三年限定で」
「はぁ?神様なんているわけないじゃん?…………じゃあなんか神様っぽいことして見てよ。そうしたら信じるよ」
「えー、天界規約で妖精召喚しか
地上で出来ないんだけど。1日1回まで。今日はもう無理。
あ、でも空を飛ぶことぐらいなら出来るよ」
「空を飛ぶ?じゃあ僕に見せてみてよ。そしたらお前が神様だって信じるよ」
「……外はまずいから、家の中でいい?」
「いいよ」

全く、空なんて飛べるわけないじゃん、なんなんだこの中二病は。そう思いながら自称神様を見ていると、何かを唱え始めた。

「$%#$\$\$∀»»!」
唱え終わった。すると、自称神様の体は少しずつ床から離れていき、天井に自称神様の手がついた。

「あ、確か人間には飛んでる姿見せるのも禁止だったぁ……アハハ、アハハ、アハハ、もう始末書とか消えてしまえ」

何故か自分が神様だと証明出来たのに泣いていた。
笑い泣きとはこういうのを言うのか、そう思っていると神様は床に足を着き、泣きながらドヤ顔をしてきた。

「ドヤっ!これで信じてくれた?
…グスン」
僕は喋るのが面倒だったのでコクリと頷いた。

神様は満足そうだった。
そして神様は少し悩む動作をして、最終的に左手をパーにして、右手をグーにして、右手を左手の手のひらにポンとする動作をした。
閃きを表したいのだろうか?
口で、「そうだ!」とでも言ったらいいのに。

「ねぇ、ショタっ子?お兄さんの部屋ってある?」
「ない」
「え?」
「ない」
「えっ?えっ?」
「ないよ、僕、一人暮らしだもん」
「マジかぁ……仕方ない、お兄さんもショタっ子ちゃんの部屋でね……むぎゅう!」
「嫌だ、断る、そんな趣味はない!」
「(´・ω・`)」




結局、神様は隣の部屋を借りたらしい。

お金は案外持っているようだった。
ちょっとイラッとする。
ふと、首もとにかけてあるペンダントを見る。

「K.T.」と刻まれた金色のペンダントは、両親からの最後の誕生日プレゼントだ。

両親が事故で亡くなったあの日から、ずっと大切に持っている。
ギュッとペンダントを握り、神様に今の平和な日常を潰されないように願った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

処理中です...