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第1章 until you die
第19話 コッカイキジドー
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「お、おいおいマジかよ……」
フラムは足がすくんでいた。
それもそのはず、私達が今対峙している神は規格外のサイズをしている。外界の獣が大きくても7メートルほどのサイズなのに対し、目の前にいる神は20、30メートルほどあろうかという巨体。
「どうしたらいいんだこんなの……」
私はハルバードに変形したパンドラボックスを握り立ち尽くす。この真夜中、見上げるだけでも精一杯な巨神と月明かりだけを頼りに戦わなければならない。
「お前ら、この上界で、半上位人風情が、生きられると、思うなよ!」
数時間前
私とフラムがコッカイギジドー前の駅に着いた時には、空は既にオレンジと紺色が共存していた。
「ようやく着いたな、コッカイギジドー」
「あぁ、ここの地下13階に下界への転移門が……」
フラムは常にレーヴァテインを装着し、私もパンドラボックスを振っていつでも戦闘が出来るよう準備する。
振るって出てきた武器は、斧、槍、槌の機能を併せ持ち、長い柄を生かした重い攻撃やそのリーチの強さが光るハルバードだった。
「行こうフラム」
ハルバードを担いで、私達は遠くに見える一際豪華な建物へ向かう。
ザザザ―――
豪華な建物への道にある街頭、そこにはスピーカーも付属していて、そのスピーカーから何かの放送が始まった。
「あーあー、そこの半上位人2名、コッカイギジドーに進むのならガッツリ殺しにかかりますけどよろしいでしょうか?」
私たちはそんな放送を無視しながら道を歩いていく。
「沈黙は肯定ってことで、殺しに行きますね」
そう言われた直後、建物からこちらに向かってくる何かがあった。
ズドン――!
向かってきた何かは私たちの目の前に落ちてきて土煙を上げる。
「下界のヤツらはお前らか! さっさと死んでくれや!」
土煙の中から筋骨隆々の男が現れた。男は金属の半身だけでポーズをとり、変な動きで私たちの前に立つ。
「スノウ、俺無理したくないから任せていいか?」
デンシャで受けた背中の傷が響くのだろう。
「わかった」
私はハルバードを構えて神を見る。
「お前から先に潰してやる!」
神の顔から赤い筋が走り、やがてその筋は闘牛のような顔を描いた。顔が変化すると共に、金属の足がミチミチと音を立てて肥大化する。
「悪いが一瞬で終わらせてもらう」
おそらく神は突進を狙っている。大きく肥大化させ筋力を集中させたあの足から、一体どんな速度で突進が来るか分からない。しかし、出る杭は打つ。
「『フロストバイトダウン』」
握った柄から徐々に冷気を纏わせ、刃や槍の穂先にかけて淡く薄い氷を張る。神がこの氷に触れた時、ハルバードの先で付けた裂傷痕から体内に一気に冷気が走り、血液を瞬時に凝固させて酸素の循環を阻害する。まさに冷気の毒。
「ゆくぞ半上位人!」
神は宣言する。
瞬きをすると、抉れた地面と目の前まで迫る神が見えた。
神を視認した瞬間にハルバードを神の頭に叩きつけ、かち割る。白目を向いて地面に落ちた神の背を3度突き刺し、ハルバードを大きく振りかぶって神の脇腹に槌をめり込ませる。
ドゴオォォン!!――
神が突進する際に生じた音が今聞こえた。
フラムは足がすくんでいた。
それもそのはず、私達が今対峙している神は規格外のサイズをしている。外界の獣が大きくても7メートルほどのサイズなのに対し、目の前にいる神は20、30メートルほどあろうかという巨体。
「どうしたらいいんだこんなの……」
私はハルバードに変形したパンドラボックスを握り立ち尽くす。この真夜中、見上げるだけでも精一杯な巨神と月明かりだけを頼りに戦わなければならない。
「お前ら、この上界で、半上位人風情が、生きられると、思うなよ!」
数時間前
私とフラムがコッカイギジドー前の駅に着いた時には、空は既にオレンジと紺色が共存していた。
「ようやく着いたな、コッカイギジドー」
「あぁ、ここの地下13階に下界への転移門が……」
フラムは常にレーヴァテインを装着し、私もパンドラボックスを振っていつでも戦闘が出来るよう準備する。
振るって出てきた武器は、斧、槍、槌の機能を併せ持ち、長い柄を生かした重い攻撃やそのリーチの強さが光るハルバードだった。
「行こうフラム」
ハルバードを担いで、私達は遠くに見える一際豪華な建物へ向かう。
ザザザ―――
豪華な建物への道にある街頭、そこにはスピーカーも付属していて、そのスピーカーから何かの放送が始まった。
「あーあー、そこの半上位人2名、コッカイギジドーに進むのならガッツリ殺しにかかりますけどよろしいでしょうか?」
私たちはそんな放送を無視しながら道を歩いていく。
「沈黙は肯定ってことで、殺しに行きますね」
そう言われた直後、建物からこちらに向かってくる何かがあった。
ズドン――!
向かってきた何かは私たちの目の前に落ちてきて土煙を上げる。
「下界のヤツらはお前らか! さっさと死んでくれや!」
土煙の中から筋骨隆々の男が現れた。男は金属の半身だけでポーズをとり、変な動きで私たちの前に立つ。
「スノウ、俺無理したくないから任せていいか?」
デンシャで受けた背中の傷が響くのだろう。
「わかった」
私はハルバードを構えて神を見る。
「お前から先に潰してやる!」
神の顔から赤い筋が走り、やがてその筋は闘牛のような顔を描いた。顔が変化すると共に、金属の足がミチミチと音を立てて肥大化する。
「悪いが一瞬で終わらせてもらう」
おそらく神は突進を狙っている。大きく肥大化させ筋力を集中させたあの足から、一体どんな速度で突進が来るか分からない。しかし、出る杭は打つ。
「『フロストバイトダウン』」
握った柄から徐々に冷気を纏わせ、刃や槍の穂先にかけて淡く薄い氷を張る。神がこの氷に触れた時、ハルバードの先で付けた裂傷痕から体内に一気に冷気が走り、血液を瞬時に凝固させて酸素の循環を阻害する。まさに冷気の毒。
「ゆくぞ半上位人!」
神は宣言する。
瞬きをすると、抉れた地面と目の前まで迫る神が見えた。
神を視認した瞬間にハルバードを神の頭に叩きつけ、かち割る。白目を向いて地面に落ちた神の背を3度突き刺し、ハルバードを大きく振りかぶって神の脇腹に槌をめり込ませる。
ドゴオォォン!!――
神が突進する際に生じた音が今聞こえた。
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