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隆志の心配
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周が急に黙り込んでしまった。
気になって、ちらりと横目で窺う。
怒っているようではなかったけれど、なにか考えこんでいるのがわかった。
周は考えている時、眉をひそめ、視線を下にするのだ。
地面を見ているのかどうかは定かでない。
こうなると、隆志は俄然さみしくなる。
ひとりぼっちで取り残されているような気分だった。
こっちを見てくれない周に、なにかそわそわしてくる。
「ね、ねぇ、がんちゃん……ホントにさ。好みじゃなかったんだよ?」
そろりと言ってみても無駄。
周は返事もせず、すたすた歩いていた。
正直、女の子のことはどうでも良かった。
性的な部分で興味がないわけではないけれど、彼女がほしいとは思っていない。
周としている行為があれば、エッチなんてしなくてもいいとすら思える。
周にふれ、周からふれられているだけで、ひどく気持ちいいのだ。
あれ以上のものがあるとは想像できない。
仮にあるとしても、それは周と一緒にする行為に違いなかった。
「……がんちゃんは……彼女ほしいの?」
自分は、周さえいればそれでいい。
けれど、周は違うのだろうか。
思うとものすごく不安になる。
自分以外の誰かが周にふれる可能性に、胸がもやもやしてくるのだ。
学校でも周が女の子と話しているだけで、心配になった。
なんでもなかったと気づいて、何度ホッと胸をなでおろしたかわからない。
「好きな子とか……いんの?」
ふう……と、息をついて周がようやく顔を隆志のほうへと向けた。
軽く肩をすくめる。
「好きな子ってのはいねぇけど、やっぱ誰かとつきあってみてぇとは思うだろ」
ずきんと胸が痛んだ。
周に彼女ができたら、自分はどうなるのだろうと思う。
ひとりぼっちになってしまう気がした。
「彼女できたら、がんちゃん、あんま遊んでくんなくなりそう……」
「はあ? そんならお前も彼女作れば? すぐにできんじゃねぇの?」
なにかが違うと感じる。
そういうことではないのだ。
一人になるのはさみしいけれど「誰かに」そばにいてほしいわけでもない。
一緒にいたいのは周だけだった。
「オレは、がんちゃんと一緒がいいよ」
「あのなぁ、いつまでも男二人でツルんでてどうすんだ。高校生の間に彼女の一人くらい作りてぇっつーの」
なんだかとても嫌な気分になる。
周が離れていってしまいそうで、泣きたくなった。
「いいじゃん、別に……」
「良くねぇよ」
どうすれば周を引き留められるのか、わからない。
自分より上をいく周を追いかけたことしかないからだ。
彼女ができてしまったら、確実に置いていかれる。
周は優しいので、彼女を大事にするに違いなかった。
そうなれば、自分は後回し。
今までのようにほとんどの時間を一緒に過ごしたりもできなくなる。
ほんのわずかでも、周との時間を取られたくない。
隣を歩いている周を見て、胸がきゅっとなる。
きっと周はなんとも思っていないのだ。
平然とした表情にそれを感じた。
ずきずきと痛む胸を押さえたくなっている隆志に小声で周が言う。
「もっと気持ちいいこともしてぇしさ」
それが周を引き留める方法になるのかもしれない。
周の言葉がくっきりと隆志の頭にインプットされていた。
気になって、ちらりと横目で窺う。
怒っているようではなかったけれど、なにか考えこんでいるのがわかった。
周は考えている時、眉をひそめ、視線を下にするのだ。
地面を見ているのかどうかは定かでない。
こうなると、隆志は俄然さみしくなる。
ひとりぼっちで取り残されているような気分だった。
こっちを見てくれない周に、なにかそわそわしてくる。
「ね、ねぇ、がんちゃん……ホントにさ。好みじゃなかったんだよ?」
そろりと言ってみても無駄。
周は返事もせず、すたすた歩いていた。
正直、女の子のことはどうでも良かった。
性的な部分で興味がないわけではないけれど、彼女がほしいとは思っていない。
周としている行為があれば、エッチなんてしなくてもいいとすら思える。
周にふれ、周からふれられているだけで、ひどく気持ちいいのだ。
あれ以上のものがあるとは想像できない。
仮にあるとしても、それは周と一緒にする行為に違いなかった。
「……がんちゃんは……彼女ほしいの?」
自分は、周さえいればそれでいい。
けれど、周は違うのだろうか。
思うとものすごく不安になる。
自分以外の誰かが周にふれる可能性に、胸がもやもやしてくるのだ。
学校でも周が女の子と話しているだけで、心配になった。
なんでもなかったと気づいて、何度ホッと胸をなでおろしたかわからない。
「好きな子とか……いんの?」
ふう……と、息をついて周がようやく顔を隆志のほうへと向けた。
軽く肩をすくめる。
「好きな子ってのはいねぇけど、やっぱ誰かとつきあってみてぇとは思うだろ」
ずきんと胸が痛んだ。
周に彼女ができたら、自分はどうなるのだろうと思う。
ひとりぼっちになってしまう気がした。
「彼女できたら、がんちゃん、あんま遊んでくんなくなりそう……」
「はあ? そんならお前も彼女作れば? すぐにできんじゃねぇの?」
なにかが違うと感じる。
そういうことではないのだ。
一人になるのはさみしいけれど「誰かに」そばにいてほしいわけでもない。
一緒にいたいのは周だけだった。
「オレは、がんちゃんと一緒がいいよ」
「あのなぁ、いつまでも男二人でツルんでてどうすんだ。高校生の間に彼女の一人くらい作りてぇっつーの」
なんだかとても嫌な気分になる。
周が離れていってしまいそうで、泣きたくなった。
「いいじゃん、別に……」
「良くねぇよ」
どうすれば周を引き留められるのか、わからない。
自分より上をいく周を追いかけたことしかないからだ。
彼女ができてしまったら、確実に置いていかれる。
周は優しいので、彼女を大事にするに違いなかった。
そうなれば、自分は後回し。
今までのようにほとんどの時間を一緒に過ごしたりもできなくなる。
ほんのわずかでも、周との時間を取られたくない。
隣を歩いている周を見て、胸がきゅっとなる。
きっと周はなんとも思っていないのだ。
平然とした表情にそれを感じた。
ずきずきと痛む胸を押さえたくなっている隆志に小声で周が言う。
「もっと気持ちいいこともしてぇしさ」
それが周を引き留める方法になるのかもしれない。
周の言葉がくっきりと隆志の頭にインプットされていた。
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