26 / 43
アオの邸宅にて(アオとアキラ3)
しおりを挟む
今までこんなに悩んだ事があるだろうか?何よりも、誰よりも妻が優先だったのに、不覚にも俺は揺れている。章として、俺は妻を愛している。大切に思っている。勇者アキラはどうだ?言わずともわかる。
「アオ、俺さ、俺もおまえのこと、好きだし、ずっと一緒にいたいって思うんだ。」
「そうか…」
アオの青灰色の瞳が揺らぐ。嬉しそうにしっぽがパタパタする。アキラの頰も思わず緩む。が、気を引き締めて言う。
「でもさ、聞いてくれ。おまえさ、俺のこと17、8のガキと思ってるだろ?」
「そんなに年を取っているのか?」
「うるせぇ。小さくて悪いな。」
「いや、そんなことはどうでもいいんだ。俺さ元の世界では60歳なんだ。親父なんだ。」
「ああ、そういうわけか。変に修羅場慣れしていると思った。」
「いいのか?」
「ああ、俺は年など気にしていない…ずっと生きて来たからな、自分が何歳とか分からないし。」
「長生きってことか?」
「そうだな。天命が尽きれば死ぬのだろう。人とは違うな。」
「結婚はしなかったのか?」
「そうだな、頼まれて子を孕ませたことはあるが、ともにいたい相手はいなかった。おまえが初めてだ。」
頼まれて孕ませた………ちょっと衝撃な言葉頂きました。こいつ、実は子だくさんなのでは?恐ろしい…
「フェンリルの魔力を欲しいものはたくさんいるのだ。別に拒む必要もないしな。」
少し焦って言うアオ。別に俺は気にする筋合いなんて全く無い。
「あっそ。モテモテでよかったな。」
「おまえは、結婚していたのか?元の世界では?」
「うん、それをアオに言わなくちゃと思って」
「嫁か?俺は別に構わん。」
「は?良いのか?」
「嫁を愛していたのか?」
「もちろんだ。子も孫もいた。俺は妻の元に帰るために魔王の討伐に参加したんだ。」
「今でも愛しているのか?俺よりも?」
「…………正直、分からない。でも、40年近く一緒に過ごしてきた。俺の人生の3分の2だぞ…積み重ねてきたものがある。」
「……………おまえはどうしたいのだ?」
「妻に償いたい事がある。守りたい約束もあった。でも、突然ここに来てしまった…」
言葉につまる。あいつはホントに今どうしているのだろう。
「おまえ、よく泣くな。」
アオが鼻先で俺の涙を拭う。そしてもふもふの身体で俺をぎゅっと包み込む。ああ、こいつが好きだ。俺はどうしたいんだ。
「アキラ、おまえが元の世界に戻れるかどうかは、正直わからん。どうせウィルが何か考えているのだろう?だか俺はおまえとともにいたい。できればこの命尽きるまでな。」
「……………」
「おまえと離れることは身を切るように辛い。この命、尽きてしまうやもしれん。だがな、おまえの幸せを願っている。人には番の絆は感じられないそうだ。魔族の中には自分の番を監禁してまで愛するものもいる。俺はそうはなりたく無い。おまえが決めろ。俺は受け入れる。」
「うん…」
「ただ、せっかく運命の番が傍にいるのだ。それも、いつか妻の元に帰ってしまうかもしれん。この貴重な時間を俺は大切に過ごさせてもらうぞ。そのためには、アキラ、早く良くなれ。全ては身体が元気になってからだ。」
「うん…」
何か怖い気もするが……ま、いっか。
「さあ、寝ろ。まだ夜は深い。」
「うん、お休みアオ…」
眠れるわけなんてない。と、思いながら、もふもふにくるまれ、ぬくぬくと即寝してしまうアキラである。
「アオ、俺さ、俺もおまえのこと、好きだし、ずっと一緒にいたいって思うんだ。」
「そうか…」
アオの青灰色の瞳が揺らぐ。嬉しそうにしっぽがパタパタする。アキラの頰も思わず緩む。が、気を引き締めて言う。
「でもさ、聞いてくれ。おまえさ、俺のこと17、8のガキと思ってるだろ?」
「そんなに年を取っているのか?」
「うるせぇ。小さくて悪いな。」
「いや、そんなことはどうでもいいんだ。俺さ元の世界では60歳なんだ。親父なんだ。」
「ああ、そういうわけか。変に修羅場慣れしていると思った。」
「いいのか?」
「ああ、俺は年など気にしていない…ずっと生きて来たからな、自分が何歳とか分からないし。」
「長生きってことか?」
「そうだな。天命が尽きれば死ぬのだろう。人とは違うな。」
「結婚はしなかったのか?」
「そうだな、頼まれて子を孕ませたことはあるが、ともにいたい相手はいなかった。おまえが初めてだ。」
頼まれて孕ませた………ちょっと衝撃な言葉頂きました。こいつ、実は子だくさんなのでは?恐ろしい…
「フェンリルの魔力を欲しいものはたくさんいるのだ。別に拒む必要もないしな。」
少し焦って言うアオ。別に俺は気にする筋合いなんて全く無い。
「あっそ。モテモテでよかったな。」
「おまえは、結婚していたのか?元の世界では?」
「うん、それをアオに言わなくちゃと思って」
「嫁か?俺は別に構わん。」
「は?良いのか?」
「嫁を愛していたのか?」
「もちろんだ。子も孫もいた。俺は妻の元に帰るために魔王の討伐に参加したんだ。」
「今でも愛しているのか?俺よりも?」
「…………正直、分からない。でも、40年近く一緒に過ごしてきた。俺の人生の3分の2だぞ…積み重ねてきたものがある。」
「……………おまえはどうしたいのだ?」
「妻に償いたい事がある。守りたい約束もあった。でも、突然ここに来てしまった…」
言葉につまる。あいつはホントに今どうしているのだろう。
「おまえ、よく泣くな。」
アオが鼻先で俺の涙を拭う。そしてもふもふの身体で俺をぎゅっと包み込む。ああ、こいつが好きだ。俺はどうしたいんだ。
「アキラ、おまえが元の世界に戻れるかどうかは、正直わからん。どうせウィルが何か考えているのだろう?だか俺はおまえとともにいたい。できればこの命尽きるまでな。」
「……………」
「おまえと離れることは身を切るように辛い。この命、尽きてしまうやもしれん。だがな、おまえの幸せを願っている。人には番の絆は感じられないそうだ。魔族の中には自分の番を監禁してまで愛するものもいる。俺はそうはなりたく無い。おまえが決めろ。俺は受け入れる。」
「うん…」
「ただ、せっかく運命の番が傍にいるのだ。それも、いつか妻の元に帰ってしまうかもしれん。この貴重な時間を俺は大切に過ごさせてもらうぞ。そのためには、アキラ、早く良くなれ。全ては身体が元気になってからだ。」
「うん…」
何か怖い気もするが……ま、いっか。
「さあ、寝ろ。まだ夜は深い。」
「うん、お休みアオ…」
眠れるわけなんてない。と、思いながら、もふもふにくるまれ、ぬくぬくと即寝してしまうアキラである。
16
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。
これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。
無自覚両片想いの勇者×親友。
読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる