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狂王の塔探索 パート5
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2階へと至る階段を登るダン一行。
緩やかな螺旋階段を登ると目の前に真っすぐな廊下が見えた。
廊下の先は見える限りは突き当りまで伸びており、その左右には等間隔に扉が据え付けられている。その扉が付けられた壁もある程度進んだ先には左右に消える通路が見えた。
「なんか分かりやすい造りね?」
「ダンさんの情報では護衛の居住階との事でしたから、住みやすくしているのでは?」
キョーコが1階の構造よりも単純に見える通路に拍子抜けした様な顔をしている。
ウェンディも整然とした造りの通路を見て、宿屋の中を連想していた。
だがダンは両腕を広げたり、片手を天井へと向けたりしながら何かを確認するように動く。
「いや~、これはわざとそういう造りに見せかけてますね」
「「え?」」
「だろうなぁ。近づいてみないと分かんないけど、たぶん通路も微妙に角度が違う気がするよ」
ダンとファーニが気を引き締めていると、通路にある左右扉が同時に開く。中から現れたのは全身鎧を着こんだ骨ばった表情を見せる騎士達の姿。アンデッドナイトだ。揃いの丸盾を構えて腰から長剣を抜くと、通路に2列の隊列を組んだ。
通路は剣を振るうぐらいの余裕はあるが、その左右をすり抜けられるほどの隙間は無い。
完全に通路を塞ぐ形でアンデッドナイトの壁が出来上がっていた。
「ふむ、こちらも2列で行くしかありませんね。誰が行きますか?」
「あたしが「ウチが」行く!」
ダンが確認するように聞くと、宣言と同時にファーニとマロンが先頭に並んで立った。ウェンディが杖を握りしめて呆気に取られていると、ファーニとマロンの後ろにライとリンがサッと着いた。2人とも手には槍を持っている。
『『オオオオオオオ!』』
「「りゃあああああ!」」
先頭に居たアンデッドナイトが盾を構えながら剣を突き出してくると、ファーニは双剣を抜いて迎え撃ち、マロンは戦槌と小盾を持って相手の動きを見据えた。
双剣と剣がぶつかり合いそれぞれが弾かれると、アンデッドナイトの盾とファーニの前蹴りが衝突をする。
「なめん、なぁ!」
ドワーフ特有の重心の低さと力強さを発揮して、アンデッドナイトの盾が後ろへと飛ばされる。
体勢が崩されながらもアンデッドナイトが剣を前へと突き出すと、ファーニが蹴りの勢いそのままに前へと倒れてその剣を躱すと自身の双剣をアンデッドナイトの腕へと振るった。肘の関節部を狙ったその一撃は、見事アンデッドナイトの腕を切り飛ばすことに成功する。
一方マロンは小盾の角度を巧みに調整しアンデッドナイトの剣を受け流すと、その剣を持った手首目掛けて戦槌を振るった。
だがアンデッドナイトは剣を受け流された勢いを利用し体を回転、逆にマロンへと持った盾で盾攻撃を敢行する。
戦槌を振るった勢いが殺せないと判断したマロンは、迫る相手の盾と自分の体の間に小盾を差し込んで自身は軽く飛び上がると、相手の盾に押されるがままに弾き飛ばされた。踏ん張ることなく飛ばされることによりマロンのダメージは軽い。
そこにリンが槍を突きいれる。
狙いはアンデッドナイトの顔面。
アンデッドナイトの両腕は自分自身の攻撃によって開かれており、防御が間に合う事もなく槍が頭を貫通した。
「フォローありがと!」
「どういたしまして」
そんな一連の攻撃を見ていたダンがポツリと感想を述べる。
「随分、武芸が達者な人達ですね。あ、今はアンデッドでしたか」
「? 王様の護衛なんだから、強いのは当たり前じゃないの?」
ダンの感想に、列の最後尾にてサニーの隣に居たポーラがそう言った。
ポーラの、というか一般的な村人の想像する王様となれば、豪華な衣装に豊かな食事。さらにいつでもその身を守るように騎士に囲まれている。そんなイメージがあるのだ。
「あ~、分からなかったですよね。僕が言ったのは、今の人達と比べてって意味です」
「??」
尚更わからないという表情をするポーラ。
「実力がですね? 今ここに居る人達の方が、現在城に居る近衛よりも強い。ってこと」
「??? このアンデッドの人達って、昔の人なんですよね? なのに強いの?」
「僕の目にはそう見えますね。――ライさん、リンさん! 盾を構えて左右通路を警戒しておいてください!」
話をしながらも戦闘して前進していくメンバーが、左右に通路が見える辺りに差し掛かろうとする時にダンから指示がいく。
それに反応して盾を構えたライとリンが、ファーニとマロンの後ろからついていくように十字路へと差し掛かった。
始め左右の通路の全景が見えてくるとそこに何も居ないことに、『警戒しすぎたんじゃ?』と思っていたライとリンだったが、それでも念のため警戒していると突然、片膝をついてこちらをボウガンで狙っているアンデッドナイトが見えた。
「「! アーツ・シールドガード!」」
焦りつつも『闘気を纏わせた盾で防御する』というアーツを発動させる。
ガンッ! という音と共に腕に伝わる衝撃。
コン! と床に落ちるボウガンの矢を見て、もしかしたら闘気で覆っていなければ盾が凹むか、最悪矢が貫通したかもしれないぐらいの攻撃であったと実感する。
「なんで? さっきまで何も居なかったはずなのに!」
リンは盾の上から通路を覗き込んでいる。そこにはボウガンを捨て、剣を抜くアンデッドナイトが居た。
「微妙に手前向きに角度が付いてたんですよ、この通路。それとたぶんですが1人くらい隠れるスペースが有って、そこに伏兵を配置していたんでしょうね」
通過した部屋中の安全確認をしながら、ダンが自身の予想を伝える。
実際には隠れるスペースとして左右の通路と隣接する部屋の壁の間に余分な空間があり、通路の壁に模したスライド扉からアンデッドナイトが出現する仕掛けがあった。
『ナカナカ、チエノアル、ヌスット、ヨ』
そんなダンに掛かる声。
そちらを見ると、他のアンデッドナイトよりも一つ上のグレードの剣と、紋章を刻まれた盾を持つアンデッドナイトが居た。塔の門に居たスケルトンの持っていた装備に酷似している。
「知性あるアンデッド。アンデッド化して、更に魔族化。ですか?」
ダンの問いかけに答えるアンデッドナイト。
『ココハ、オウノトウ。シシテ、ツミヲツグナウガイイ!』
「あ、違うか。ソレしか記憶が残ってないパターンだコレ」
2体のアンデッドナイトを引き連れながら前方から迫る上位アンデッドナイト。
更にまだ隠れていたのか左右の通路からもアンデッドナイトが迫ってきた。
十字路での戦いが始まった。
緩やかな螺旋階段を登ると目の前に真っすぐな廊下が見えた。
廊下の先は見える限りは突き当りまで伸びており、その左右には等間隔に扉が据え付けられている。その扉が付けられた壁もある程度進んだ先には左右に消える通路が見えた。
「なんか分かりやすい造りね?」
「ダンさんの情報では護衛の居住階との事でしたから、住みやすくしているのでは?」
キョーコが1階の構造よりも単純に見える通路に拍子抜けした様な顔をしている。
ウェンディも整然とした造りの通路を見て、宿屋の中を連想していた。
だがダンは両腕を広げたり、片手を天井へと向けたりしながら何かを確認するように動く。
「いや~、これはわざとそういう造りに見せかけてますね」
「「え?」」
「だろうなぁ。近づいてみないと分かんないけど、たぶん通路も微妙に角度が違う気がするよ」
ダンとファーニが気を引き締めていると、通路にある左右扉が同時に開く。中から現れたのは全身鎧を着こんだ骨ばった表情を見せる騎士達の姿。アンデッドナイトだ。揃いの丸盾を構えて腰から長剣を抜くと、通路に2列の隊列を組んだ。
通路は剣を振るうぐらいの余裕はあるが、その左右をすり抜けられるほどの隙間は無い。
完全に通路を塞ぐ形でアンデッドナイトの壁が出来上がっていた。
「ふむ、こちらも2列で行くしかありませんね。誰が行きますか?」
「あたしが「ウチが」行く!」
ダンが確認するように聞くと、宣言と同時にファーニとマロンが先頭に並んで立った。ウェンディが杖を握りしめて呆気に取られていると、ファーニとマロンの後ろにライとリンがサッと着いた。2人とも手には槍を持っている。
『『オオオオオオオ!』』
「「りゃあああああ!」」
先頭に居たアンデッドナイトが盾を構えながら剣を突き出してくると、ファーニは双剣を抜いて迎え撃ち、マロンは戦槌と小盾を持って相手の動きを見据えた。
双剣と剣がぶつかり合いそれぞれが弾かれると、アンデッドナイトの盾とファーニの前蹴りが衝突をする。
「なめん、なぁ!」
ドワーフ特有の重心の低さと力強さを発揮して、アンデッドナイトの盾が後ろへと飛ばされる。
体勢が崩されながらもアンデッドナイトが剣を前へと突き出すと、ファーニが蹴りの勢いそのままに前へと倒れてその剣を躱すと自身の双剣をアンデッドナイトの腕へと振るった。肘の関節部を狙ったその一撃は、見事アンデッドナイトの腕を切り飛ばすことに成功する。
一方マロンは小盾の角度を巧みに調整しアンデッドナイトの剣を受け流すと、その剣を持った手首目掛けて戦槌を振るった。
だがアンデッドナイトは剣を受け流された勢いを利用し体を回転、逆にマロンへと持った盾で盾攻撃を敢行する。
戦槌を振るった勢いが殺せないと判断したマロンは、迫る相手の盾と自分の体の間に小盾を差し込んで自身は軽く飛び上がると、相手の盾に押されるがままに弾き飛ばされた。踏ん張ることなく飛ばされることによりマロンのダメージは軽い。
そこにリンが槍を突きいれる。
狙いはアンデッドナイトの顔面。
アンデッドナイトの両腕は自分自身の攻撃によって開かれており、防御が間に合う事もなく槍が頭を貫通した。
「フォローありがと!」
「どういたしまして」
そんな一連の攻撃を見ていたダンがポツリと感想を述べる。
「随分、武芸が達者な人達ですね。あ、今はアンデッドでしたか」
「? 王様の護衛なんだから、強いのは当たり前じゃないの?」
ダンの感想に、列の最後尾にてサニーの隣に居たポーラがそう言った。
ポーラの、というか一般的な村人の想像する王様となれば、豪華な衣装に豊かな食事。さらにいつでもその身を守るように騎士に囲まれている。そんなイメージがあるのだ。
「あ~、分からなかったですよね。僕が言ったのは、今の人達と比べてって意味です」
「??」
尚更わからないという表情をするポーラ。
「実力がですね? 今ここに居る人達の方が、現在城に居る近衛よりも強い。ってこと」
「??? このアンデッドの人達って、昔の人なんですよね? なのに強いの?」
「僕の目にはそう見えますね。――ライさん、リンさん! 盾を構えて左右通路を警戒しておいてください!」
話をしながらも戦闘して前進していくメンバーが、左右に通路が見える辺りに差し掛かろうとする時にダンから指示がいく。
それに反応して盾を構えたライとリンが、ファーニとマロンの後ろからついていくように十字路へと差し掛かった。
始め左右の通路の全景が見えてくるとそこに何も居ないことに、『警戒しすぎたんじゃ?』と思っていたライとリンだったが、それでも念のため警戒していると突然、片膝をついてこちらをボウガンで狙っているアンデッドナイトが見えた。
「「! アーツ・シールドガード!」」
焦りつつも『闘気を纏わせた盾で防御する』というアーツを発動させる。
ガンッ! という音と共に腕に伝わる衝撃。
コン! と床に落ちるボウガンの矢を見て、もしかしたら闘気で覆っていなければ盾が凹むか、最悪矢が貫通したかもしれないぐらいの攻撃であったと実感する。
「なんで? さっきまで何も居なかったはずなのに!」
リンは盾の上から通路を覗き込んでいる。そこにはボウガンを捨て、剣を抜くアンデッドナイトが居た。
「微妙に手前向きに角度が付いてたんですよ、この通路。それとたぶんですが1人くらい隠れるスペースが有って、そこに伏兵を配置していたんでしょうね」
通過した部屋中の安全確認をしながら、ダンが自身の予想を伝える。
実際には隠れるスペースとして左右の通路と隣接する部屋の壁の間に余分な空間があり、通路の壁に模したスライド扉からアンデッドナイトが出現する仕掛けがあった。
『ナカナカ、チエノアル、ヌスット、ヨ』
そんなダンに掛かる声。
そちらを見ると、他のアンデッドナイトよりも一つ上のグレードの剣と、紋章を刻まれた盾を持つアンデッドナイトが居た。塔の門に居たスケルトンの持っていた装備に酷似している。
「知性あるアンデッド。アンデッド化して、更に魔族化。ですか?」
ダンの問いかけに答えるアンデッドナイト。
『ココハ、オウノトウ。シシテ、ツミヲツグナウガイイ!』
「あ、違うか。ソレしか記憶が残ってないパターンだコレ」
2体のアンデッドナイトを引き連れながら前方から迫る上位アンデッドナイト。
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十字路での戦いが始まった。
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