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トラン国
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「まことに申し訳ございません!」
前転しそうな勢いで頭を下げるアリエスとじじい。エリスは泣き疲れたのかオレ様の肩の上でねむりこけている。いかにオレ様の肩とはいえ、そんなに寝心地良くないだろぉに。
「あ?いや、別にいいって。(っつーか、アイツらだったら自分の非なんて認めねぇし、なんと人界人の素直なことか)それよりさっさと頭上げろよ。飯が不味くなるだろぉが」
「は、はい。では私達は失礼させていただきます。…エリス、起きて下さい」
「…んぅ」
アリエスにちょいちょいと背中をつつかれ、エリスが寝ぼけ眼を擦りながら起きた。そしてテーブルの上に所狭しと並べられている食事に目を輝かせ、上から逆さまにオレ様の顔を覗き込んできた。
「ベゼル様、わたしもあれ、食べていい!?」
「かまわねぇよ。っつーか、何出て行こうとしてんだよ、アリエス。あとじじいも座れ、どおせオレ様一人でこんな量食いきれねぇよ」
「「あ、えっ…」」
「やたー!!!」
アリエスとじじい(そういや名前なんだろな)が固まり、エリスがオレ様の肩から飛び降りた。そしてちゃっかりオレ様の隣に座る。
というかなんつー身体能力だよ。これでも身長186㎝はあるぜ?そのオレ様の肩から手放しで飛び降りるとか、コイツ本当に10才児かよ。
「アリエス、じじ、はやくっ」
「え…あ、はい」
エリスに呼ばれて我に帰ったらしい二人がいそいそとオレ様達の向かいに座った。そして謎のお祈りをさせられ、やっと飯に手をつける。
まずはこの黒パンからっと。…って、なんだよこれ!?本当に黒パンか?なんだってまた、こんなに…柔らかいんだよ?
それに、なんだこの肉。柔らかく、ジューシーで、それでもしつこくなく。さっぱりしたソースでさらに肉の味が引き立つ。
スープもだ。油気が少なく、そのぶん素材の味が引き立っている。きのこや数種類の野菜の味がぶつかり合うことなくまろやかにまとまっていて。
「ベゼル様?あのっ、庶民の味のほうが親しみやすいかと用意させましたが、お気に召しませんでしたか…」
何やらこちらを見てアリエスがしょんぼりしているが、お気に召さない?そして、こんな旨い飯を庶民が食えるのか?…なんてこった。
「わりぃ。旨すぎて涙出てきただけだ。気に入ったにきまってるだろ、こんな旨い飯」
「そう、ですか。ではデザートもどうぞ」
「ベゼル様、どうぞ!」
「ありがとな」
ガラスの器に入れられたカラフルな何かにスプーンを突っ込み、一口ほおばる。そして口に入れた瞬間シロップの優しい甘味が広がり、大きめにカットされたフルーツの数々が程よい食べごたえをあたえてくれる。
中にはホロリと崩れやすいものもあれば、シャクシャクとした食感を残すものもある。シロップが甘すぎず、フルーツ本来の甘味を残しているのがすごい。
「勇者殿。良ければこれを」
「ん?おう、ありがたくもらうぜ、じじい」
「…」
カットされた黄色いフルーツを手渡してきたじじい。見るとアリエスとエリスもこのフルーツを絞って果汁を入れている。これを入れれば何か変わるのだろうか?
ぎゅーっと絞って、スプーンでまぜて、食べる。そして先程までなかった酸味がふわりと立ち、甘さと程よく中和する。けれどもちろん、後味さっぱりだ。
「…くぁーっ、こんなに旨い飯食ったのはじめてだぜ!ありがとな。…んじゃ、オレ様はこれで」
スプーンを置き、席を立つ。これといって持ち物などないし、飯も食ったしさてどこかへ行こうとしたのだが、エリスが腕にしがみついてきた。
無理矢理引き剥がすのも気が引けたので、少しばかりオレ様自身で抵抗した後にアリエスに助けを求める。が、アリエスはエリスの味方らしい。もちろんじじいもだ。
「オレ様は旅をするんだよ、はなしてくれ」
「でもベゼル様、勇者様でしょ!」
「ちげーよ。最初にも言ったろ?オレ様は勇者なんかじゃねぇし、例えそうだとしてもやるつもりはねぇってな」
「しかし、ベゼル様!現に魔王はこちらに被害をもたらしているのですよ!?…この城に人がいないと思いませんでしたか?」
言われてみればそうだな。あくまでもオレ様の城にある文書にあったことだが、勇者が召喚されたら大人数で祝福する、と。なのにそういえばそういうのなかったなぁ。
「この国は魔物の多く巣食う森に囲まれています。そして魔王が復活したことによりそれらが狂暴化し、父様も含めほとんどの人が出払っているのです」
「そのわりには女もいねぇみたいだが?」
「母様達治癒できる人なの。だからいっつもセンソー、全員参加」
「今回、第三王女様が勇者召喚をするにあたり、第一王女様と私めが護衛のために残ったというわけです」
「…(どういうことだ?)」
アリエスとエリスの話を聞いてオレ様の中で疑問が浮上する。オレ様が復活したのは今日。魔物どもはオレ様が復活したのをさとる能力がある。
だが、それで魔物が襲ってきたとして、ちょいと対応がはやすぎやしないか?オレ様が復活してからまだ6時間ちょいだぜ。どう考えてもおかしいだろ。
「あー、魔物はいつ狂暴化したんだ?」
「そうですね、」
「確か一週間ほど前では?」
「違うよ、それは報告が来た日。他の人のショーゲンによると9日前だよー」
「ありがとな、エリス」
ぽんぽんと頭を撫でてやると、めっちゃキラキラ した目でこっちを見てくるエリス。目がもっとほめて!って語ってるなぁ…。あと、ぶんぶん振られてる犬のしっぽ見えんのだが。
「また何かあったらよろしくな」
「うんっ!」
「(うわぁ、何だよこのかわいい小動物…)」
このオレ様に可愛い認定されるやつなんてそうそういねぇぞ?誇りに思うんだな。…じゃなくてだ、魔物と、魔王のことだ。
あー、まず9日前に狂暴化し始めたとか普通にあり得ないの話だろ。まぁ今回の復活には大分時間かかったっぽいけど、それでもオレ様復活したし?
オレ様の復活まで別のヤツが魔王やってた線を考えるのが普通だが、あいにくとオレ様に兄弟いねぇし。っつーかもう親の顔覚えてねぇし。まずそもそも親いるか怪しいし。
あ、魔王になれるのって、オレ様の血縁関係者だけな?ま、例外もあるにはあるらしいが、その例外に当てはまる条件が大分きついんだよなぁ。
ほら、聞いた事ないだろ?「何回も死んでいるけど生きていて、一回も死んでいない人」なんて。そんなのオレ様ぐらいだろ。
とにかく。オレ様と血縁関係にあるやつがいないのは明らかだ。子供…はいねぇだろ。オレ様にも女が一人いたが妊娠はさせなかったしな。…もう別れて何年だ?ま、どうせ死んでるだろぉが。
「それ、本当に魔王の仕業なのかよ?」
「恐らく、そうでしょう。しかし現地に行って魔物を目の当たりにしてみないと明言できかねます」
「でも占い師さま魔王復活って言ってたよ。ね、じじ」
「そうですね。なので勇者殿をお呼びしたのですが…」
何だ何だ。三人そろって何で期待のこもった目でオレ様を見てんだ?
「…ったく、わーったよ、行けばいいんだろ、行けば!」
「ありがとう、ベゼル様っ!」
「ありがとうございます!」
まぁオレ様一応元魔王だし、どうもきな臭いし。ま、行ってやらねぇこともない。あくまでも行くだけだ、行くだけ。誰も戦いに参加するとか言ってないし、な…?
前転しそうな勢いで頭を下げるアリエスとじじい。エリスは泣き疲れたのかオレ様の肩の上でねむりこけている。いかにオレ様の肩とはいえ、そんなに寝心地良くないだろぉに。
「あ?いや、別にいいって。(っつーか、アイツらだったら自分の非なんて認めねぇし、なんと人界人の素直なことか)それよりさっさと頭上げろよ。飯が不味くなるだろぉが」
「は、はい。では私達は失礼させていただきます。…エリス、起きて下さい」
「…んぅ」
アリエスにちょいちょいと背中をつつかれ、エリスが寝ぼけ眼を擦りながら起きた。そしてテーブルの上に所狭しと並べられている食事に目を輝かせ、上から逆さまにオレ様の顔を覗き込んできた。
「ベゼル様、わたしもあれ、食べていい!?」
「かまわねぇよ。っつーか、何出て行こうとしてんだよ、アリエス。あとじじいも座れ、どおせオレ様一人でこんな量食いきれねぇよ」
「「あ、えっ…」」
「やたー!!!」
アリエスとじじい(そういや名前なんだろな)が固まり、エリスがオレ様の肩から飛び降りた。そしてちゃっかりオレ様の隣に座る。
というかなんつー身体能力だよ。これでも身長186㎝はあるぜ?そのオレ様の肩から手放しで飛び降りるとか、コイツ本当に10才児かよ。
「アリエス、じじ、はやくっ」
「え…あ、はい」
エリスに呼ばれて我に帰ったらしい二人がいそいそとオレ様達の向かいに座った。そして謎のお祈りをさせられ、やっと飯に手をつける。
まずはこの黒パンからっと。…って、なんだよこれ!?本当に黒パンか?なんだってまた、こんなに…柔らかいんだよ?
それに、なんだこの肉。柔らかく、ジューシーで、それでもしつこくなく。さっぱりしたソースでさらに肉の味が引き立つ。
スープもだ。油気が少なく、そのぶん素材の味が引き立っている。きのこや数種類の野菜の味がぶつかり合うことなくまろやかにまとまっていて。
「ベゼル様?あのっ、庶民の味のほうが親しみやすいかと用意させましたが、お気に召しませんでしたか…」
何やらこちらを見てアリエスがしょんぼりしているが、お気に召さない?そして、こんな旨い飯を庶民が食えるのか?…なんてこった。
「わりぃ。旨すぎて涙出てきただけだ。気に入ったにきまってるだろ、こんな旨い飯」
「そう、ですか。ではデザートもどうぞ」
「ベゼル様、どうぞ!」
「ありがとな」
ガラスの器に入れられたカラフルな何かにスプーンを突っ込み、一口ほおばる。そして口に入れた瞬間シロップの優しい甘味が広がり、大きめにカットされたフルーツの数々が程よい食べごたえをあたえてくれる。
中にはホロリと崩れやすいものもあれば、シャクシャクとした食感を残すものもある。シロップが甘すぎず、フルーツ本来の甘味を残しているのがすごい。
「勇者殿。良ければこれを」
「ん?おう、ありがたくもらうぜ、じじい」
「…」
カットされた黄色いフルーツを手渡してきたじじい。見るとアリエスとエリスもこのフルーツを絞って果汁を入れている。これを入れれば何か変わるのだろうか?
ぎゅーっと絞って、スプーンでまぜて、食べる。そして先程までなかった酸味がふわりと立ち、甘さと程よく中和する。けれどもちろん、後味さっぱりだ。
「…くぁーっ、こんなに旨い飯食ったのはじめてだぜ!ありがとな。…んじゃ、オレ様はこれで」
スプーンを置き、席を立つ。これといって持ち物などないし、飯も食ったしさてどこかへ行こうとしたのだが、エリスが腕にしがみついてきた。
無理矢理引き剥がすのも気が引けたので、少しばかりオレ様自身で抵抗した後にアリエスに助けを求める。が、アリエスはエリスの味方らしい。もちろんじじいもだ。
「オレ様は旅をするんだよ、はなしてくれ」
「でもベゼル様、勇者様でしょ!」
「ちげーよ。最初にも言ったろ?オレ様は勇者なんかじゃねぇし、例えそうだとしてもやるつもりはねぇってな」
「しかし、ベゼル様!現に魔王はこちらに被害をもたらしているのですよ!?…この城に人がいないと思いませんでしたか?」
言われてみればそうだな。あくまでもオレ様の城にある文書にあったことだが、勇者が召喚されたら大人数で祝福する、と。なのにそういえばそういうのなかったなぁ。
「この国は魔物の多く巣食う森に囲まれています。そして魔王が復活したことによりそれらが狂暴化し、父様も含めほとんどの人が出払っているのです」
「そのわりには女もいねぇみたいだが?」
「母様達治癒できる人なの。だからいっつもセンソー、全員参加」
「今回、第三王女様が勇者召喚をするにあたり、第一王女様と私めが護衛のために残ったというわけです」
「…(どういうことだ?)」
アリエスとエリスの話を聞いてオレ様の中で疑問が浮上する。オレ様が復活したのは今日。魔物どもはオレ様が復活したのをさとる能力がある。
だが、それで魔物が襲ってきたとして、ちょいと対応がはやすぎやしないか?オレ様が復活してからまだ6時間ちょいだぜ。どう考えてもおかしいだろ。
「あー、魔物はいつ狂暴化したんだ?」
「そうですね、」
「確か一週間ほど前では?」
「違うよ、それは報告が来た日。他の人のショーゲンによると9日前だよー」
「ありがとな、エリス」
ぽんぽんと頭を撫でてやると、めっちゃキラキラ した目でこっちを見てくるエリス。目がもっとほめて!って語ってるなぁ…。あと、ぶんぶん振られてる犬のしっぽ見えんのだが。
「また何かあったらよろしくな」
「うんっ!」
「(うわぁ、何だよこのかわいい小動物…)」
このオレ様に可愛い認定されるやつなんてそうそういねぇぞ?誇りに思うんだな。…じゃなくてだ、魔物と、魔王のことだ。
あー、まず9日前に狂暴化し始めたとか普通にあり得ないの話だろ。まぁ今回の復活には大分時間かかったっぽいけど、それでもオレ様復活したし?
オレ様の復活まで別のヤツが魔王やってた線を考えるのが普通だが、あいにくとオレ様に兄弟いねぇし。っつーかもう親の顔覚えてねぇし。まずそもそも親いるか怪しいし。
あ、魔王になれるのって、オレ様の血縁関係者だけな?ま、例外もあるにはあるらしいが、その例外に当てはまる条件が大分きついんだよなぁ。
ほら、聞いた事ないだろ?「何回も死んでいるけど生きていて、一回も死んでいない人」なんて。そんなのオレ様ぐらいだろ。
とにかく。オレ様と血縁関係にあるやつがいないのは明らかだ。子供…はいねぇだろ。オレ様にも女が一人いたが妊娠はさせなかったしな。…もう別れて何年だ?ま、どうせ死んでるだろぉが。
「それ、本当に魔王の仕業なのかよ?」
「恐らく、そうでしょう。しかし現地に行って魔物を目の当たりにしてみないと明言できかねます」
「でも占い師さま魔王復活って言ってたよ。ね、じじ」
「そうですね。なので勇者殿をお呼びしたのですが…」
何だ何だ。三人そろって何で期待のこもった目でオレ様を見てんだ?
「…ったく、わーったよ、行けばいいんだろ、行けば!」
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