神使キツネの魂結び~死んじゃって生き返った私、お狐お兄さんに完璧お世話されちゃってていいんですか!?~

山口じゅり(感想募集中)

文字の大きさ
20 / 28

第二十話 お買い物♪お買い物♪♪

しおりを挟む

戻ってきた銀乃は手ぶらだった。

「あれ、荷物どうしたの?」

「宅配でおうちにおくっちゃった。荷物多いし、邪魔なんだもん」

買い物の荷物を、宅配で送るやつを始めてみた…と私は思った。大学生というものはリッチな私学生とかじゃなければ、基本的に軒並み貧乏と相場が決まっていると思っていたが、銀乃は……そうだよね、仮にも神様に使えている狐だし、それに、なんか初日に私に札束持ってきていたもんね……。

「ね、さあや、僕、四階みたいな。雑貨屋さんでマフラーをみたいし、フランフランで日用品がほしい」

そんなわけで、一目散にフランフランに降り立った銀乃は、ちゃっちゃかと日用品をかごにいれていく。

「ん、ん~♪」

「あの、それ」

「僕が使うからね。買っていいでしょ?ちなみに君はどの箸がいいかなぁ?僕はかわいいのが好きなんだけど」

「でも」

はぁ、と銀乃は大きなため息をついた。

「あのね。きみんち不便なんだ。いいでしょ?だって菜箸もピーラーもないなんて、お料理当番の僕なかせだよ。あと、お茶碗がなさすぎるよ。白い大きい皿と小さい白い皿が3枚しかないんだよ…。せめて白米を盛るご飯茶碗は買おう?お箸はぼろぼろのが2ぜんだしさ。あと僕はかわいい調理器具がほしいんだよね、料理中テンションがあがるからさ。かわいいの、いいよね」

ウインクして言った銀乃は、どれにしようと選んでいた調理器具から、ニコニコマークがくりぬかれたフライ返しを手に取ると、自分の顔の横に掲げて、ニッと笑って見せる。私は、思わず吹き出してしまった。

「ねぇ君はさ、この取っ手の赤いのと、にこちゃんマークがくりぬかれてる奴と、どっちがいいと思う?あとさ、僕は紅茶を淹れたいから、もっと大容量のティーポットがほしいんだけど、みてみて、こんなにたくさんあるから迷っちゃうの!どれがいいと思う?」

銀乃は矢継ぎ早に私に選ばせようとする、それはとても嬉しそうで楽しそうで、私はいったんお金のことを考えるのはやめた。

銀乃がこんなに楽しそうだからいいじゃない。ティーポットを買ってもらうのは申し訳ないけど、それなら、神の使いが紅茶飲めるかわからないけど、私が銀乃に紅茶を入れてあげればいい。

私は銀乃と一緒にあれやこれやと選びながら、そう思った。そうして、銀乃が向こうのお皿を見に行ったすきに、フランフランの紅茶の、小さなセットを、見つからないよう反対側のレジでこっそりお会計した。銀乃がみたら、なんとなく、僕が払うよと持っていかれてしまう気がしたからだ。

そうして私は、お会計した小さなアップル紅茶のティーパックを、自分のカバンの中にしまったのだった。


◇◇◇


「わーいたくさんかっちゃったー」

お会計を終えた銀乃は、満足そうに戻ってきた。やはり手ぶらだった。

「宅配?」

「うん、明日届くよ。次は手袋とマフラーがほしいな」

銀乃に付き添って、二人で雑貨のテナントに入る。キラキラしたアクセサリーやヘアゴム、カバンが置かれ、秋口らしく色とりどりのマフラーと手袋のコーナーも一角に設けられていた。

「僕には紺色が似合うんだっけ?」

と言いながら、銀乃はコンのチェックのマフラーを手に取って、首にあてる。

「どう?」

「わ、似合う」

銀乃は嬉しそうに笑った。

「他はどんなのがいいと思う?」

私はふわふわした茶色のチェックのマフラーを手に取った。

「さっき買ったコートがグレーでしょ?じゃあ、こういう茶色も似合いそう」

「へー、どう?似合う?」

「似合う」

「これ、さあやにも似合いそうだよね」

銀乃はそういって、私の首元にマフラーを当てた。

「やっぱり似合う!」

銀乃は嬉しそうに笑って、二つのマフラーを手に持った。

「2つマフラーかうの?」

「うん、どっちもかわいいし、いっぱいあって損はないから。あ、かわいい、」

銀乃の興味が、マフラーを選び終わったとたん、雑貨屋さんに並ぶアクセサリーに移った。そこにはいくつもの動物モチーフのブローチがおいてあり、その中に銀色と金色の狐がいた。

「きつねだ、かわいいね」

私が言うと

「そうです、狐はかわいいのです」

銀乃は得意満面で言った。

「銀色の丸まってる狐さんのほう、なんだか銀乃みたい」

「かわいい?」

「かわいい」

私の言葉に、銀乃は銀のブローチを手に取った。目をつぶった狐が、尻尾に顔をうずめこんで、眠っているブローチだった。

「かっちゃお」

「いいんじゃない?」

「金のほうもかっちゃお」

「銀乃、お金持ちだねぇ」

感心した私に、銀乃は当たり前だという顔つきをした。

「まぁ、お金をもたらすお稲荷様の使いが、お金を持ってなかったらかっこつかないじゃないか」

「そうなの?」

「そうだよ」

そう言って、銀乃はうふふと笑った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

世界最強の七賢者がお世話係の俺にだけはデレデレすぎる件

Y.
ファンタジー
国の頂点に君臨し、神にも等しい力を持つ『七賢者』。 火・水・風・土・光・闇・氷の属性を極めた彼女たちは、畏怖の対象として国民から崇められていた。 ――だが、その「聖域」の扉を一枚隔てた先では、とんでもない光景が広がっていた。 「アルトぉ、この服脱がせてー。熱いから魔法で燃やしちゃった」 「……アルトが隣にいないと、私、一生布団から出ないから」 「いいじゃない、減るもんじゃないし。さあ、私と混ざり合いましょう?」 彼女たちの正体は、私生活が壊滅的にポンコツで、特定の一人に依存しきったデレデレな美少女たちだった! 魔法の才能ゼロの雑用係・アルトは、世界で唯一「彼女たちの暴走魔力に耐えられる」という理由で、24時間体制の身の回りのお世話をすることに。 着替え、食事の介助、添い寝(!?)まで……。 世界最強の7人に取り合われ、振り回され、いじり倒される。 胃袋と心根をガッチリ掴んだお世話係と、愛が重すぎる最強ヒロインたちによる、至福の異世界ハーレムラブコメ、開幕!

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

処理中です...