無自覚フェロモン系男子篠灑君の学園性活

庚寅

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 成宮なるみやの呼吸が整ったのを確認して、再度ローションを右手に足し、篠灑しのせは成宮の胎内を再度拡げる様に四指を蠢かせた。
 成宮が、「ンアッ」と身体を揺らして顔に当てていた腕を退け、慌てて篠灑を驚いた顔で見る。

「しーちゃっ、もっもう良いから、お願いっもう挿れてッ」

 身体を捻って必死に胎内に埋め込まれた方の篠灑の腕を掴んで涙目のまま必死にお願いする成宮を見て、篠灑は「うーん」と悩む素振りを見せながら、再び指の埋め込まれた成宮の入口を見遣る。

 そこは既に多めに使われたローションでぐずぐずで、僅かに赤くなり襞が指の動きに合わせて引く攣いたり、捲れて中までてらっているのが見えている。

 力が全く入らないながらも必死に篠灑の腕を引き抜こうとしている成宮をそのままに、篠灑は思案するようにおもむろに、ぐぱっと音を立てながら埋め込んだ四指を開いて中を拡げた。
「ひっ」と胎内にいきなり触れた冷気に成宮が引き攣った声を漏らす。

「まあ、切れることは無さそうだけど…今挿れてもまだかなり苦しいと思うよ?」

 四指で拡げられたままの入口の縁を、人差し指で更に押し拡げる様にぐるりと中を撫で回しながら言う篠灑は僅かにだが不満そうだ。

「良いっ!苦しくても良いからっお願いしーちゃんっ!」

 切羽詰まった声で言ってくる成瀬に、篠灑はまた「分かった」と一言だけ応えて成宮の胎内からズルリと指を引き抜いた。

 その際の摩擦で感じてしまった成宮は、「ぁンッ」と小さく声を漏らして中をきゅうっと締めてしまった。
 中に埋められていたものと共に拡げられて入っていた空気が、締められた圧力に圧されて一気に外に出る際にブビュッと中のローションを押し出す卑猥な音を鳴らしてしまって、成宮は羞恥で頭がおかしくなってしまいそうだった。

 そんな成宮の頭をひと撫でした篠灑は、成宮がローションを取り出したベッド下の辺りを覗き込む。
 そこには紙袋が置かれていて、ローションが入っていたのだろうその中には避妊用のスキン─所謂コンドームが入っていた。
 箱を拾い上げて確認した所、サイズはL。
 篠灑はそれを見て、また「うーん」と唸りながらとりあえず開封していく。
 ゴムを取り出して自身に被せようとするも、予想通り全くサイズが合わない。

「成宮、これサイズ合わない」

 篠灑が被せようとしながらそう呟くと、成宮はその意味が分からず「え?」っと篠灑の顔を見て、その篠灑の目線を辿り視線を下げ…。

「!!!??」

 ヒュッと息を呑み、漸くその意味を悟った。
 篠灑の其れは自分が口で愛撫していた時の大きさの比では無く、長さも太さも傘の張り具合も想像すらした事の無い大きさだったからだ。
 篠灑に確認された時もここまでとは思わなかった。

 ごくり、と自然と喉が鳴ってしまう。

 その様子を見て、篠灑はまたか、と内心で溜息した。

(今までに迫って来た女の人達も、いざ挿れるってなったらみんな及び腰になるし、俺一回始めちゃったら治まるまで止めれ無いから、大体一回寝ると引いてっちゃうんだよなあ…事前申告してんのになあ…ハア…)

 篠灑は首の後ろに手を当てて首の付け根を擦りながら、篠灑の象徴を凝視して動かない成宮にきそうになる溜息をぐっと堪えて口を開く。
 責めたように聞こえないよう、なるだけ柔らかい声音で。

「あー、成宮、やっぱ止めとく?ゴムも入んないし、今ならまだ俺も治まりつくと思うし。流石に挿れちゃうと途中で止めてあげれないからさ」

 篠灑がそう言った途端、固まっていた成宮がハッと我に返って、首が取れるんじゃないかと思う勢いで横に振った。

「嫌だ!」

「いや、だってビビってたし。無理すんなよ。怖いだろ?」

「ちがっ!…や、確かに見たこと無いデカさでビビったけど、欲しい気持ちは変わってないから!」

(うーん、そこまでして欲しいんかなぁ…まあ成宮がそう言うなら良いのかなあ…)

 嫌だ嫌だと駄々を捏ねるように首を振り続ける成宮に、ゴムが無くても良いのかと尋ねれば、それでいいと力強く頷くものだから、篠灑もしょうがないかと成宮にまたうつ伏せになる様に促す。

 枕を抱えるように持たせて臀を上げさせ、中に直接ローションボトルから中身を押し入れて、自身の猛りにもローションを塗りたくると、成宮の臀穴の入口、襞に馴染ませるように擦り付ける。

 ニチュニチュと音をさせながら押し撫でると、中に早くと欲しがるように入口がチュパチュパと篠灑のモノに吸い付いてくる。

(あー、これちょっと気持ちーかも…成宮がビビったので若干萎えたけど、入れるのにはこれ位のが良かったかもな…)

 擦り付けに感じてか無意識に揺れている成宮の臀を両手で掴んで、左右に割開きながらゆっくりと腰を押し進める。
「ぅぐっ」と成宮がその圧迫感に僅かに呻いたが、枕に顔を埋めてなるべく力が入らないようにと耐えている様だ。

(初めてだし、大きさに慣れるまでゆっくりしてやんねーとなあ)

 細かい抜き差しを繰り返しつつ少しずつ押し進めて、一番太い雁までの所を入れ込むと、「ふっ」と短い息を吐いて指で解した所まではゆっくり、しかし一気に押し込める。
 と、亀頭部が成宮の中の膨らみ、前立腺を押し潰した。

「んあ!」

 途端それまで圧迫感に耐えていただけの成宮が甘い声を上げるので、篠灑もここまでの圧迫に慣れるまではと、そのしこりを重点的に突くように腰を揺する。

「ひあっあっ♡そこっ、アッ♡強っいぃっしーちゃあっ♡あぁんっ、きもちっ、の、つよっ♡ぅうンああっ♡」

 ぐりぐり、ゴリゴリ、と押す度にビクビクと身体を跳ねさせて喘ぐ成宮は、やっぱり色っぽい。
 もう成宮が圧迫感よりも強い快感に引き摺られているのは分かっていたが、篠灑は成宮が泣き出すまで前立腺への刺激を止めなかった。

 成宮がビクンッと震えて甘イキして、篠灑自身を中でぎゅうううと締め付けてきてやっと一度止まり、その余韻に力を抜いたタイミングでまた奥へと腰を進める。
 徐々に道程が狭くキツくなってきたので、また細かい抜き差しを繰り返しながら中を押し拡げつつ、成宮の負担が成るく無いようにと忍耐強く進めていた途中、前方から「しーちゃん!」と呼ばれた。

 いつの間にか額にびっしりと掻いていた汗を手の甲で拭いながら声の方に目を向けると、成宮が泣きながら手を伸ばしていた。

「しーちゃん、前がいいっお願い、ぎゅってして欲しい…」

「でも、多分この体勢のが成宮辛くないと思う…」

「それでも、前が、いい」

 180を超える長駆をふるふると震わせて、必死に篠灑に手を伸ばしてくる成宮に、篠灑はまた「分かった」と応えて埋め込んでいた自身を進んでいた中程まで戻し、成宮の腰を掴んでグルンっと仰向けになる様に回した。
 咄嗟に角度が変わって成宮はまた身体を仰け反らせ、「ひぃんっ」と悲鳴を上げてしまう。

 一方篠灑はというと、ふうーと一息吐いて成宮が抱き込んでいた枕を抜き取り、成宮の腰を浮かせてその下に敷き入れた。
 これでこの体勢でもまだマシだろうと顔を上げると、成宮がこちらを見て「酷いぃぃ」と唸っている。

 篠灑は「ごめんな」と素直に謝って、要望通り手を伸ばした成宮に被さるようにぎゅっと抱き締めてやる。
 そこで成宮がほっと息を吐いたのを感じて、やっぱり怖かったんだなと頭を撫でてやった。
 暫く気持ちよさそうに撫でられていた成宮が、「もう大丈夫」と言ったのを聞いて、篠灑は先程まで挿っていた所までを急ぎすぎない様に突き入れ、また細かく腰を揺すりながら進んだ。

 篠灑にぎゅうぎゅうとしがみ付く成宮の頭を撫で、脇や腹、胸をさすってやりながら奥の行き止まりまで辿り着くと、無理やりに動く事はせずにそのまま身体を摩ったり、成宮の陰茎を扱いたりしてやる。
 挿入時にすっかり萎んでしまっていた成宮の陰茎がまた緩く勃ちあがる頃には、成宮の身体の強ばりも篠灑にしがみ付いていた腕の力も緩んで、篠灑からの愛撫に溶けていた。

 成宮は特に乳首を指の腹で押し潰したり摩ったりしながらもう片方を舌で転がし潰して吸ってやると、あんあん啼きながら、篠灑にお強請りしてくる。
 男もココで感じるんだな、なんて考えながらも啼いて強請って腰を揺らしはじめた成宮も可愛いな、なんて思ってしまう自分に篠灑は僅かに驚いていた。

 自分から揺らしてくる位だからもう動いても大丈夫かと、篠灑は胸への愛撫を止めて上体を起こし、成宮のしっかりとした腰を鷲掴んで始めは緩々と、次第にストロークを長くする様に前後に動き始める。
 すると自然と傘の部分が前立腺を抉り、奥に埋め込むと精嚢を突くような形になり、成宮は始めてで強く感じてしまう自分に困惑しながら喘ぎ続けてしまう。

「ああっしーちゃ♡おれっ、初めてっ♡なのにぃい♡ハッ、あ!んあンンッきもちっ♡あっ♡キちゃっ、いっっ、イ、っクゥっっッッッ♡♡♡♡」

 ビュビュウッと勢いよく射精して自身の腹を白濁で汚した成宮は、ペニスに触らずに達してしまった自分に呆然としながらも、強い快感の余韻から醒めず涎を口から零したまま篠灑をぼーっと見上げた。

 篠灑はそんな成宮の頭を、イけて偉いねと言うように優しく撫でて、「ごめんね、」と一言告げ、再度腰を打ち付け始める。
 まだ一度も達していない篠灑は、今度は成宮の性感を高めるのでは無く、自身の性感を高めるために腰を振るった。
 バチュバチュグチュグチュと激しく突き入れ中を捏ね回し、グッグッと奥を揺すり続ける。

 もうそこからの成宮は喘ぐしか出来なくて、自分が何を言ってるのかも、どんな体位で突き入れられているのかも、何回吐き出して何回空イキしたのかも、篠灑が何度中出ししてどれだけの時間交わり続けていたのかも分からなかった。

 覚えているのは強すぎる快感と、汗を滴らせた今までで一番色っぽくて格好いい篠灑の姿と、息も止まりそうな程の強い刺激で何度も揺り起こされた事と、最後に意識が沈む前。
 篠灑が柔らかく口付けてくれたことだけ。

 目が覚めると窓の外は朝とは思えないほどの明るさで、規則正しく寝息を立てる篠灑の腕の中に抱き込まれていた。
 驚きの余り身動ぎしようとした瞬間に、身体の至る所が悲鳴を上げて、激痛に小さく呻きながら、暫く痛みに耐えてそっと篠灑の寝顔を見上げる。

 そこにはいつもの綺麗な顔をした安らかな寝顔。



(ああ、幸せだなあ)



 成宮はそのまま篠灑が起きるまでじっとその寝顔を見詰め続けた。






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