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7 えんそうかい
2-④
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奏人は奏大の話を聞きながら、いずれにしても家族と離れる日が来るのだなと、妙に冷静に考えた。相手を嫌いであっても、こういうことを想像するのは気持ちのいいものではないが、敢えて順番を言うならば祖母が、次に父が死ぬだろう。自分と家族を分かつのは死だけではない。高校までは帯広にいたとしても、奏大と同様、大学生になれば家を出なくてはいけない。まず物理的に実家から離れることになる。
「‥‥‥奏人くんはまだ両親に甘えたいかな、ちょっと嫌な話だったね」
奏大が言うので、奏人は黙って首を振る。自分でも悲しいくらい、家族との関係を考えることに冷静だった。ふと奏人は疑問になり、口を開いた。
「奏大さんはお父さんとお母さんともう‥‥‥一緒に暮らしたりしないの? 寂しくない?」
奏大はそうだね、とちらりと笑った。
「留学が決まってしまえば、もう帰国しても実家で暮らすことは無いと思うな‥‥‥だからさ、たとえば一緒に暮らすパートナーを探すんじゃない?」
「あ、そっか‥‥‥新しい家族をつくるんだね」
奏大は新しい家族を一緒につくりたいと思う相手がいるのだろうか? ふと伯母の、留学中に出会ったイギリス人の男性の話を思い出した。一番好きだったけれど、今は家族じゃない。でも、父と母とは違い、伯母は伯父と仲良しだと思う。ちょっと奏大に話したいけれど、伯母の秘密かもしれないので、やめておく。
「奏大さんは好きな人とかいるの?」
「ふふふ、新しい家族を作る相手って意味?」
「うんまあ、そういう意味‥‥‥」
奏人がかなり思いきって質問したのに、奏大は明らかにからかいを顔に浮かべていた。
「僕は奏人くんみたいな人が好きだよ、きれいな顔の内側に何か物騒なものが隠れてるみたいな人って魅力的だから」
奏人は複雑な気分になった。顔に出てしまったので、奏大がごめん、と謝る。
「けなしてないんだ、何て言ったらいいのかなぁ」
「‥‥‥こないだ伯母さんが僕のことを肉食獣の子どもって言ったよ、そんな感じ?」
奏大はおおっ、と目を丸くした。
「涼子さんセンスあるな、わかる‥‥‥いやでもライオンとか虎の子どもは可愛いから僕好きだよ?」
「すごく微妙なんだけど」
「‥‥‥奏人くんはまだ両親に甘えたいかな、ちょっと嫌な話だったね」
奏大が言うので、奏人は黙って首を振る。自分でも悲しいくらい、家族との関係を考えることに冷静だった。ふと奏人は疑問になり、口を開いた。
「奏大さんはお父さんとお母さんともう‥‥‥一緒に暮らしたりしないの? 寂しくない?」
奏大はそうだね、とちらりと笑った。
「留学が決まってしまえば、もう帰国しても実家で暮らすことは無いと思うな‥‥‥だからさ、たとえば一緒に暮らすパートナーを探すんじゃない?」
「あ、そっか‥‥‥新しい家族をつくるんだね」
奏大は新しい家族を一緒につくりたいと思う相手がいるのだろうか? ふと伯母の、留学中に出会ったイギリス人の男性の話を思い出した。一番好きだったけれど、今は家族じゃない。でも、父と母とは違い、伯母は伯父と仲良しだと思う。ちょっと奏大に話したいけれど、伯母の秘密かもしれないので、やめておく。
「奏大さんは好きな人とかいるの?」
「ふふふ、新しい家族を作る相手って意味?」
「うんまあ、そういう意味‥‥‥」
奏人がかなり思いきって質問したのに、奏大は明らかにからかいを顔に浮かべていた。
「僕は奏人くんみたいな人が好きだよ、きれいな顔の内側に何か物騒なものが隠れてるみたいな人って魅力的だから」
奏人は複雑な気分になった。顔に出てしまったので、奏大がごめん、と謝る。
「けなしてないんだ、何て言ったらいいのかなぁ」
「‥‥‥こないだ伯母さんが僕のことを肉食獣の子どもって言ったよ、そんな感じ?」
奏大はおおっ、と目を丸くした。
「涼子さんセンスあるな、わかる‥‥‥いやでもライオンとか虎の子どもは可愛いから僕好きだよ?」
「すごく微妙なんだけど」
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