【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。

雪村 里帆

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PART3

桜庭くんと同窓会

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30代で開催される同窓会へは、生半可な武装では挑めない。

最後に美容クリニックへ行ったのは28歳の時。

私は当時の職場の2つ歳上の上司に片想いをしていた。宮野課長のように厳格でストイックな人で、仕事でミスなどをすると細かく指摘を受けて延々とお説教までされたものだ。
まあ、宮野課長の暴言に比べたら可愛いものだけど……。

その時、彼に女性として見てもらいたくて美容クリニックに数ヶ月に一度は通って、美肌にするための注射やメスを通さないリフトアップの機材を顔に照射してもらったりした。

でも、いくら外見を磨いても彼に振り向いてもらえる事はなく、私は一大決心をして告白なんてしてみたけれど、それは見事撃沈したのだ。

今となれば当たり前のように分かるけれど、外見だけを磨いても人はそれを良いとは思わないものだ。結局、男女関係なく人は自分にとって心地良く、都合が良い人を選ぶ。

そんな心境で、約3年ぶりに美容クリニックの敷居を跨いだ。

午後からは行きつけの美容室も予約したし、夕方にはデパートで服を選ばなくてはならない。

貴重な日曜は戦場へ行く為の入念な準備に費やされた。
いつ何時、どの方向から撃たれたとしても平気なくらいの防具が必要だ。
女のお洒落というものは、武装とも言えるであろう。

準備は万全。私は翌週の土曜日の決戦の日を迎える。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆



その日は久々に髪をゆるく巻いてハーフアップにし、ワンピースはシンプルなアイスブルー色、アクセサリーは大ぶりのピアスと腕時計のみ、といった気合いが入り過ぎない綺麗目の武装にしてみた。姿見を前に完全武装をした自分をまじまじと見る。我ながら、男が好きそうな服装を熟知していると思った。

桜庭くんに失礼のないように急いで準備をして、待ち合わせの10分前にはマンションの前の歩道で待とうとしたが、エントランスの自動ドアの向こう側に一台の見覚えのある車が停車していた。

歩道に出ると、運転席に乗っている桜庭くんが目を細めて微笑みながらこちらに手を振ってくれている。
助手席側の窓が降り、『乗って』と言われ、私は面接に来た求職者のように緊張して車内に乗り込んだ。


「ちょっと早く来ちゃってごめん。準備できた?」


「うん。全然大丈夫!桜庭くんの車、広いな~」


「そう?雪村さんの車も可愛いじゃん。ウサギのマークついてて」


「あれは20代の時に選んだから……今だったらもう少しシンプルなのを選ぶなぁ~」


「へえ。車は買って何年くらいになるの?」


「んー、7年くらいかな?それまではペーパードライバーだったんだけど、せっかく免許持ってるし、好きな時に運転してみたいなって思って。今となっては維持費がかかるからちょっと後悔してる」


「あはは。言えてる。車ってほぼ見栄だよね」


「宮野さんとか?あの若さで高級車乗り回してる」


「そうだね、ステータスなんだろうね。
……なんか雪村さんと車の話するの、不思議な感じ」


右ウインカーを上げて車を右車線に移動させただけなのに、彼のひとつひとつの仕草がカッコ良すぎた。


「そう?でも、それもそっか。私達、最後に会ったのって15歳くらいだもんね。そりゃあ、不思議よね」


「うん、こうして雪村さんを車に乗せて、地元に帰るのも変な感じ。
俺、今、自分から誘っておいて何か緊張してるんだよね」


「え!どうして?私の方がむしろ緊張してるんですけど」


「いや、だって……雪村さんいつもスーツ姿なのに、今日すごい可愛いし。いつも可愛いと思うけど」


今、私を可愛いと言った……!?空耳か?
いや、でも確かに可愛いって2回連続で言われたような……ええ!? 

久しく可愛いなんて言われ、聞き馴染みのない単語に対してしばらく思考停止をしてしまった。

すると、赤信号に差し掛かり、百面相する私の顔を桜庭くんはじっと見つめてきた。

車内で2人きりの状況でそんなに見つめられると、あらゆる事を期待してしまうではないか。

数秒の沈黙の中、視線が絡まって身動きひとつ出来ない。

そんな私を助けるように信号は青に変わって、桜庭くんはハッとして車を発車させた。


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