ちいさな竜の旅

真庭

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ちいさな竜の旅

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ある日、世界ののどこかで 
ちいさな竜が うまれました。

ツノもツメも まだ ちいさく
ツバサは まだまだ 頼りなく
立ち上がるだけでも 足が プルプルと
震えてしまいます。

だけど、
うまれたばかりの竜は大慌て。

「あの子のところに いかなくちゃ!」
竜は飛び出しました。

高い たかい 空のはて。
深い ふかい 海のそこ。

しかし、
どこにいってもあの子にあえません。

ちいさな竜は 首を傾げました。
「あれ? あの子はどこだろう?」

なんと。
慌てすぎて、あの子の居場所を
わすれてしまったのです。

「どうしよう! 迷子になっちゃった!」
ちいさな竜は泣きそうになりながらも、
いろんな場所を旅しました

雪と氷で覆われた 寒い国。
一面、砂ばかりの暑い国。
いつも突然 雨が降る ジャングル。
季節ごとに 雨が降ったり
降らなかったりする サバンナ。

いろんな ひとが いて、
いろんな いきものが いて。
だれかが ちいさな竜を助けてくれる ときもあれば、
ちいさな竜に助けてほしいと だれかが お願いする こともありました。

もちろん、あの子を さがすことが
いちばん大事です。
だけど、ちいさな竜は、
こまっているひとを 放っては おけませんでした。

ちいさな竜は、ひとつひとつの 問題に
たくさん考えました。
いろんなことを 試してみました。

失敗も ありました。
間違えたことも ありました。

だけど、ちいさな竜は
だれかを 助けることも
あのこを さがすことも
あきらめません。

ある日、ちいさな竜は
とある島国に たどりつきました。
「あ! あのことがいる!」

うまれたばかりの ときよりも
少しだけ大きくなった ツバサで、
少しだけ大きくなった 竜は
一直線に 飛んでいきます。

その先には、
ついさっきうまれたばかりの キミがいました。

元気に泣いているキミの 頬に
竜は鼻先を ちょん、と くっつけます。


「はじめまして! キミに 逢いたかったんだ!」
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