【完結】フェンリルと勇者と魔王と王子

turarin

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戸惑い1

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変な男達の中から、妙に綺麗な男が近付いてくる。あまりに綺麗で胡散臭い。

「勇者様、我が王の命で何度も召喚を繰り返しておりました。筆頭魔法使いのウィルバートと申します。ところで、そちらにお持ちなのはひょっとして聖剣エクスカリバーでございましょうか?」

「は?別に何も持ってないし…」

持っていた!右手にジェダ◯が持ってるような長さの、さやに宝石みたいのが5個並んでついてる剣?剣なのか?何?これ、エクスカリバーってやつなの?
「そうだ。我はエクスカリバーである…」

「ん?」
「我は、エクスカリバーって言ったのか?」

ウィルバートはきょとんとしている?

遂に、幻聴まで聞こえるのか…俺は、どうしてしまったんだ…じわじわと涙が滲む。この年でも泣いてしまう。情けない…あり得ない…
「馬鹿もの!お主にしか聞こえぬ。我はエクスカリバー。お主を我が主として認めたのじゃ」
「………………」

これは異世界ものだ。うん、受け入れよう。

「そうだ。エクスカリバーだ。」
だって本人(剣?)がそう言ってるから。

「素晴らしい!対魔王の必殺剣でございます。勇者様お名前を伺っても?」

「武内章(あきら)だ。」

「勇者アキラ様、お疲れと存じます。勇者様のお部屋を用意してございます。後ほど、我が王ともお会い頂きますが、暫しおくつろぎください。」

紹介された侍女と共に、触るのも恐れ多いほど、ごてごてと高そうな壺やら、絵やら、彫刻やらが溢れかえる、絨毯ふかふかの廊下を延々と歩き、これまた豪華な部屋に入る。
拒む間もなく、風呂に入れられ、洗われ…これには参った。生まれてこのかた風俗も行ったことないのに………そして、おじさんの身体が恥ずかしく…んんん?!
壁の鏡に映った自分の姿に目を見張る!
え?!俺、可愛くない?

自分で言うのもなんだが、中、高校生の頃、俺はめっちゃもてた。イケメン、ではなく、可愛いタイプだったと思う。
筋肉が付きにくくて、体形も華奢、顔の中では二重の丸っぽい目ばっかり目だってしまうし、ちっちゃい鼻とか、笑うとエクボができるのも嫌だった。頭がちっちゃいのも嫌だったので、髪の毛もふわっとして長めにしていた。
かわいいと言われると凄く嫌だった…

男っぽくなりたくて、日々筋トレし、プロテインとか、牛乳を飲んでいた。効果が出たのは大学に入ってからだった。そしたらもてなくなった…残念。

鏡に映る俺の姿は、昔の華奢な頃の俺だった。
どゆこと?







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