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6章
押さえられないコード
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ナオの部屋に入る。
「ごめんなさい。」
優衣は謝った。
「なんで謝るの?」
「迷惑だろうと思って。」
ナオはギターを持って、優衣の隣りに座った。
「教えるって約束したよね。」
「いいの?」
ナオが教えてくれた簡単なコードは、ムラマサの曲にはない。難しいコードを覚えようとする度、優衣の指も手首も痛くなった。
「難しいんだね。」
「簡単に覚えられたら、こっちも困るよ。」
優衣はまた練習し始めた。
優衣からギターを取り上げたナオは、
「もう、今日は終わりにしよう。」
そう言った。
「もう少し。」
ギターに手を伸ばした優衣を、ナオは抱きしめた。
「勝ち気だね。これじゃあ、彼氏もさぞかしイライラしただろうさ。」
「ナオはいつもの私の顔、知らないもん。」
ナオは優衣と向かいあった。
「それって自分はおとなしいでも言いたいの?」
「そうじゃないけど。」
「わざわざ言わなくても、ピアノ弾いてるのを見たらわかるよ。いろんな優衣ちゃんが出てくるからね。優しい時も、冷めた時もあるし、勝手に進む時も、俺を待ってる時もある。」
優衣は恥ずかしくなって、下を向いた。
「ねえ、どうして、ギターを始めたの?」
ナオを見つめた。
「反発だよ。そういう時期ってあるだろう。決まったものを崩したくなる時がさ。その時は、ピアノを一切やめたんだ。」
優衣はナオのギターにそっと触れた。
「崩したと思っても、作ってきたんでしょう。ナオは優しいから。」
優衣は、自分の指を掴んで、きつく注意していた母を思い出す。
「ナオは、途中で嫌にならなかった?」
「何を?」
「ピアノを教えるの人って、思い通りに弾かないと怒るでしょう。人それぞれ、みんな違うのに、生きてる速さとか、自分の中にあるリズムとか。どうしても、同じように弾けない時だってある。」
「そうだね。」
「私、お母さんの怖い顔を見たくないから、なんの感情も沸かないように、ただ真似して弾いてただけ。」
「それはそれでいいんだよ。それでも弾ける方法を身につけただろう。」
ナオは優衣を見つめていた。
「そうだ、多岐さんに言って、なんか作ってもらおうよ。」
「いいよ、みんな忙しいから。」
「多岐さんは、裏表のない人なんだ。優衣ちゃんの事は、この前からすごく気になって仕方がないみたい。」
ナオは優衣を部屋から連れ出した。
「ここで待ってて。」
居間に案内されると、着物をきた若い女の人がやってきた。
「直斗の友達?」
「はい。青田と言います。」
「珍しいね。直斗が誰かを連れて来るの。私は柊子。直斗の双子の姉。」
「双子、だったんですね。」
「直斗はね、跡取りの男の子なのに勝手に出ていって、結局、女の私が、跡を継ぐ事になった。せっかく戻ってきたのに、ずっと部屋に引きこもってたし。」
「あっ、姉ちゃん。」
「直斗、また多岐さんに夕飯頼んだの。多岐さんだって忙しいんだから。自分の食事くらい、自分で作ったら?」
「今日はいいだろう。優衣ちゃん、こっち。」
「ちょっと待って、直斗。その子、さっきロビーで男の人とモメてたじゃない。どういう事?」
「姉ちゃんが見てたのは、幻だよ。」
「バカね、しっかり見たわよ。」
「優衣ちゃん、こっち。」
厨房の隅に、食事が用意されている。
「食べなよ。」
「お姉さん、怒ってたよ。」
「いつもの事だから。ほら、食べなよ。」
優衣は味噌汁を飲んだ。
「美味しい。」
「いつも自炊してるの?」
ナオは優衣に聞いた。
「してるけど、適当だよ。普通の食事したのは、久しぶり。」
「直斗、この人誰だよ。」
「あっ、父さん。」
「また、多岐さんに頼んで。」
「頼めるの多岐さんしかいないだろう。」
「柊子から聞いた。客とモメるのだけはやめてくれよ。」
「モメてないよ。この人はピアノ弾きたくて来たんだよ。さっきの男は、それが嫌なんだろう。」
「よくわからんな。」
「父さんだって、ピアノ弾いてる母さんを、婚約者から奪ったって聞いたよ。」
「母さんが勝手に俺について来たんだよ。」
「ピアノは勝手について来ないだろう。父さんは、ずっと母さんのピアノを弾いてる姿を見たくて、独り占めしたんだろう。」
「あなた、なんて名前だ?」
ナオの父は優衣の方を見た。
「青田、です。青田優衣です。」
「わざわざ、ここにピアノを弾きに来るなんて、なんか事情でもあるんだろう。頼むから、あのピアノは悲しい事に巻き込まないでくれ。いい事で弾くなら、好きにしてくれていいから。」
「はい。」
「食べたら、下げておけよ。」
ナオの父は厨房に戻った。
「ナオのお母さんは?」
「小2の時、病気で死んだんだ。」
「そうだったの。」
「父さんひどく落ち込んでたけど、毎日、厨房に立ってたよ。一昨年、祖母が死んで、名古屋のデパートで働いていた姉ちゃんがこっちに戻ってきて、跡を継いだんだ。」
「ナオがバンドを始めたのはいつ?」
「俺は高校を卒業してすぐ。一人で東京に行ったんだ。毎日、姉ちゃんと父さんがケンカするのを見てるのも嫌だったし、あの頃はなんでもできると思ってたからね。最初に組んだバンドの連中なんて、楽譜をひとつも読めないから、ずいぶんバカにしてやったよ。」
「そんなナオ、想像できない。」
「東京で夜学に通いながら、バイトして、バンドもやって、やっと掴んだデビューだったのに。呆気ないもんだよ。」
「優衣さん、これ使って。」
柊子がキレイな浴衣を持ってくる。
「いいんですか?」
「忙しくて、話しもできなくてごめんなさいね。明日は花火があるから、ゆっくりしていって。」
「ありがとうございます。」
「優衣ちゃん、お風呂入っておいでよ。」
「うん、そうする。」
ナオよりも早くお風呂から上がってきた優衣は、ギターのケースを開いていた。
どうしても、あとひとつのコードを覚えて弾きたい。
「こら!」
「ナオ、びっくりした。」
「今日は終わりって言っただろう。」
「どうしても、もう一つ覚えたくて。」
「楽器だって、寝かせてやらないと。」
「都合のいい話しだね。」
「ゆっくり休んだら、明日は違う音になってるよ。」
ナオはギターをケースに戻した。
「こっちにきてよ。」
ナオがベッドに呼んでいる。
昨日の朝川の顔が浮かんだ。
「ここでいいよ。」
「彼の事、思ってた?」
「違う。」
ナオは暗くなった優衣を見て、嘘をついているのがわかった。
「彼はどんな人なの?」
「高校の同級生。」
「ナオは、好きな人いたの?」
「俺は小1から、高校3年まで、ずっと片思い。」
「へえー、想像してたナオと違う。今、その人はどうしてるか知ってるの?」
「同級生のやつと結婚したって聞いたよ。保育士になって、今もここの保育園にいるよ。」
「会うの、辛くない?」
「もう、奥さんだしさ。」
「そっか。」
「優衣ちゃん、こっちに来てよ。」
優衣はナオの隣りに並んだ。
「ナオが弾いてた雨の音、今度教えて。」
「あの曲は適当だったから、もう弾けないよ。」
「そうなの?」
「優衣ちゃんと会う時は雨ばっかり。」
「そう?」
「雨を連れてくるみたいだよ。」
ナオは優衣の肩に手を回した。
優衣は少し、体を強張らせた。
「少し寄りかかっても、いい?」
ナオが言った。
「いいよ。」
ナオは優衣の肩に寄りかかると、目を閉じた。
優衣の肩から力が少し抜けた時、ナオはキスをしてすぐに離れた。
びっくりした優衣に
「なんでもないよ。」
ナオはそう言って笑った。
雨の音が聞こえる。
眠ろうとすればする程、窓をつたう雫の音までが聞こえてくる。
この雨が止んだら、また大事な何がなくなってしまうのだろうか。
ナオは隣りで眠る優衣を見た。
優衣の背中を抱きしめた。
眠っているはずの優衣は、少し震えているように感じた。
優衣の髪を撫でると、自分の布団にもぐって、また目を閉じた。
「ごめんなさい。」
優衣は謝った。
「なんで謝るの?」
「迷惑だろうと思って。」
ナオはギターを持って、優衣の隣りに座った。
「教えるって約束したよね。」
「いいの?」
ナオが教えてくれた簡単なコードは、ムラマサの曲にはない。難しいコードを覚えようとする度、優衣の指も手首も痛くなった。
「難しいんだね。」
「簡単に覚えられたら、こっちも困るよ。」
優衣はまた練習し始めた。
優衣からギターを取り上げたナオは、
「もう、今日は終わりにしよう。」
そう言った。
「もう少し。」
ギターに手を伸ばした優衣を、ナオは抱きしめた。
「勝ち気だね。これじゃあ、彼氏もさぞかしイライラしただろうさ。」
「ナオはいつもの私の顔、知らないもん。」
ナオは優衣と向かいあった。
「それって自分はおとなしいでも言いたいの?」
「そうじゃないけど。」
「わざわざ言わなくても、ピアノ弾いてるのを見たらわかるよ。いろんな優衣ちゃんが出てくるからね。優しい時も、冷めた時もあるし、勝手に進む時も、俺を待ってる時もある。」
優衣は恥ずかしくなって、下を向いた。
「ねえ、どうして、ギターを始めたの?」
ナオを見つめた。
「反発だよ。そういう時期ってあるだろう。決まったものを崩したくなる時がさ。その時は、ピアノを一切やめたんだ。」
優衣はナオのギターにそっと触れた。
「崩したと思っても、作ってきたんでしょう。ナオは優しいから。」
優衣は、自分の指を掴んで、きつく注意していた母を思い出す。
「ナオは、途中で嫌にならなかった?」
「何を?」
「ピアノを教えるの人って、思い通りに弾かないと怒るでしょう。人それぞれ、みんな違うのに、生きてる速さとか、自分の中にあるリズムとか。どうしても、同じように弾けない時だってある。」
「そうだね。」
「私、お母さんの怖い顔を見たくないから、なんの感情も沸かないように、ただ真似して弾いてただけ。」
「それはそれでいいんだよ。それでも弾ける方法を身につけただろう。」
ナオは優衣を見つめていた。
「そうだ、多岐さんに言って、なんか作ってもらおうよ。」
「いいよ、みんな忙しいから。」
「多岐さんは、裏表のない人なんだ。優衣ちゃんの事は、この前からすごく気になって仕方がないみたい。」
ナオは優衣を部屋から連れ出した。
「ここで待ってて。」
居間に案内されると、着物をきた若い女の人がやってきた。
「直斗の友達?」
「はい。青田と言います。」
「珍しいね。直斗が誰かを連れて来るの。私は柊子。直斗の双子の姉。」
「双子、だったんですね。」
「直斗はね、跡取りの男の子なのに勝手に出ていって、結局、女の私が、跡を継ぐ事になった。せっかく戻ってきたのに、ずっと部屋に引きこもってたし。」
「あっ、姉ちゃん。」
「直斗、また多岐さんに夕飯頼んだの。多岐さんだって忙しいんだから。自分の食事くらい、自分で作ったら?」
「今日はいいだろう。優衣ちゃん、こっち。」
「ちょっと待って、直斗。その子、さっきロビーで男の人とモメてたじゃない。どういう事?」
「姉ちゃんが見てたのは、幻だよ。」
「バカね、しっかり見たわよ。」
「優衣ちゃん、こっち。」
厨房の隅に、食事が用意されている。
「食べなよ。」
「お姉さん、怒ってたよ。」
「いつもの事だから。ほら、食べなよ。」
優衣は味噌汁を飲んだ。
「美味しい。」
「いつも自炊してるの?」
ナオは優衣に聞いた。
「してるけど、適当だよ。普通の食事したのは、久しぶり。」
「直斗、この人誰だよ。」
「あっ、父さん。」
「また、多岐さんに頼んで。」
「頼めるの多岐さんしかいないだろう。」
「柊子から聞いた。客とモメるのだけはやめてくれよ。」
「モメてないよ。この人はピアノ弾きたくて来たんだよ。さっきの男は、それが嫌なんだろう。」
「よくわからんな。」
「父さんだって、ピアノ弾いてる母さんを、婚約者から奪ったって聞いたよ。」
「母さんが勝手に俺について来たんだよ。」
「ピアノは勝手について来ないだろう。父さんは、ずっと母さんのピアノを弾いてる姿を見たくて、独り占めしたんだろう。」
「あなた、なんて名前だ?」
ナオの父は優衣の方を見た。
「青田、です。青田優衣です。」
「わざわざ、ここにピアノを弾きに来るなんて、なんか事情でもあるんだろう。頼むから、あのピアノは悲しい事に巻き込まないでくれ。いい事で弾くなら、好きにしてくれていいから。」
「はい。」
「食べたら、下げておけよ。」
ナオの父は厨房に戻った。
「ナオのお母さんは?」
「小2の時、病気で死んだんだ。」
「そうだったの。」
「父さんひどく落ち込んでたけど、毎日、厨房に立ってたよ。一昨年、祖母が死んで、名古屋のデパートで働いていた姉ちゃんがこっちに戻ってきて、跡を継いだんだ。」
「ナオがバンドを始めたのはいつ?」
「俺は高校を卒業してすぐ。一人で東京に行ったんだ。毎日、姉ちゃんと父さんがケンカするのを見てるのも嫌だったし、あの頃はなんでもできると思ってたからね。最初に組んだバンドの連中なんて、楽譜をひとつも読めないから、ずいぶんバカにしてやったよ。」
「そんなナオ、想像できない。」
「東京で夜学に通いながら、バイトして、バンドもやって、やっと掴んだデビューだったのに。呆気ないもんだよ。」
「優衣さん、これ使って。」
柊子がキレイな浴衣を持ってくる。
「いいんですか?」
「忙しくて、話しもできなくてごめんなさいね。明日は花火があるから、ゆっくりしていって。」
「ありがとうございます。」
「優衣ちゃん、お風呂入っておいでよ。」
「うん、そうする。」
ナオよりも早くお風呂から上がってきた優衣は、ギターのケースを開いていた。
どうしても、あとひとつのコードを覚えて弾きたい。
「こら!」
「ナオ、びっくりした。」
「今日は終わりって言っただろう。」
「どうしても、もう一つ覚えたくて。」
「楽器だって、寝かせてやらないと。」
「都合のいい話しだね。」
「ゆっくり休んだら、明日は違う音になってるよ。」
ナオはギターをケースに戻した。
「こっちにきてよ。」
ナオがベッドに呼んでいる。
昨日の朝川の顔が浮かんだ。
「ここでいいよ。」
「彼の事、思ってた?」
「違う。」
ナオは暗くなった優衣を見て、嘘をついているのがわかった。
「彼はどんな人なの?」
「高校の同級生。」
「ナオは、好きな人いたの?」
「俺は小1から、高校3年まで、ずっと片思い。」
「へえー、想像してたナオと違う。今、その人はどうしてるか知ってるの?」
「同級生のやつと結婚したって聞いたよ。保育士になって、今もここの保育園にいるよ。」
「会うの、辛くない?」
「もう、奥さんだしさ。」
「そっか。」
「優衣ちゃん、こっちに来てよ。」
優衣はナオの隣りに並んだ。
「ナオが弾いてた雨の音、今度教えて。」
「あの曲は適当だったから、もう弾けないよ。」
「そうなの?」
「優衣ちゃんと会う時は雨ばっかり。」
「そう?」
「雨を連れてくるみたいだよ。」
ナオは優衣の肩に手を回した。
優衣は少し、体を強張らせた。
「少し寄りかかっても、いい?」
ナオが言った。
「いいよ。」
ナオは優衣の肩に寄りかかると、目を閉じた。
優衣の肩から力が少し抜けた時、ナオはキスをしてすぐに離れた。
びっくりした優衣に
「なんでもないよ。」
ナオはそう言って笑った。
雨の音が聞こえる。
眠ろうとすればする程、窓をつたう雫の音までが聞こえてくる。
この雨が止んだら、また大事な何がなくなってしまうのだろうか。
ナオは隣りで眠る優衣を見た。
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眠っているはずの優衣は、少し震えているように感じた。
優衣の髪を撫でると、自分の布団にもぐって、また目を閉じた。
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