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2.動き出す歯車
扉の先は闇
しおりを挟む「ひぇっ――」
やっと、身体の中を圧迫していたクラリセを抜かれて、違和感がなくなったと思えば、すぐさまヒクつくそこにぬるっとした熱を感じる。
「じゃあ、そろそろ――」
「いやっ、やぁっだっ――」
ミナトは俺の腰を逃げないように、両手でがっちりと掴み引き寄せる。
「いただきますっ」
「ああっ!!」
ミナトは赤く淫靡な舌で唇を舐めてから、奈緒の中へと大きく張りつめたそれを挿入する。
先ほどまで、異物を咥えこんでいたそこは難なくミナトを受け入れてしまう。
「ひゃあ、やあああっ」
クラリセの成長した茎でさえ、俺には苦しかったのに、
ミナトの興奮で高ぶったそこは、今まで以上に俺の中を拡げてくる。
「イタっ、大きいっ」
「大丈夫っ、すぐに快感に変わる、からっ」
「はあっ。ああん――」
もうこれ以上、侵入されれば、俺のここは使い物にならなくなってしまいそうな奥深くの所までミナトの熱を感じる。
そして、ミナトと奈緒の下半身は隙間なくぴったりと密着して、奈緒の中にそれは全て入ってしまった。
ミナトは腰を掴んでいた手を離して、後ろから右手を伸ばし、奈緒の下腹部を撫で回す。
「なお、感じる??
今、俺がここに入ってるんだよ。
いつもより、膨らんでるね。
あー、孕ませたいな――。」
「ふっ――、俺は、男だっ!
絶対に孕むもんかっ」
「奈緒の赤ちゃん、きっと可愛いだろうなー。」
「おいっ、なんっ――!?」
そして、ミナトは奈緒の腰を再びつかむと、少し引き抜いてからズンッと奥を刺激する。
「んっ!!」
奈緒はその快感を呼び起こす動きにしゃべることが出来ない。
「なおっ、なおっ!!」
「やあっ、んっ」
部屋中に、パンっ、パンっと身体のぶつかる音がこだまする。
俺は、口を閉じる事ができなくて、はしたなく口から唾液を零してしまう。
「ひゃあっ、あんっ」
「なお、大好き、愛してるっ、
他の奴なんて、見ないで、
俺だけをみてっ」
奈緒は、ミナトの与える快感に身体が追いついていない。
ミナトの言葉だって、響く身体のぶつかりあう耽美な音だって、もう奈緒の耳には入らない。
身体が熱く、汗や涙など色んな物で全身が濡れてしまっていた。
「なおっ、なおっ。
俺以外、受け入れちゃ、だめだよっ
じゃないと、俺、何するか分かんないっ!」
「はあっ、はあっ」
「気持ちいい、なおっ、
ね、出していい?
そろそろ、イクよ?」
パンっ、パンっ――
どんどんストロークの間隔が短くなる。
その激しさにミナトの汗がピチャと奈緒の背中へと落ちて、
奈緒の緩やかな背の曲線に沿って伝って落ちていった。
「んっ、んうう――」
「なおっ、なお!!
俺だけのっ――」
ミナトは奈緒をグチャグチャになるまで中をかき回し、また何度も突き入れる。
「っん、はあっ、あっ!!」
「っく――」
奈緒は最奥に挿入されたミナトの巨大なそれがビクンと震えるの感じる。
そして、熱く欲望に満ちたドロドロしたものが、ドピュッドピュッと中で放出され、奈緒の中へじんわりと広がっていき中を白く染め上げる。
奈緒の下腹部で昂ぶっていた自身のそれも、何度目か分からない射精に達する。
自分の腹を白くビチャっと汚して、またそれがシーツを濡らして汚してゆく。
「―――っ」
奈緒はその中に拡がっていく感触に、快感と絶望という相反する感情でいっぱいになる。
「俺のっ、中にっ――」
「はは、奈緒は俺の。
俺のモノだからねっ。」
そう言って、奈緒の中に自分の出したそれを塗り込めるかのように、ヌチャヌチャと出し入れする。
幾度かそうしてから、ミナトは奈緒の中から自身を引き抜いた。
「っ、ひゃぁんっ」
そして、奈緒はミナトという支えを失って、ベッドへと沈み込む。
力なく横たわった奈緒はぐったりとして呼吸をするのに精一杯だ。
さっきまで、ミナトを咥えこんでいたソコは、奈緒の呼吸に合わせてグプッという音をもらしながら、ミナトの白濁液を零してしまう。
ミナトはその様子に満足して、奈緒が苦しくないように仰向けに寝かせて横に寄り添う。
「ふふ、愛してる。
絶対、離さない。
おやすみ、なお
また明日も愛し合おうね。」
俺は瞳を閉じて、もうミナトの言葉になんの反応も返さず、ただ身体の沈むままに意識も暗闇の中へと落としていった。
――底のない深淵へ――
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