神様とショタの生活録

甘栗

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3話 神様だって三半規管はありますっ!

神様の煩悶とショタの決心

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「ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!
これが飛行機かっ!デカい!」
僕は、飛行機を見る夢を見た。



旅行券が当たってから1週間後。
ショタっ子と朝ごはんに"豆腐とワカメの味噌汁"と"白米"と"塩ジャケ"を食べて、関空へ向かうバスに乗る為に家を出た。

因みに"豆腐とワカメの味噌汁"は、顆粒ではなく鰹節から取った出汁を用いられていたため、口の中に上品な味が広がり、"白米"は、炊飯器ではなく、なんと家に昔からあったらしい釜で炊いてくれた。

「ふうぅぅぅ……ふうぅぅぅ……
」と薪の火を筒に息を入れて調節している姿はとても癒やされた。

あと、"塩ジャケ"は、ショタっ子がまるまると太った鮭を買ってきてくれ、ササッと三枚下ろしにして塩をかけて、グリルで焼いてくれた。鮭の柔らかい身が口の中で塩とハーモニーを奏で、得も言われぬ美味しさだった。




関空行きのバス乗り場までショタっ子とワイワイガヤガヤどんちゃん騒ぎの如く賑やかに歩いた。

バス乗り場に着いた。
さすが大規模なバス乗り場である。
人々が往々と行き交っている。
「ショタっ子、出発時間まであと三十分あるから、トイレ行ってきていいよ?」
「うん、分かった……」
ショタっ子は、もう話し疲れたようで、目をコシコシと擦りながら眠たそうな顔をしていた。

尚、私は神だから眠くなることは無い。不眠不休。残業OK。
さよなら、労働基準法。
まぁ、神様界に労働基準法は存在しないのだが。

「とことこ」とハムスターみたいにトイレの方に歩いていったショタっ子を横目に、バス乗り場にあった灰色の長椅子に座った。

バス乗り場には旅行に行くであろう人々も見え、少しこの旅行への期待が高まった。

私はふと脳裏にあまり考えたくないことが浮かんだ。
(ショタっ子の兄役として近所の人から好かれ、ショタっ子の周りからの評価は上げたけど、ゼウスからの任務、何一つ全う出来てなくないか?)
「ブラコンにしてこい」
その任務を果たせているか、と言われていると正直、怪しい。

寧ろ、どんどんショタっ子から嫌われている気がする。
かなりツンツンしてきている。

ただ人間界を堪能しているだけで、ショタっ子からは最近、やっと三食を作ってもらえるレベル程度にしか親密度は上がっていないので、任務はあまり果たせていない気がする。

派遣されてからもうすぐ1ヶ月がたつ。

最近ゼウスから、神が治めている世界"オルフェウス"で、"ダークサイド勇者"なるものが現れ、封印されしミュータント達を解放している人間がいるらしいと一斉送信のメールで来た。

そして、"オリュンポス十二神"
の一角である、"愛情の神 アプロディテ"が"消滅"させられたらしいとも書いてあった。

その影響で、他の"オリュンポス十二神"を守護するために私の任務の期間がかなり短くなった。

3ヶ月。

もうショタっ子と過ごせる時間は長くない。
少しでも早く任務を全うし、ショタっ子から私の記憶を消し、ショタっ子のことを早く忘れて、次の守護任務に移ろう。




「はあぁぁ……」
僕は最近、溜息が増えてきている。
明らかに神様の様子がおかしいからだ。
やけに他人行儀になってきたのだ。
初めて会った頃はあんなにテンションが高かったのに、今は何か大事なことを隠して、早く自分の家に帰りたい、僕に迷惑かけたくない、そんな顔をしているのだ。
………………

正直、僕はあの神様のことが好きだ。

神様は厄介で面倒くさがりで料理出来なくて、僕の平凡な人生に波乱を巻き起こす。

でも、たまにかなり優しくしてくれたり、料理が上手く出来たら頭を撫でてくれたりしてくれる。

でも、今の神様は嫌いだ。

さっきの理由もあるが、一番は何より、"何も話してくれない"ことだ。
僕だって神様の悩みを知りたい、
共有したい、一緒に悩んであげたい。
なのに何も話してくれない。

だから僕は決めたのだ。

"旅行に二人で行って、旅行先のホテルでどんな手を使ってでも話してもらう"と。

きっと、神様は普通に訊いても、適当にはぐらかすだろう。
だったら、色仕掛けでもなんでもして、吐かせよう、これが僕の計画だ。

僕は頬を両手でパンパンと叩き、
胸を張ってトイレから出た。
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