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6.旅は道連れ
トリは翔ぶもの、堕ちるもの
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遠くから草をガサガサと掻き分ける音がゆったりとしたリズムを伴って近づいてきた。
ヒデトはゆっくりと立ちあがろうとしたが、まだふらふらするようで膝から崩れ落ちそうになり奈緒が慌てて支える事となった。
「くっ…不甲斐ありませんね…。」
ヒデトに肩を貸してどうにか支えようとする奈緒たちを木々の上から鳥たちが冷たい瞳で見下ろしている。
「ヒデト…」
帰り道はすぐそこだと言うのに、ヒデトを庇いながら歩いて逃げても絶対に足音の主からは追いつかれてしまう。
「綺麗な身体は大丈夫じゃったか?第3の者たち。」
その声の主は、見覚えのある大きな狼の背に乗って現れた。
そして後ろには、大親友の総が控えている。
咄嗟に、目の前が暗くなるほどに、やられたと思った。
博識で狡猾な総が、そう簡単に見逃すはずがなかったのだ。
「おうおう、大人しゅうしておれ。
パルスが効いて苦しかろ?」
「パルスだと…?」
「鳥のバディを持つものには、これがよう効きよる。飛んでいる時だと特になぁ。」
今のヒデトは、酷い乗り物酔いをしたかのように平衡感覚を失っていた。
何度も瞬きを繰り返しているけれど、目眩が全然止まらない。
まともに飛べるようになるまでにも、まだまだ時間を要するだろう。
「ヒデトを元に戻せっ!」
「もちろん、すぐに治してやろうとも」
老紳士が悪意を含むように口元に弧を描いた。
「お喋りを楽しみたいところだが、あまり時間がないからのう。また後でじっくりとなぁ。さぁ、皆の者、丁重にお連れしてあげろ」
号令と共に側にひっそりと潜んでいた黒服の男たちが周りを取り囲んできた。
そして、総が拘束具を片手に目の前までやってくる。
「ごめんね?奈緒。」
とても嬉しそうな笑みを顔に貼り付けて、手を伸ばしてくる。
「いやっ…」
咄嗟に振り払うも、黒服の集団の手が右からも左からも伸びてきて、奈緒とヒデトを引き剥がした。
「ヒデトっ」
「くっ…」
さすがのヒデトも人数差には勝てなかった。
平衡感覚が狂ってるせいで、翼も、武器さえも操る事ができない。
下手に武器を使うと奈緒を傷つけてしまう危険がある事をヒデトは分かっていた。
奈緒たちは、腕を後ろに組むように掴まれて身動きが取れなくなってしまう。
そして手首、上腕周りとベルトでガッチリと固定される。
「往生際が悪いよ?奈緒。」
その言葉に反射的にキッと総を睨みつけたが、逆効果のようだった。
まるで恋人を可愛がるかのように、総は奈緒の頬を愛撫して、顎を掴み持ち上げる。
その瞳の奥には、情欲の熱が垣間見える。
「ついでに、奈緒にこれ返してあげる。」
首をなぞると供に、久しぶりの肌触りと重みが首に、もたらされる。
「なっ?!」
「ふふっ、昔から思ってたけど奈緒は首輪が似合うよね。
僕が最初じゃないのは気に食わないけど、処理も終わったし。
僕にも味見させてくれてもいいでしょ?」
「はぁー?!俺をなんだとっ…」
言い返そうとおもったら、唇を塞がれてしまった。
何に、だって?
もちろん、嬉しくもない大親友の唇に……。
ーーー憐れな、かよわき小鳥たちーーー
ヒデトはゆっくりと立ちあがろうとしたが、まだふらふらするようで膝から崩れ落ちそうになり奈緒が慌てて支える事となった。
「くっ…不甲斐ありませんね…。」
ヒデトに肩を貸してどうにか支えようとする奈緒たちを木々の上から鳥たちが冷たい瞳で見下ろしている。
「ヒデト…」
帰り道はすぐそこだと言うのに、ヒデトを庇いながら歩いて逃げても絶対に足音の主からは追いつかれてしまう。
「綺麗な身体は大丈夫じゃったか?第3の者たち。」
その声の主は、見覚えのある大きな狼の背に乗って現れた。
そして後ろには、大親友の総が控えている。
咄嗟に、目の前が暗くなるほどに、やられたと思った。
博識で狡猾な総が、そう簡単に見逃すはずがなかったのだ。
「おうおう、大人しゅうしておれ。
パルスが効いて苦しかろ?」
「パルスだと…?」
「鳥のバディを持つものには、これがよう効きよる。飛んでいる時だと特になぁ。」
今のヒデトは、酷い乗り物酔いをしたかのように平衡感覚を失っていた。
何度も瞬きを繰り返しているけれど、目眩が全然止まらない。
まともに飛べるようになるまでにも、まだまだ時間を要するだろう。
「ヒデトを元に戻せっ!」
「もちろん、すぐに治してやろうとも」
老紳士が悪意を含むように口元に弧を描いた。
「お喋りを楽しみたいところだが、あまり時間がないからのう。また後でじっくりとなぁ。さぁ、皆の者、丁重にお連れしてあげろ」
号令と共に側にひっそりと潜んでいた黒服の男たちが周りを取り囲んできた。
そして、総が拘束具を片手に目の前までやってくる。
「ごめんね?奈緒。」
とても嬉しそうな笑みを顔に貼り付けて、手を伸ばしてくる。
「いやっ…」
咄嗟に振り払うも、黒服の集団の手が右からも左からも伸びてきて、奈緒とヒデトを引き剥がした。
「ヒデトっ」
「くっ…」
さすがのヒデトも人数差には勝てなかった。
平衡感覚が狂ってるせいで、翼も、武器さえも操る事ができない。
下手に武器を使うと奈緒を傷つけてしまう危険がある事をヒデトは分かっていた。
奈緒たちは、腕を後ろに組むように掴まれて身動きが取れなくなってしまう。
そして手首、上腕周りとベルトでガッチリと固定される。
「往生際が悪いよ?奈緒。」
その言葉に反射的にキッと総を睨みつけたが、逆効果のようだった。
まるで恋人を可愛がるかのように、総は奈緒の頬を愛撫して、顎を掴み持ち上げる。
その瞳の奥には、情欲の熱が垣間見える。
「ついでに、奈緒にこれ返してあげる。」
首をなぞると供に、久しぶりの肌触りと重みが首に、もたらされる。
「なっ?!」
「ふふっ、昔から思ってたけど奈緒は首輪が似合うよね。
僕が最初じゃないのは気に食わないけど、処理も終わったし。
僕にも味見させてくれてもいいでしょ?」
「はぁー?!俺をなんだとっ…」
言い返そうとおもったら、唇を塞がれてしまった。
何に、だって?
もちろん、嬉しくもない大親友の唇に……。
ーーー憐れな、かよわき小鳥たちーーー
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