最強のゲームマスターが異世界転生？! ～TRPGの世界でも無敵夢想!～

第八話 影の盟約の拠点と最初の敗北

「…これが、『影の盟約』の拠点か…」

 

黒猫は、巨大な廃ビルを指さしながら、静かに言った。ビルは、まるで巨大な怪物のように、闇夜にそびえ立っていた。その姿は、不気味で、威圧感に満ち溢れていた。

 

「…相当な規模だな…」

 

一条は、ビルの大きさに圧倒された。彼は、ゲームマスターとしての経験から、このビルの内部に、数多くの罠や、危険が潜んでいることを想像できた。

 

「…油断は禁物だ。気を引き締めろ」

 

黒猫は、そう言って、一条とリリィに、警戒を促した。

 

彼らは、慎重にビルの内部へと侵入した。ビルの中は、迷路のように複雑な構造をしていた。薄暗く、湿った廊下、崩れかけた壁、そして、いたるところに、不気味な落書きがされていた。

 

彼らは、黒猫の案内で、ビルの奥へと進んでいった。途中、数々の罠や、魔物と遭遇した。しかし、彼らは、それぞれの呪力を駆使し、それらを乗り越えていった。

 

しかし、ビルの最深部で、彼らは、予想外の敵と遭遇した。それは、『影の盟約』の幹部、そして、強力な呪力を持つ存在だった。

 

「…お前たちが、『影の盟約』の儀式を妨害したな」

 

幹部は、冷酷な笑みを浮かべながら、そう言った。彼の目は、鋭く光り、恐ろしい威圧感があった。

 

「…私たちは、この街の平和を守るために戦っている」

 

一条は、力強く答えた。彼は、ゲームマスターとしての経験と、現実化した呪力、そして、新たな仲間たちと共に、『影の盟約』に立ち向かうことを決意していた。

 

戦闘が始まった。幹部は、圧倒的な呪力と、戦闘能力を持っていた。彼の呪力は、これまで遭遇したどの魔物よりも強力で、危険なものだった。

 

一条とリリィは、必死に抵抗したが、幹部の力の前には、歯が立たなかった。彼らは、何度も攻撃を受け、何度も倒れそうになった。

 

そして、ついに、彼らは敗北した。

 

「…くそっ…」

 

一条は、地面に倒れ込み、悔しさを噛み締めた。彼は、ゲームマスターとしての経験と、現実化した呪力、そして、新たな仲間たちと共に、『影の盟約』に立ち向かうことを決意していた。しかし、その決意は、簡単に砕かれた。

 

「…まだ…諦めない…」

 

リリィは、彼の隣で、必死に立ち上がろうとしていた。彼女の目は、強い意志に満ち溢れていた。

 

「…大丈夫だ。まだ、終わりじゃない」

 

黒猫は、そう言って、一条とリリィを励ました。彼は、彼らの敗北を、単なる挫折と捉えていた。