たかが、青

小谷野 天

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12章

再会

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 病院に着くと、男の子はすぐにCT室へ運ばれた。入口には、秋田が待っていた。
「里田さんはこっち。」
 蓮見は秋田と一緒に撮影中の画像を見ていた。
「まだ、小さいけど、ここ、出血してる。」
 秋田は画像を指を指し、救急へ電話を掛ける。
「さっきの画像送ります。男の子は、そちらに戻しますか?」
 秋田は電話を切ると、
「里田さん、このままオペ室へ行って。すでに待機してるみたいだから。」
 蓮見にそういった。男の子を乗せたストレッチャーを一人で押しながら、エレベーターに乗る。
「あれ、何階だったかな。」
 蓮見はオペ室の場所を思い出していた。
「3階だよ。さっきの人がそう言ってたから。」
 男の子が教えてくれた。
「どうもありがとう。」
 蓮見は3階のボタンを押す。
「ねえ、俺、手術するの?」
「そうだよ。」
「ただ転んだだけなのに。」
「傷はもう痛くない?」
「まだ少し痛い。」
 手術室には男の子の父親が待っていた。
「ケン、一体どうしちゃったんだよ。」
 父親の目に涙が溜まっている。蓮見は男の子の手を握った。
「里田さん、申し送りは終わってるから、このまま帰って大丈夫よ。そうだ、これ。」
 オペ室の看護師は、麻美からの紙袋を蓮見に渡す。

 蓮見
 これに着替えて、龍のところに行きな。
 龍は19時まで古着屋にいて、その後はバーにいるよ。
 財布と携帯はあとでバーに届けるから。
 原ちゃんが来週の水曜日まで、休みにしてくれるって言った。 
              麻美

 蓮見は麻美が紙袋を抱え、更衣室へ向かった。自分がつかっていたロッカーにはもう別の人の名前がある。更衣室の隅で麻美が用意した服に着替えた。普段着た事のない短いスカートに蓮見は恥ずかしくなった。財布や携帯を探したが、診療所に忘れた事を思い出した。蓮見は誰にも会わないように職員玄関を出て、麻美が用意した靴に履き替える。
「あなたが里田さん? 」
 玄関で女性に声を掛けられた。
「諒太から連絡があって、今晩は家に泊める様に言われたから。」
「せっかくですけど、大丈夫です。」
「あなたの部屋はもうないはずよ。」
「ありますよ。これから帰ります。」
「なんか聞いていた印象とはぜんぜん違うわね。もっと、おとなしい感じの子かと思ったのに。」
 牧田の母は蓮見をジロジロと眺めた。
「蓮見?」
 優芽が蓮見を通り過ぎたあと振り返った。
「こんな蓮見、初めて見たよ。」
「この服、麻美さんから借りたの。」
「そうなの? やだ。ぜんぜん印象変わった。」
「さっきのヘリに乗ってきたの。」
「男の子が運ばれてきてヘリね。麻美から聞いてる。」
 優芽は、牧田の母をチラッと見た。
「師長。里田さんは、私が送って行きますから大丈夫です。」
「蓮見、そこで旦那が待ってるの。早く。」
「旦那って?」
「そう。この子達のお父さん。師長、お疲れ様でした。」
 二人は停めてある車まで歩いていった。
「蓮見、私の服あげるから家に寄って。」
「ありがとう。」
「彼に会うのは、すごく久しぶりなんでしょう?」
「そう。」
「優芽は、何か月になったの?」
「私はもうそろそろ7か月。あと少しで産休。」
「そっか。待ち遠しいね。」
「蓮見の彼ほどじゃないけど、この人に似たら、モテる様になると思わない?」
 蓮見はそう言って運転する男性を紹介する。
「はじめまして。」
 男性が蓮見にミラー越しで挨拶をする。
「はじめまして。」
「蓮見、あの時はありがとうね。二人で話し合って、あれから結婚したのよ。」
「優芽、おめでとう。」
 優芽の家に着くと、優芽が蓮見の服を選んだ。
「もう、着れないからさ。蓮見にあげるよ。」
「生まれた後にまた着ればいいのに。」
「無理だよ。今で体重が10キロ増えてるんだよ。このままなら20キロ超えだわ。もう着ることはないよ。」
「優芽、本当にお腹、大きくなったね。」
 蓮見は優芽のお腹を触る。
「蓮見は少し痩せたでしょう。ちゃんと食べてるの?」
「島の看護師さんがいろいろくれるから、食べてるよ。夜中にラーメンは食べれなくなったけどね。」
「そう、そう。店長が心配してたよ。向こうで別のラーメン屋に通ってるんじゃないかって。」
「そんな、一人で出掛けられないし。」
「牧田、いるんでしょう?」
「うん。いるよ。」
「あいつ、なんで蓮見をしつこく追いかけるんだろうね。」
「今はあんまり、話してないの。私、帰ったら家からほとんど出ないから。」
「そっか。ちょっと安心した。しつこくされて、家まで来てるんじゃないかって思ってたから。ねえ、今日はその格好で彼に会いに行くの? 」
「もう少し足が隠れる服に着替えたいな。」
「大丈夫、これで行きなよ。だけど、麻美が着ると色っぽいのに、蓮見が着るとなんか少年みたいだね。」
「ねっ、優芽。別の選んで。」
 優芽は蓮見の束ねている髪を触った。
「ダメ。せっかくだから、これを着ていきなよ。蓮見、髪伸びたね。」
「うん。」
「ねぇ、座って。」
 優芽は蓮見の束ねていた髪をほどいた。
「いい感じにしてあげる。」
 
「準備できたから、送って行ってよ。」
 二人は優芽の夫が運転する車に乗った。
「あれ、さっきの子?」
「そうだよ。」
 優芽は夫はバックミラーを見た。
「すみません。乗せてもらって。」
「いいの、いいの。俺達もこれから何か食べに行こうと思ってたから。ほら、子供が生まれたらあんまり外食できなくなるでしょう。」
 古着屋の前に着いた。
「どうもありがとうございます。優芽、大事にね。」

 半分降りたシャッターから龍が出てくる。
「蓮見?」
「龍。」
「さっき麻美から連絡があって、蓮見がこっちに来てるって知ったんだ。」
「私、全部、島に置いて来てしまって。」
「そういえば、前にもカギを忘れて家の前で座って事あったよな。蓮見、これから店に行こうか。今日はコージが休みなんだ。」
「うん。」
 龍は蓮見の頭を撫でた。
「本当はゆっくりしたいのに、ごめんな。」
「ううん。咲江さんも来るかな。」
「ああ、来ると思うよ。」

「蓮見、元気だった? すっかり印象変わったから、わかんなかった。」
 咲江が蓮見の隣りに座る。
「何飲む?」
 龍が咲江におしぼりを出す。
「ビールでいいよ。」
「蓮見、元気だった? なんか痩せたでしょう。」
「夜中にラーメン食べなくなったからね。」
「そっか。それに、手、ずいぶんキレイになったね。」
「向こうの診療所は、処置が少ないから。」
「咲江さんは、元気でした?」
「うん。元気よ。」
「あの配達員さんとは?」
「彼、結婚してたのよ。」
「えっ。」
「勝手に好きになったのは私だけど、いろいろあってね。」
「今でも配達に来るんですか?」
「配達しにくるし、あい変わらず優しい。それが勘違いさせるのよね。龍もそうでしょう? あんな風な感じでも、すごく優しいから。あんまり優しすぎて心配にならない?」
 蓮見は考えていた。
「それより、そんな格好してたら、誘ってるって男は勘違いするよ。」
「これ、麻美さんから借りたの。友達が髪もきれいにしてくれて。」
「化粧もしてもらったの?」
「そう。」
「なんか、いつもの蓮見と違うから。」
「ねぇ、咲江。この子誰?」
 蓮見と咲江が話していると、男性が蓮見の肩を触った。
「レイ、この子は龍の彼女だよ。」
「そうなの? 龍の彼女はヒヨコみたいな感じだって聞いたけど。」
「蓮見と話すの、初めてだった?」
「初めてだよ。こんばんは。」
「ねっ、話すとヒヨコでしょう? 麻美の服を着てるだけ。」
 咲江は笑った。
「こっちで飲もうよ。咲江も、たまにはこっちに座ってよ。」
「蓮見、行こう。」
 咲江はグラスを持って、席を立つ。蓮見も咲江の後について行く。ボックス席に座ると、もう一度乾杯とグラスを鳴らした。
「俺も呼べよ。」
 龍が仲間に入る。
「この子、龍の彼女なのか?」
 レイが龍に聞いた。
「そうだよ。昔の事も知ってる。」
「あの頃、ベースの事よりも、女の子にモテる事しか考えてなかったな。」
「レイはいろいろこだわってたし。」
「なんもしないケンの方がモテて、俺はどんだけ頑張っても敵わなかった。」
「ナオの方が人気があったよ。曲を作ってたのはあいつだし。」
「思い出すなぁ。こうして話すと懐かしいな。」
 レイが言った。
「咲江、やっと誰かと話せたんだな。」
 龍は楽しそうヒサシと話す咲江を見た。
 麻美が店に入ってくる。
「おお。おつかれ。」
 龍は麻美をこっちと呼んだ。
「蓮見、これ。原ちゃんから。」
 麻美は蓮見のカバンを渡した。
「ありがとう。」
「蓮見、けっこう似合ってるよ。」
 龍が麻美におしぼりを出した。
「龍。いつものちょうだい。私、原ちゃんとご飯食べにいくから、薄くして。」
「麻美さん、原田先生とラーメン食べに行くの?」
 蓮見が麻美に聞いた。
「ううん。今日は焼き鳥。そうだ。さっきの子、手術が済んでICUで原ちゃんが診てる。もう大丈夫だって。明日、一般病棟に移るらしいよ。」
「よかったぁ。」
「原ちゃんが言ってたよ。ナースのお手柄だって。」
「診療所の看護師さん、本当にすごい人でね。」
「その人って、看護部長の先輩なんだってね。原ちゃん、なんか物申してるみたいだから、これからきっと一波乱があるよ。本当は優芽が産休に入ったら、辞めるつもりでいたけど、せっかくだからもう少し楽しもうかな。」
「悪趣味だな。本当に。」
 レイが麻美にそう言った。
「レイに言われたくないわ。今までどんだけ、女を泣かせて来たんだよ。」
 龍が麻美の隣りに座る。
「龍、そっちいきなよ。レイが手を出すかもしれないよ。」
 龍は笑った。
「麻美もう少し、考えて服選べよ。ちょっと短いだろう。」
 龍が言った。
「蓮見がねぇ、もうちょっと胸があったら、良かったのに。」
 麻美は蓮見の胸を掴んだ。
「痩せたでしょう? 向こうでちゃんと食べてる? 牧田にしつこくされてない?」
「麻美さん、原田先生と仲いいんだね。」
「仲いいよ。偏屈な先生だって言われてるけど、話すと面白い。先生、奥さんとお子さんを事故で亡くしてて、ずっと一人だったの。蓮見が新人の頃、めちゃくちゃ怒られてる様子を見てね、それから、蓮見に直接指示を出すようにしたんだって。」
「原田先生にはいろいろ教えてもらったけど、それ以上にたくさん怒られた。」
 麻美の話しを聞いていたレイが
「そういいながら、狙われてたんじゃないのか?」
 そう言った。
「そういうやつもいるかもしれないけど、原ちゃんはそんなやつじゃないよ。それに蓮見は簡単には落ちない。」
 麻美はそう言うと、グラスのお酒を飲み干した。
「もう行くわ。龍、会計して。」
「麻美、今日はありがとうな。俺の奢りだ。先生にもよろしく。」
「龍、そんなに優しくされたら、私も勘違いしちゃうよ。」
「麻美とは男の友情だ。」
 龍とレイがそう言って笑った。
「失礼ね。蓮見、じゃあ。原ちゃんが水曜日にフェリー乗り場で待ってるって。」
「麻美さん、ありがとう。」
 麻美が座っていた席に龍が座る。
「それ飲んだら洗いものしてよ。」
「うん。」
「龍、ここでも働かせるのかよ。」
「そうしないと、お前がちょっかい出すだろう。」
「何、心配してんだよ。俺も節度ある人間になったんだって。」
「嘘付け。」
 小さな洗い場では、氷が残っているグラスでいっぱいになっている。
「一つ一つ静かに洗いな。割れてしまうから。」
 レイが洗い場にいる蓮見の前に座る。
「ライブにはよく来てたの?」
 蓮見は龍の顔を見た。
「今日はレイと昔の話しをすればいい。」
 龍はそう言うと、別の客から呼ばれた。
「華やかな世界を一回でも見たら、その頃に自分に縛られて、今の自分がつまらなくなるよ。」
「レイさんは今も昔もキラキラしてますよ。」
 レイは笑った。
「なんの歌が好きだった?」
「最後に出した曲が一番好きです。」
「俺はあの曲に悲しい思い出しかなくてさ。」
「どうして?」
「もう、解散するって決めてたし、恋人が別れる曲だからな。」
 蓮見はグラスについた泡を水で洗ぐ。
「龍はずいぶんこき使うんだな。」
「そんな事ないです。」
「こっちにきて座ったら?」
「これ、片付けないと。」
 龍は空のグラスを持ってきた。
「おい、少し休ませてやれよ。」
 レイが龍にそう言った。
「休む?」
 龍が蓮見に聞く。
「ううん。」
「これが済んだら、そっちに座りなよ。」
 龍は、洗いだグラスを丁寧に拭いていく。
 レイの隣りに座ると、レイは蓮見の髪の毛を撫でた。
「かわいいね、龍と別れて俺と付き合わない?」
 レイはそう言うと、蓮見は笑った。
「レイさんに言われると、大概の女子は恋するでしょうね。」
「そうだろう。」
 レイは蓮見の椅子に手を掛ける。
 蓮見は立ちが上がると、龍が拭いていないグラスを拭き始めた。
「レイ、振られたな。」
「2人はずいぶんと距離があるじゃないか。」 
「今日は久しぶりに会ったんだよ。」
「そうなのか? それなら、さっさと店を閉めて二人きりになればいいのに。」
「そういうわけにはいかないだろう。」
「お互い、淋しかったんじゃないのか?」
「仕事なんだから、仕方ないよ。」
「龍は冷たいな。俺なら、一晩中離さないのにな。」
 レイは蓮見の方を向くと、蓮見はグラスを洗っていた。
「レイ、なんか飲むか。蓮見、出してやって。」
「えっ、私?」
「そう。」
 蓮見は龍に教えてもらいながら、レイにお酒を出す。
「蓮見もそっちに座って飲みな。」
 龍はそう言うと別のテーブルへ行った。

 午前2時。
 部屋に着くと、蓮見はソファにもたれた。
「疲れたか。」
 龍が隣りに座り、肩に手をおいた。
「大丈夫。」
 蓮見は起き上がると、水を飲みに立ち上がる。ふらついた蓮見を龍が支えた。
「大丈夫か?」 
「久しぶりに飲んだから。」
 少し頭がクラクラして、床に座った。
「レイとけっこう飲んでたからな。今、水を持ってくるよ。」
 龍は蓮見をソファに座らせる。
 テーブルに見慣れないお菓子があった。
「お菓子なんて食べる時があるんだね。」
 蓮見はそう言った。
「店に出した余りだよ。はい。水。」
「ありがとう。」
 龍から水をもらって飲んだ蓮見。 
「大丈夫か?」
「うん。大丈夫。」
「俺、風呂、入ってきても平気か?」
「うん。」
 蓮見はそのお菓子を見つめていた。少しだけ、龍に寄りかかっていたかったけど、今日の龍はとても急いでいるようだった。
 浴室から出てきた龍は
「そういえば、ご飯まだなんでしょう? なんも食べないで飲んだから、酔いが回ったんだよ。なんか食べようか?」
「ううん。もう、こんな時間だし、眠いから。私もお風呂入りたいけど、いい?」
「一緒に入るか? フラフラしてるみたいだし。」
「大丈夫だよ。」
 蓮見は笑った。
 蓮見が浴室から出てくると、龍は仕事をしていた。
「ごめん、明日は会社にいかなきゃならなくて。」
「お店は?」
「コージがいるから大丈夫。蓮見は出掛けるの?」
「ううん。」
「そっか。疲れただろう。寝ようか。」
「うん。」
 電気を消して、隣りで目を閉じた龍を見た。こんなに近くにいるのに、なんだか今日の龍はとても遠くにいるように感じる。ずっと会いたかったはずなのに、会うと話す言葉が見つからない。
 龍が背中を向けた。
「龍。」
「どうした?」
 龍はすぐに蓮見の方を向いた。
「疲れただろう。明日、話そうよ。ゆっくり休みな。」
 龍は蓮見を抱きしめた後、おやすみと言ってまた背を向ける。
 蓮見はしばらく龍の背中を見つめていたが、こちらを振り向く事なく寝てしまったのだと諦めると、自分も龍に背中を向け目を閉じた。
 うとうと眠りかけていた頃、龍の腕が自分の体を抱きしめている事に気がついた。龍がどんな気持ちで抱きしめているのか確かめるのが怖くて、蓮見は寝ているふりをした。本当は振り向いて龍とキスをしたい、そんな気持ちも心の奥に押し込めて。
 
 朝起きると、龍はいなかった。蓮見はベッドから出ると、遅くなる、そう書いてある龍の伝言を見つけた。
 遅くに帰ってきた龍とは、その日は結局、話す事はできなかった。

「龍、店なんてコージに任せて帰れよ。」
 会社が終わってから、龍は家には帰らずに店に来ていた。レイが心配して声を掛ける。
「彼女、待ってるぞ。」
「ああ。」
「咲江なら、ヒサシのところに引っ越したよ。」
「ヒサシ?」
「ヒサシ、実家を出て、二人で住む部屋を探したんだよ。龍の家に泊まってたのは、それまでの話しだよ。」
「知らなかったな。咲江とヒサシの事。」
「咲江とは何にもなかったんだろう?」
「あるわけないだろう。」
「昔のお前なら、抱いただろうけど。」
「咲江が泊まった時、一瞬思ったんだよ。自分が求める時に横にいるのって楽だろうなって。」
「咲江に失礼だぞ。」
「そうだったな。」
「昨日は彼女と寝たのかよ。」
「どうでもいいだろう。」
「お前に後ろめたい気持ちがあるから、何もできないんだろう。」
「向こうは疲れてるようだったしさ。」
「なあ、きちんと向き合えよ。」
「……。」
「咲江の事だって、仕方なかったんだろうし。」
「そうだけど。」
「龍は初恋か?」
「バカ言うな。」
「いいからもう帰れよ。」
 龍はため息をついた。
「龍、なんかあったのか?」
 コージが話しには入ってくる。
「30過ぎて純愛してんだよ。」
 レイがそう言った。
「あの子か?」
 コージはレイに聞いた。
「蓮見ちゃん、子猫みたいだもんな。近づいたら、なんかこう、すり抜けていくんだよ。」
 コージはそう言うと、レイのグラスにウイスキーをついだ。
「龍を困らせるなんてなかなかの子だよな。」
「蓮見ちゃん本人は、困らせてるつもりなんかぜんぜんないだろうけどさ。」
「俺達3人、何を話してるんだろうな。」
「黙って抱けばいいだろう。」
 コージが龍に言った。
「何言ってんだよ。」
「そんなに悩むなら、なんで離れて暮らす事を選んだんだよ。」
「本当だな。俺もカッコつけないで、引き止めれば良かったと思ってる。」
 龍は静かに答える。
「もうさ、ごちゃごちゃ言ってないで、久しぶりだなってさ。」
 コージの言葉に、龍はまたため息をついた。
「龍、どうしたんだよ、本当に子猫に初恋か? ここで悩んでないで、早く帰ってやれよ。それに、お前が話さないと咲江も気にするだろう。」
 コージがそう言うと、レイは龍のグラスに氷を入れた。
「ガラスはガラスとは一緒にいられないんだよ。」
 レイが言う。
「どういう事だ?」
「龍は小2の時からガラスのままだよ。」
「レイとケンは仲が良かったからな。」
  
 龍とレイは近所に住んでいた。レイは龍より2つ上だったけれど、ケンと仲が良く、3人でよく遊んだ。
 高校の頃、龍をバントに誘ったのはレイだった。
 地元を離れ、いくつかのバンドを渡り歩き、レイはナオと会った。純粋にやりたい音楽を語るナオと、レイは意気投合し、大学生だった龍をバンドに誘った。

「あの子はガラスの様で、ガラスじゃない。」
 レイはそう言った。
「強いって事か? 鉄なのかよ。」
「龍、あの子はガラスを包む布なんだよ。繊細なナオが惹かれたの、なんとなくわかるわ。」
「……。」
「不思議な子だよな。隣りにいても何も思わないのに、いなくなると探してしまう。一度あの子を好きになると、あの子がいないと、ダメになるんだよ。」
「片方の手袋ってことか……。」

 家に帰ると、龍は眠っている蓮見の隣りに座った。蓮見の髪を撫で、起きないように軽くキスをする。こんなに好きなのに、どうして一人で待たせてしまったんだろう。
 寝ている蓮見は龍に背中を向けて丸くなった。龍は蓮見の隣りに横になると、眠っている蓮見の体をそっと抱きしめた。
 空が明るくなった頃、蓮見は隣りに龍がいる事に気が付いた。龍、帰ってたんだ、蓮見は眠っている龍にそっと布団を掛ける。話しがしたいな、目を開けてくれないかな、そんな事を思いながら、龍の胸に顔を埋めた。

 金曜日。
「おはよう。起きてたのか?」
 先に起きてた蓮見がカーテンを開けていた。
「おはよう。昨日、先に寝ててごめんね。」
「いいよ。俺も遅かったから。」
「今日は会社?」
「そう。店はコージがやってるから、夜は早く帰ってくるよ。」
「うん。」
「蓮見はどこか出掛けるの?」
「麻美さんに服を返しに行こうと思って。」
「夜ご飯は一緒に食べようよ。明日もずっといるようにするから。」
「無理しなくてもいいよ。龍、忙しいんだね。」
「少しな。明日は伊豆に行こうか。」
「いいの?」
「うん。行こう。」
 龍は時計を見た。
「もう行く準備しないと。」

 蓮見は麻美に借りた洋服を返しに、病院の前に来ていた。
「蓮見、わざわざ届けに来なくても、龍に預ければ良かったのに。」
「なんか、忙しいみたいだし。」
「ゆっくり、話しはできたの?」
「ううん。仕方ないよ。たくさん仕事を抱えてるんだし。そういえば、ケンちゃん、元気でいる?」
「元気だよ。来週、退院できるって聞いた。」
「麻美さん、原田先生と仲がいいんだね。」
「先生に結婚してくれって言われてる。」
「そうなの? 良かったね。」
「20も離れてるからさ、いろいろ悩んでいるわけ。」
「そっか。」
「蓮見はちゃんと食べな。なんか元気ないみたい。」
「大丈夫。」

 病院から出たあと、蓮見は古着屋に向かって歩いていた。龍がそこにいないのはわかっていたけれど、一人ぼっちで龍の帰りを待つよりも、少しでも龍が残している空気に近づきたかった。
 店の前にくると、龍が女の人と話しをしていた。今日は会社にいるって言ってたのに。
 いつものように、龍の事を追って女の子達が来ているんだろうと思い、中の様子を見ていると、龍の隣りにいる女性が咲江だとわかった。二人で真剣な話しをしている様子を見つめると、蓮見はそのまま今来た道を引き返した。
 この3ヶ月の間に、龍と咲江が関係を持ったとしても、離れて暮らす事を選んだ自分には何もいう資格がない。キレイな咲江と龍は、お似合いの2人だ。
 島へ帰る最終のフェリーに間に合うと思い、龍の部屋へ戻らず、そのままタクシーに乗った。
 咲江との関係を邪魔しないように、ここから離れよう。
 龍には、素敵な恋をさせてもらった。恋愛なんてした事がない自分を、少しからかっていただけかもしれないけど、それでも、出会えた事に感謝している。
 初めて意識して見る街の景色なのに、龍と過ごした時間と共に灰色に変わっていく。涙があとからあとから溢れて止まらない。

 土曜日。
 診察室を机を拭いていた蓮見を見て、
「あら、蓮見ちゃん。今日はお休みのはずだけど。」
 東子がそう言うと、
「昨日帰ってきたんです。」
 東子が蓮見の顔を見ると、目が真っ赤だった。
「向こうで何かあったのね。」
 東子は蓮見を抱きしめた。
「東子さん、今日はマツエさんの所に訪問に行きますよね? 私も一緒に行きます。」
「わかったわ。蓮見ちゃん、ずいぶん髪が伸びたしね。せっかくだからマツエさんのお嫁さんがやってる美容室で切ってもらうもいいわよ。何時に空いてるか聞いてあげる。」
「ありがとうございます。」
「それと、今晩は家にきて。ジジの誕生日だから、たくさんいなり寿司作る予定だったけど、蓮見ちゃんがくるなら、ちらし寿司にしようしらね。」
 東子は真っ赤な目をした蓮見を見ながら、
「仕事をしにきたなら、泣いてはだめよ。」
 そう言った。
「ごめんなさい。」
「大丈夫?」
「はい。大丈夫です。」
 医者がいない土曜日でも、時々訪問看護が入っていた。今までは東子が一人で行っていたが、蓮見も一緒について行くようになった。そろそろ自分だけで行けるように、蓮見はノートに島の地図を書いて覚えようとしている。美容室の場所を確かめようとページを開くと、龍が古着屋で家までの道のりを教えてくれた日を思い出す。龍が蓮見の肩に顔を乗せて話したあの時。頬にしたキス。
「蓮見ちゃん。行くわよ。」 
 東子が呼んでいる。

 仕事を終えて、髪を切った蓮見は東子の家に来ていた。カズオさんと呼ばれる東子のお父さんに、ちらし寿司を食べさせてほしいと東子の旦那さんから頼まれた。
「どう? カズオさん。若い子に食べさせてもらって、いい誕生日になったわね。」
 東子がそう言った。机の上のケーキにはろうそくがたくさん並んでいる。
「おいくつになったんですか?」
 蓮見が聞くと、返事はなかった。
「99よ。蓮見ちゃん、耳元で言ってやって。もう100だよ。人生お疲れましたって。」
 東子が笑って話す。
「だったら、ずっと99だよって言い続けます。」
 蓮見の言葉に東子の旦那が、
「カズオさん、ずっと死ねないぞ。」
 そう言って笑った。
「ジジは一人になってからもう20年。耳もほとんど聞こえなくてね。それでも毎日ババの名前を呼ぶの。一人の人をこんなに長く想えるなんて、羨ましいわよね。」
「本当ですね。」
「蓮見ちゃんは、来年もジジの誕生日にきてくれるのか? 孫も曾孫もたくさんいるのに、なかなか皆で集まることができなくてね。」
 東子の旦那がそう言った。
「来年は彼と一緒にきてよ。」
 東子の言葉に
「東子さん、彼はもういません。」
 蓮見はそう言った。
「一晩寝たら、きっといろんな事が変わるわよ。」
「また、占いじみたこと言って。」
 東子の夫がそう言った。
「蓮見ちゃんの事、忘れるわけないよ。今、きっと彼も苦しんでるような気がするの。」
「もう忘れましたよ。」
「大丈夫よ。きっと。」

 東子の家から部屋に戻ると、牧田と会った。
「こんばんは。」 
 牧田が蓮見に声を掛ける。
「こんばんは。」
「髪、切ったんだね。」
「うん。」
「実は俺、来週いっぱいで向こうに戻るんだよ。やっぱり帰ってこいって言われてさ。来月からは今年入った新人の技師がやってくるみたい。」
「そうなんですか。」
「勝手な話しだと思ってるだろう。里田さんと一緒になりたくてここに来たのに。彼とはうまく行ってるの?」
「……。」
「里田さんは、やっぱり忙しい病棟の方があってるよ。俺から部長に話しておくから、近いうちにセンターに戻ろうよ。」
「そんな事、しなくいいですよ。」
「どうして? ここにいてもつまらないでしょう。」
「ううん。そんな事ない。」
「ねぇ、家の中で話さない? 里田さん、お酒飲むでしょう? 俺、酒もらっても飲めなくて困ってるんだよ。それにさ、ここじゃあ、人が見てるかもしれないし。」
「じゃあ、少しだけ。」
 蓮見は、牧田の部屋に入る。
「そこに座って。」
 蓮見はソファに案内された。牧田が隣りに座る。
「これ、どうぞ。」
 牧田が缶ビールを蓮見に出す。
「コップいる?」
「大丈夫です。」
 牧田はコーラを飲んでいた。
「お菓子、あるから食べてよ。」
 蓮見は机に置かれたお菓子の中から、龍の部屋にあったお菓子を手に取った。
「それ、好きなの?」
「……。」
 蓮見はお菓子をおいてビールを飲んだ。
「食べないの?」
「やっぱり、いいです。」
「里田さん、あの人とダメになったんでしょう?」
 牧田はそう言った。
「どうして?」
「昨日、急に帰ってきて、泣いてるのを見たから。」 
「……。」
「結局、フラレたんでしょう。」
 牧田は蓮見の持っていたビールをテーブルに置くと、キスをしようと近づいてきた。蓮美は牧田を避けたが、そのままの勢いで、ソファに押し倒された。
 牧田の部屋に呼ばれた時、こんな状況になるのはわかっていた。このまま、牧田に抱かれてしまえば、龍を想う気持ちが少しでも軽くなるのだろうか。蓮見は近づいてくる牧田を見て思っていた。
「牧田さん、やっぱり良くないよ。」
 蓮見は起き上がり牧田から離れた。
「そんなに俺の事が嫌い?」
「牧田さんとは付き合えない。」
「だって、あいつと別れたんだろう? 俺は里田さんの事を泣かせたりしないよ。」
 蓮見は立ち上がる。
「牧田さん。ごちそうさまでした。」
 そう言って、自分の部屋に戻った。
 携帯を見ると、麻美からのラインがたくさんきていた。
「龍が探してるよ。」
「昨日、島に戻った。」
「どうして?」
「やっぱり、こっちの事が気になって。」
「龍と何かあったの?」
「いろいろ忙しいみたいだし。」
「もしかして、咲江の事?」
「違うよ。」
「咲江、一時荒れてて、龍の家に泊まってたみたいだから。龍も言いづらかったんじゃない? 咲江も、蓮見がいない間にそんな事して、後ろめたかったと思うし。」
「こっちに戻るって決めたのは私だから。」
「ちゃんと龍と話しなよ。」
「話せない。それが最後になるかもしれないと思うと怖くて。」
「龍が少し優し過ぎるんだよね。」
 蓮見は夜空の写真を送った。
「こっちは星が近いよ。」
「話しを逸らさないでよ!」
「本当は会いたいな。」
「でしょう? 大丈夫。龍はきっと蓮見の事を想ってるから。」
 携帯には、龍からの着信が何度かあった。ラインもきていたけれど、怖くて見ることができない。
 黙ってこっちへ戻ってから2日が経とうとしている。龍は正直、ホッとしているのかもしれない。蓮見は今にも落ちてきそうな星を眺めながら、龍の声や顔よりも、あの日の後ろを向いて寝ていた背中を思い出していた。どこから、こんなふうになってしまったんだろう。
 眠れずに朝に迎えた蓮見は、朝日が昇る頃、龍との思い出を段ボールに詰め始めた。一つ一つ手に取ると涙が止まらなくなるから、なるべく見ないように淡々と段ボールに詰めていく。
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