神様とショタの生活録

甘栗

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3話 神様だって三半規管はありますっ!

すれ違う心と甘くない現状

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「……ツンっ」
いつも以上にショタっ子がツンだった。




バスに乗って一眠りし、バスを降りて関空に着いたあたりからやけにショタっ子の機嫌が悪い。

「なぁ、飛行機見に行こっ!」
と明るく言っても、「ツン」としていて、「よし、飛行機見に行くか」
と優しい口調で言っても、「ツン」としている。

(デレが一向に来ない……)
そう悩んでいると、荷物検査の順番が回ってきた。
急に係員の方に「次の方、どうぞっ!」と元気よく言われ、私はかなり戸惑った。

持ってきた黒いショルダーバッグを機械にかけてもらい、中身を確かめてもらう。

係員はなにやら機械の画面をジィーと見ている。

尚、ショタっ子は別の列に並んでいるのでショタっ子の荷物は別である。

暫くすると係員の方が「はい……大丈夫ですっ!」と瑞々しい雰囲気を無意識に垂れ流しながら、私の鞄を両手で軽く持ち、渡してくれた。

私はそれを受け取り、すぐさま近くにいる受付の方に渡す。

「はい、はいはい……分かりました。それではお預かりいたします」
受付の女性は軽く会釈して、奥のベルトコンベアに荷物を流した。

それを見て、荷物はもう大丈夫だろうと安心した私は、ショタっ子の並んでいた方へと向かった。




「はぁー……」
なんでだろうか。神様の顔を見れない。
つい、ツンとなってしまう。

そんなことを考えていると、「次の方、どうぞ」と係員の方に冷淡な口調で呼ばれた。

ので、こちらも、「はい、お願いします」と冷淡に言って、水色の手提げ鞄を渡した。

鞄が機械へとかけられる。
係員は何をそこまで真剣に見てるのか、ジッと機械の画面を見ていた。

冷淡係員から「どうぞ」と言われ、僕の鞄が返ってくる。

受付の女性に渡すと、「はい!お預かりします!良い旅を!」と
さっきの冷淡係員とは対照的に、有り余った元気を曝け出した声で言い、僕がその場から大分離れるまで、手を小刻みにブンブン振ってくれていた。

大分離れた場所から、神様が並んでいた場所を見て神様が居なかったので、僕は探しに行った。




「……」
僕と神様の間に不毛な空気が流れている。

僕達は時間ギリギリに飛行機に乗れた。確かに乗れた。

だが、神様が時間ギリギリあと一分まで、客室乗務員の方々に「佐藤様ー!佐藤様ー!」(佐藤とは神様のこの世界での偽名らしい)と叫ばれて捜索されていたのに、あろう事か神様は昼寝をしていたらしいのだ。

小話だが、〇〇神と名の付く存在は寝なくても別に睡眠不足になったりしないと神様が教えてくれたことがあった。

順接的に、"寝ること"は一様出来るらしい。

但し、夢を見ることは出来ないらしい。

(原理としては、人間の"寝る"というよりは、"目を瞑り、集中して、体感時間を早めて体感時間を早送りにする"というものらしいからだ。)

とにかく、神様に昼寝をした理由を顔を見ずに訊くと、「ショタっ子を探していて、途中で目を瞑ってしまったら、無意識に体感時間を微かに早めてしまったんだよ……ゴメンな?」
と理由を示し、謝ってくれた。 
まぁ、謝ったから許すことにした。




飛行機が離陸する。
ふわっという感覚が体中に走り、
重力により、座席に押さえつけられる。

…………暫く経つと、飛行機はまっすぐ飛び始める。

後ろから、威勢の良い客室乗務員の声がしてきた。

「お飲み物はいかがですかー、
お飲み物はいかがですかー」

機械のようで機械じゃないタイミングで、お客さん一人一人の顔を見ながら、ワゴンをガラガラと移動させて売り子をしている。

僕の真横の席で、神様はさっそく酔っており、窓の外をまるで二日酔いしたおっさんみたいに眺めていた。
時折、「うぅ……うぅ……」と唸り声が聞こえてきた。

僕は神様がこんな状況で暇だったので、目的地に着くまで頬杖をついて寝ることにした。
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