ハイロイン

ハイロインofficial

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第十三章

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  土曜日のカフェ。石慧シー・ホェは淡い化粧を施し、もともと美しい顔をさらに際立たせていた。
「最近どうしてた?」
 白洛因バイ・ロインは先に口を開く。
 石慧はスプーンでゆっくりとカップの中のコーヒーをかき混ぜながら時折白洛因を見つめ、大きな瞳を煌めかせた。
「どう思う?」
「見た目は元気そうだ」
 石慧は苦笑する。
「あなたの前だから頑張ってるの。私がちょっとでも感情的になったらあなたはすぐ電話を切るんだもの。怖いわ。本当よ」
 白洛因は黙り込む。
「ご注文はお決まりですか?」
「ちょっと待て……ジュースを二杯くれ」
「どのジュースにいたしますか?」
「そっちで適当に決めろ!」
 隣のテーブルに二人の兵士が座った。声が大きいので白洛因はすぐに気づく。兵士らはきょろきょろあたりを見回し、一瞬白洛因と目が合った。だがすぐ何事もなかったように目を逸らし、引き続き大声でしゃべり続ける。カフェはとても広いのに、なぜ彼らは自分たちの隣に来るのだろう。
「どうしたの?」
 石慧の問いかけに白洛因は首を振った。
「なんでもない」
 二人の兵士は頭を近づけ、声をひそめる。
「うちの少将の息子はさすが目が高いな。本当に綺麗な女の子じゃないか!」
「へへ……そうだな。この小僧は運が悪い」
 石慧はしばらく黙り込み、白洛因の顔に視線を定めると長い間うっとりと見入った。
「白洛因、あなた変わったわ」
 白洛因は訝しんだ。
「そうか? 俺はそうは思わないけど」
 石慧がわずかに微笑むと、えくぼが浮かぶ。
「格好良くなったわ」
 白洛因が口角をわずかに上げて口を開こうとすると、隣の兵士たちがまた騒ぎ始めた。
「俺が頼んだのはフレッシュジュースだ。なんで果汁100%じゃないやつを寄越した?」
「何でもいいとおっしゃってましたよね」
「なんだ、俺をハメる気か? まるで軍人が従業員を虐めてるみたいじゃないか。店長を呼んで来い!」
「すみません。店長は不在なんです。すぐ取り替えますので」
 話がまた遮られ、石慧は苦笑する。白洛因は言った。
「席を移動しようか」
 石慧は笑って頷き、小声で答える。
「私もそう思っていたの」
 二人が座席を変えると、すぐに彼らのうちの一人がジュースをこぼして座席を変えざるを得なくなり、まっすぐ白洛因と石慧のところへやってきた。白洛因は彼らの目的を確信する。
「よかったら私の隣に来ない? 近くに座ったほうが話しやすいわ」
 石慧は断られるのをひどく恐れているようだった。白洛因は二人の兵士にチラリと目を向けてから石慧の隣に座り直す。
 馴染んだ匂いが漂い、石慧は白洛因の手を見て鼻の奥がツンとした。この手は自分の手を引いてたくさんの道を歩き、かつては彼女の涙を何度も拭ってくれた。よく知っているはずなのに、いまでは見知らぬ人の手に見える。
「白洛因、あの時計の日付さえ見なければ、私たちはいまでも付き合っていて、私も留学に行かず、ここでデートをしてるみたいな気がするわ」
 白洛因の硬い眼差しにわずかに動揺が走る。
「白洛因、私がどうして帰ってきたのかわかる?」
 白洛因は顔を強張らせたまま答えた。
「俺のせいだろう」
「もっと正確に言えば、あなたの一言のせいよ」
 白洛因の目は石慧に向けられた。至近距離にいるので彼女の目の中に涙が浮かび、いまにも綺麗な頬を伝い零れ落ちそうなところまで見える。
「あなたにもう好きな人がいると言われて、私は悔しかったし信じられなかった。だからちゃんと直接会って聞きたかったの。それは誰? もしはっきりと答えてくれたら、私はいますぐこのカフェを出て飛行機のチケットを買うわ」
 白洛因は唇を動かしたが言葉は出てこない。心に迷いがあるのか、それとも言葉が見つからないのかはわからなかった。
「私に嘘をついたのね。知ってたわ」
 石慧の涙はついに頬を伝い、彼女は柔らかい手で白洛因の肘を掴み、少し声を震わせる。
「白洛因。私、ここを離れないわ」
 白洛因はハッと我に返り、石慧を振り返った。語気はふたたび硬いものに変わる。
「俺にこだわってバカなことはするな。もし君が残ったとしても、俺たちはもうダメだ」
「どうして?」
 石慧は感情のコントロールを失い、白洛因の首に抱きついて泣きながら問いかける。
「私を嫌いになったの?」
 白洛因はついに我慢の限界に達し、石慧を引き離した。
 隣にいた二人の兵士は見ていられず、そのうち一人が小声でつぶやく。
「あいつが君を好きじゃないなら、この兄さんが君を好きになるよ。こっちにおいで。俺は絶対君を可愛がってあげるから」
「あの小僧、ひどいな!」
「ふん……すぐに目にもの見せてやるさ」
 


 顧海グー・ハイは軍隊の大型演習場に立ち、兵士の厳しい訓練をじっと眺めていた。一人の若い将校がやってきてまっすぐに立ち、顧海に向かって敬礼をする。顧海は視線で礼を返した。すると将校はすぐにくだけた様子で顧海に笑顔を向ける。
「最近どこに行ってたんだ? ずいぶん姿を見せなかったじゃないか」
「忙しかったんだ」
 将校は軽く笑った。
「顧少将はついさっき出かけて行ったよ」
 顧海はそれに取り合わず、唐突に尋ねる。
「銃はあるか?」
 将校はすぐに部隊に向かって大声で叫んだ。
「上等な銃を手配しろ!」
 顧海は銃を携え近くの射撃訓練場へ向かう。すると二人の射撃手が訓練をしている最中だった。前方百メートル以内に十数個の動く標的がある。顧海は黙って銃弾を装填し、狙いを定めると、前方にいる狙撃手の歩調に合わせて素早く移動した。前方の彼が発砲して的中させると、彼も同じ標的に向けて六発ほぼ同じ場所に命中させたが、残りの弾は命中しなかった。
 顧海は眉をひそめ不満を抱く。長い間ライフルに触れていなかったせいでかなりレベルが落ちてしまった。狙撃手は銃を下ろし、後ろにいる私服の青年を見て思わず肩を叩き、絶賛する。
「若造、銃の扱いが上手じゃないか。初心者じゃないだろう?」
 顧海は薄く笑い、何も答えなかった。
「お前たち、どこで何をしてた! 昼から探していたんだぞ。これは重大な規律違反行為だ……」
 すぐ近くから将校の叱責が聞こえてくる。振り返ると知り合いの兵士が目に入り、顧海は将校に歩み寄った。
「彼らは俺に頼まれて外出してたんですよ」
 それまで厳しい面持ちだった将校は、一瞬で相好を崩す。
「そうだったのか。じゃあ仕方ないな。はははは……」
 将校が立ち去った後、二人の兵士はこっそり顧海の表情を窺う。彼らは緊張しているようだった。しかし実のところ顧海は内心彼らよりも緊張していた。家でゆっくり待てるようならばここには来ていない。だがそれを彼らに悟られたくはなかった。
「どうだった?」
 二人の兵士は顔を見合わせ互いに押し付け合い、なかなか口を開かなかった。彼らの様子を見て顧海はさらに焦りを増す。
「お前が先に言え!」
 顧海は左側の兵士を指さした。彼は額の汗をぬぐい、おそるおそる答える。
「彼らは旧交を温めていただけで、特におかしな話はしていませんでした」
 右側の兵士は比較的正直で、隊友の言葉に反論した。
「おかしな話はしてなかった? お前、あの女がなんで帰国したのか忘れたのか?」
 顧海は詰め寄り、殺気を帯びた目で右側の男を睨みつけた。
「なぜ帰国したんだ?」
 左側の兵士は右側の兵士の袖を引き、視線で警告する。くれぐれも本当の話はするなよ。もしあの女が自主的に帰ってきたとわかったら、顧坊ちゃんは絶対怒り狂うぞ。そうしたら俺たちはお先真っ暗だ。
 右側の兵士はすぐに反応し、無理やり口元に笑顔を作った。
「あの男が電話で女を呼び戻したんですよ」
「そうそうそう」
 左側の兵士は同調する。
「あの女は戻って来たくなかったのに、男が無理やり帰国させたんです」
 顧海は鈍器で殴られたような衝撃を受け、顔色を変えた。
 左側の兵士は右側の兵士を突き、顧海をなだめろと指示を出す。
「あの、顧……顧坊ちゃん、実はですね、あの女はそもそもそんなつもりはなかったのに、男のほうがしつこく絡んで残るように強要したんです」
「そうです、あの男は恥知らずにも椅子に座った途端女に向かって綺麗だと褒めたたえ、ずっと彼女を見てばかりいました」
「無理やり女に抱きついて手を放さず」
「もういい」
 顧海は突然言葉を遮った。顔色は暗くどんよりしている。
「もう言わなくていい。わかった。お前たち、行っていいぞ」
 右側の兵士は少し固まった後、おそるおそる告げた。
「顧坊ちゃん、あまり気にしないでください。俺たち坊ちゃんの代わりにやっつけて来たんで」
「そうですよ。俺たちはあいつをやっつけました。三日は寝たきりだと思います」
「三日? あいつ多分半月は起き上がれないぞ!」
「……」
 顧海が大急ぎで家に帰ると、白洛因は荷物を片付けているところだった。白洛因にはまるでダメージはなく、普通に動けるようだ。顧海はホッと胸を撫でおろす。だがすぐに彼が服や洗面道具をスーツケースに詰めていることに気づいてあわてた。
「何をしているんだ?」
 白洛因は振り返りもせず、黙々と作業を続ける。その背中は強張っているように見えた。顧海は大股で近づいて白洛因の肘を掴み、無理やり振り向かせる。
 そして、固まった。
 目元は青く痣ができ、腫れているせいか、両目の大きさは激しく違っていた。鼻梁も腫れ、鼻の脇には青い斑点が散っている。首筋にはいくつか血痕があり、うねりながら下に向かって伸びていた。それに襟は破れ、その下の状態はよく見えない。
 あの二人の兵士は確かに彼を殴ったのだ。だが幸い白洛因も弱くはなかったので彼らが言うほどのダメージは受けていないのだろう。
「因子……」
 顧海の声には隠しようもなく胸の痛みが滲み出ていた。白洛因に手を伸ばし、ジャケットのボタンを開けようとしたが、彼に阻まれる。白洛因はこれまで見たこともないような頑な表情を浮かべていた。
「そんな嘘臭い顔をするなよ。吐き気がする」
 それは刀のように顧海の心を切り裂く言葉だった。その視線の冷たさに顧海の指は震えていたが、白洛因は軽々とそれを振り払い、それから一切目線を上げることはなかった。
 顧海はその場で固まったまま、白洛因が部屋を動き回り、スーツケースを閉め、靴を履き替えるのをただ眺めるしかなかった。彼の気持ちは複雑を極め、大股でドアに向かって歩み寄り、白洛因を睨んで問いかける。
「どこに行くんだ?」
「俺がどこに行こうが関係ないだろう」
「家に帰るのか?」
 顧海は問い詰める。白洛因ははっきりと答えた。
「父さんを心配させられない」
「じゃあどこに行くんだ?」
 白洛因は冷たく硬い眼差しで顧海の目の奥を突き刺す。
「もう一度言うが、俺がどこに行こうがお前には関係ない」
 戸口で彼の行く手を塞ぎながら、顧海の心は突然冷える。
「彼女のところに行くのか?」
 白洛因は顧海を引っぱたき、本当にこの嘘つきで凶暴で理屈の通じない男の目を覚まさせてやりたかったが、手を上げることはしなかった。もう必要ない。本当にこれ以上こいつのせいで消耗する必要はないと思ったのだ。
「ああ。俺は彼女のところに行く」
 顧海は大きな打撃を受けた。悲憤、傷心、悔しさ、胸の痛み……あらゆる感情が湧き起こる。
「お前が彼女を帰国させたのか?」
 白洛因はあやうくスーツケースのハンドルを握り潰しそうになったが、歯の間からどうにか言葉を絞り出す。
「ああ」
「いまも無理やり彼女を引き留めようとしているのか?」
「そうだ。もう聞くな。全部認めるよ。俺はここにいたときも毎日彼女に電話をかけたし、ずっと彼女のことを忘れられなかった。お前が俺たちを見張るために兵士を雇ったのがどれだけ嬉しかったかわかるか? 俺はずっとお前とケンカする理由を探してたんだ。お前ときたら本当に俺に優しいよ。俺が何を考えているかお前には全部わかってるんだろう。お前が二人の兵士を雇って俺を殴ってくれたから、俺は本当にすっきりしたよ。これでようやくお前にはっきり伝えられる。顧海、もういい加減にしてくれ!」
 顧海は無表情で立ち尽くし、眼差しからも一切の感情が消えていた。
「これでもうどいてくれるだろう?」
 白洛因は問いかける。顧海は凍りついた視線をゆっくり白洛因の顔に移す。
「いまの言葉は全部本当か?」
 白洛因は口元に破れかぶれの笑みを浮かべる。
「俺の話が本当かどうか、お前にはまだわからないのか?」
 顧海は黙ったまま、眼差しには冷たく陰気な空気を漂わせた。
「どけよ」
 顧海は動かない。白洛因は猛然と顧海を押しやると、ドアを蹴り破って立ち去り、冷たい背中がエレベーターに消えた。
 外には北風が吹き荒れ、白洛因は身も心も凍えた。胸は痛み、呼吸をするのもつらい。これまでこんな感覚を味わったことはなかった。全身が失望感に包まれ、たとえ棍棒で自分を殴りまくっても胸の怒りが消せるとは思えなかった。
 なぜ俺を信じない? どうして自分の言葉通りに行動できないんだ。お前に期待しすぎたのか? お前が俺によくしてくれるから俺はお前の短所も受け入れ、お前の言うことならなんでも信じるとでも思ったのか? だからお前の心の内を暴いたことに耐えられなかったのか?
 その後三日間白洛因は学校に行かず家で復習をするという理由をつけ、ずっとホテルに篭った。四日目と五日目は期末テストだったが、白洛因と顧海は試験会場が分かれていて、テストが終わっても白洛因は教室に戻らなかった。顧海も同じだ。二人はあの日以来お互いの姿を見ることはなく、そのまま冬休みに突入した。
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