5 / 80
1.理不尽な世界へようこそ
美味しいご飯
しおりを挟む
テーブルに並んだ料理に俺は見惚れた。
こんなにおいしそうなオムライスはなかなかお目に掛かれないだろう。
ふんわりとした卵は、厚みがあり、スプーンで割ると半熟になっていてとろけ出てくるに違いない。
その上には、自家製のトマトソースがかけられていて、食卓を彩っている。
もちろん栄養にも気を遣っていて、シーザーサラダが用意されていた。
「さ、一緒に食べよう。今日は張り切ってみたんだー。」
ミナトは腕まくりをしていたカッターシャツの袖をおろし、
グラスと飲み物のボトルを持ってキッチンから出てきた。
グラスをテーブルに置き、ポンッと心地いい音を奏でながら、
コルクを抜いて、グラスに注ぐ。
俺も、ソファから腰を上げ、テーブルの席に着く。
ミナトは、奈緒に芳醇な香りのする飲み物が入ったグラスを手渡す。
「俺、まだ未成年だからワインとか飲めないんだけど」
「大丈夫。これは君の世界でいうお酒じゃないから」
俺はグラスを口につけて一口味見してみた。
苦味や渋みといったものはなく、果物の独特な甘さが口の中に広がり、
喉を通った後も、すっきりとした爽やかさだけが残った。
「ふーん、案外いけるね。」
「特別だよ。今日は奈緒が帰ってきてくれたから特別に用意したんだぁー」
グラスをテーブルに置き、俺は食卓に手を付けた。
思っていたよりもお腹がすいていたようで、
一度、食べ始めると手が止まらなかった。
「たーんと、お食べ。」
バディのクロとレオも床の上で一緒にご飯を食べていた。
クロはエサを取られるのを心配しているかのように早食いをしていた。
~*。・*~*。・*~*。・*~*。・*~~*。・*~*。・*~*。・*~
俺はひとつも残らず、完食してしまった。
最後に、またあのドリンクをおかわりさせてもらって満腹感に浸る。
このまま、じっとしていると今にも寝てしまいそうなので、
お風呂に入ることにする。
ここでは、湯をためるために栓をする必要がなく、
全て、タッチパネルで操作することが出来る。
といっても、これを操作できるのはミナトが自宅にいる時だけだ。
俺が勝手な事をできないように、制限をかけているらしかった。
風呂の湯は待たなくても、すぐに溜まるので脱衣所に向かう。
服をかごの中に入れてお風呂場に足を踏み入れる。
いつも思うのだが、なぜこんなにも広いのだろうか。
大きな浴槽のジャグジーが備え付けられていて、
大人が数人入っても足を延ばせるくらい広々としている。
俺は、先に髪と身体を洗って清潔にしてから、お湯に浸かった。
随分と走ったから、足を少しマッサージする。
それにしても本当に気持ちいい。
お風呂で寝たら駄目な事は頭では分かってはいるけど、
身体の力が抜けていく。
少しの間、頭をからっぽにしてこの幸せに浸かることにした。
ーー溺れそうな幸せにーーー
こんなにおいしそうなオムライスはなかなかお目に掛かれないだろう。
ふんわりとした卵は、厚みがあり、スプーンで割ると半熟になっていてとろけ出てくるに違いない。
その上には、自家製のトマトソースがかけられていて、食卓を彩っている。
もちろん栄養にも気を遣っていて、シーザーサラダが用意されていた。
「さ、一緒に食べよう。今日は張り切ってみたんだー。」
ミナトは腕まくりをしていたカッターシャツの袖をおろし、
グラスと飲み物のボトルを持ってキッチンから出てきた。
グラスをテーブルに置き、ポンッと心地いい音を奏でながら、
コルクを抜いて、グラスに注ぐ。
俺も、ソファから腰を上げ、テーブルの席に着く。
ミナトは、奈緒に芳醇な香りのする飲み物が入ったグラスを手渡す。
「俺、まだ未成年だからワインとか飲めないんだけど」
「大丈夫。これは君の世界でいうお酒じゃないから」
俺はグラスを口につけて一口味見してみた。
苦味や渋みといったものはなく、果物の独特な甘さが口の中に広がり、
喉を通った後も、すっきりとした爽やかさだけが残った。
「ふーん、案外いけるね。」
「特別だよ。今日は奈緒が帰ってきてくれたから特別に用意したんだぁー」
グラスをテーブルに置き、俺は食卓に手を付けた。
思っていたよりもお腹がすいていたようで、
一度、食べ始めると手が止まらなかった。
「たーんと、お食べ。」
バディのクロとレオも床の上で一緒にご飯を食べていた。
クロはエサを取られるのを心配しているかのように早食いをしていた。
~*。・*~*。・*~*。・*~*。・*~~*。・*~*。・*~*。・*~
俺はひとつも残らず、完食してしまった。
最後に、またあのドリンクをおかわりさせてもらって満腹感に浸る。
このまま、じっとしていると今にも寝てしまいそうなので、
お風呂に入ることにする。
ここでは、湯をためるために栓をする必要がなく、
全て、タッチパネルで操作することが出来る。
といっても、これを操作できるのはミナトが自宅にいる時だけだ。
俺が勝手な事をできないように、制限をかけているらしかった。
風呂の湯は待たなくても、すぐに溜まるので脱衣所に向かう。
服をかごの中に入れてお風呂場に足を踏み入れる。
いつも思うのだが、なぜこんなにも広いのだろうか。
大きな浴槽のジャグジーが備え付けられていて、
大人が数人入っても足を延ばせるくらい広々としている。
俺は、先に髪と身体を洗って清潔にしてから、お湯に浸かった。
随分と走ったから、足を少しマッサージする。
それにしても本当に気持ちいい。
お風呂で寝たら駄目な事は頭では分かってはいるけど、
身体の力が抜けていく。
少しの間、頭をからっぽにしてこの幸せに浸かることにした。
ーー溺れそうな幸せにーーー
10
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる