etc…♡

神奈川雪枝

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バカだな、お前。

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「あ、赤井先輩?!」

「なぁに、してんの?笑」

「別に!」と、涙を拭いた。

「あの、関西人と上手くいってんの?」

「……。」

「あ、聞いちゃいけなかった?」

「上手くいかなくて……。」

「難しいよな、恋愛。」

「赤井先輩は、緑川さんと順調ですか?」

「聞く?笑」

きっと上手くいってると思った。
二人で生きてくことをきめたのを、目の前で見たし。

「由佳とは、すぐに別れたよ。」

「え?」

「あの後ね、由佳の離婚が拗れて、さ。」

「由佳の夫、
由佳の事凄い好きだったんだよね。」

「絶対別れないっていうの。
例え、由佳が家を出て俺と付き合っても、
俺は離婚届にサインしないっていうの。」

「由佳って美人だからさ、
好きにさせちゃうんだろうね?笑」

「そんな……。」

「俺も諦めなかったよ。
籍入れれなくても、
構わないって言ったんだよ。」

「暫く、二人でアパート借りて、
暮らしたんだよね。
毎日楽しかったよ。
好きな人と一緒に過ごせるのって、
当たり前じゃないって分かってるから。」

「でもさ、由佳優しいから、
旦那さんのこと気にかけちゃって、
俺といても笑えないっていうの。」

「でも、緑川さん、
旦那さんと上手くいってないって
話しじゃなかったですか?」

「ねぇー、ほんとそれね。
人の好意って1つだけじゃないのな。」

「由佳が毎日辛そうで。
俺も辛くなっちゃて。」

「別れよ。っていったら、
うんって言われちゃって。」

「別れないって言ってくれるって思い込んでたの、オレ。」

「それから暫くして、
由佳は、旦那との子供出来て、
産んで育ててるはずだよ。」

力なく笑う赤井先輩。
目尻の皺が濃くなってる。

「桃井は?今、幸せ?」

(私は……。)

「桃井って、俺の事本当に好きだったの?笑」

「な、なんですか、いきなり!」

「俺のことはやめとけって忠告、
しといてよかったでしょ?笑」

「そ、そんなこと、ないです。」



風が吹く。
(あの日の二人ですらダメになる恋愛が怖いと感じた。)
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