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4、
轍をたどる⑦
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「そしてリサと影子がここを去ってからのことは私の知る由ではありません。」
あまりの出来事に僕たちは言葉を失った。
「そこから先はお前らが経験したことがすべてだろうな。」
「そんなことがあったなんて……。」
「いや、殺人って言っても元はその男がクズだっただけだろ。」
「でも人を殺したことが覆るわけではないですよ。」
悠一は透の正論に睨みを利かせた。
「ッ……もちろん悠一君の意見には一理あると思います!しかし、法を犯した事実は消えません。」
「チィッ!」
透が眉間にしわを寄せて顔を伏せた。うなるような溜息は僕たちのため息も一緒に吐き出されたように感じた。
「あの、俺から伝文さんに尋ねてもいいですか?」
「あ?おう、どうした?」
「封筒を丸っと渡されたとしても、その残金はあるんじゃないですか?」
「というと?」
「リサさんたちが生きていけるようにと積まれた金額だとしたら、たった半年で使い切るわけではないと思ったので。」
憲司が投げかける言葉に合わせて僕たちも伝文さんを見上げると、伝文さんは突然吹き出した。
「ッ?!」
「ハハハ!!!そんなもん一銭も使ってねぇよ!!」
「え?!」
「な、どうしてですか?!そのお金は身代金として渡されたはずでは?!」
「ケッ、やっぱりイマドキの高校生は分かってねぇな~。俺なりの義理返しってやつだよ。」
「義理返し?」
「兄貴から何されても耐え続けたリサとあんなやつを殺した影子への敬意を称すってな。」
伝文さんの言葉に僕たちは空いた口が塞がらなかった。
「金はちゃんとこの施設に返してあんだよ。」
「えぇ、一円も違わずお返しいただきました。悪趣味なことに。」
「まぁそう言わないでくださいよ。俺にあの金を使う資格はないですからねぇ。」
伝文さんはそう言ってへらへらと笑った。
「で?ここまで聞いたお前らの結論は、どう決まった?」
「」
「おいおい、怖気づくのかよ。」
「ふざけんなよ、おっさん!おい、宗太もなんか言えよ。」
「うん……でもここに帰ってきたリサさんと影子さんの気持ちはどうだったんだろうって……考えちゃうんだよ……僕たちの前からいなくなったのって……母さんへのお礼だったみたいだし……。」
僕の返事に悠一もぐっと顔をしかめて口の噤んで、僕たち6人は静まり返ってしまった。
その時、僕の前に大きな影が差した……かと思うと、僕の胸ぐらが掴まれ、体はぐっと浮き上がった。
「え……?」
「何やってんだおっさん!!」
「お前ら黙ってろ。」
「ッ……。」
伝文さんの声が聞いたことがないほど低く凄んでいた。
「おい宗太。お前、本気でそう思ってんのか?」
「……思います、頼まれなきゃ僕のことなんて。」
「ダッサイ男だな、お前。」
「……。」
「つまりお前はあいつのことも、お前の母ちゃんのことも否定するってことだな?」
「ッ、違います!!「違くねぇんだよ、お前の言ったことは!!」……!」
僕の体はソファに叩き落され、僕は軽く咳が漏れた。
「その言動で、お前は周りの味方をしてくれてるやつらを否定してんだよ。」
「ッ……。」
「お前はもう一人じゃない。それは孤独からの解放だけじゃない。お前が言い出したことをこいつらは信じてるってことだ。だから関係ないやつらがここまで付いてきてんだよ。」
「……。」
「腹を決めろ。ぶちかましてみろ。」
「ッ!!」
『思いっきりぶちかましてみなさい!!』
影子さんの声が頭の中で反響して、息が詰まる。
はじめてこう言われたときだって僕は、怯んでしまったんだ……あの時は影子さんが手を引いてくれた。
そうだよ……僕はあの時も今も、勇気が必要だったんだ。
「僕、会います。影子さんたちに会いたいです。ちゃんと……ちゃんと話したい。全部知った今、話さないといけないんです。」
三船さんは僕の顔をじっと見入って核心を待った。
「影子さんと理沙さんに合わせてください。」
顔を伏せた三船さんは息を吐いて席を立った。
「ついてきてください。」
僕たちは顔を見合わせて慌てて後をついて歩き始めた。
あまりの出来事に僕たちは言葉を失った。
「そこから先はお前らが経験したことがすべてだろうな。」
「そんなことがあったなんて……。」
「いや、殺人って言っても元はその男がクズだっただけだろ。」
「でも人を殺したことが覆るわけではないですよ。」
悠一は透の正論に睨みを利かせた。
「ッ……もちろん悠一君の意見には一理あると思います!しかし、法を犯した事実は消えません。」
「チィッ!」
透が眉間にしわを寄せて顔を伏せた。うなるような溜息は僕たちのため息も一緒に吐き出されたように感じた。
「あの、俺から伝文さんに尋ねてもいいですか?」
「あ?おう、どうした?」
「封筒を丸っと渡されたとしても、その残金はあるんじゃないですか?」
「というと?」
「リサさんたちが生きていけるようにと積まれた金額だとしたら、たった半年で使い切るわけではないと思ったので。」
憲司が投げかける言葉に合わせて僕たちも伝文さんを見上げると、伝文さんは突然吹き出した。
「ッ?!」
「ハハハ!!!そんなもん一銭も使ってねぇよ!!」
「え?!」
「な、どうしてですか?!そのお金は身代金として渡されたはずでは?!」
「ケッ、やっぱりイマドキの高校生は分かってねぇな~。俺なりの義理返しってやつだよ。」
「義理返し?」
「兄貴から何されても耐え続けたリサとあんなやつを殺した影子への敬意を称すってな。」
伝文さんの言葉に僕たちは空いた口が塞がらなかった。
「金はちゃんとこの施設に返してあんだよ。」
「えぇ、一円も違わずお返しいただきました。悪趣味なことに。」
「まぁそう言わないでくださいよ。俺にあの金を使う資格はないですからねぇ。」
伝文さんはそう言ってへらへらと笑った。
「で?ここまで聞いたお前らの結論は、どう決まった?」
「」
「おいおい、怖気づくのかよ。」
「ふざけんなよ、おっさん!おい、宗太もなんか言えよ。」
「うん……でもここに帰ってきたリサさんと影子さんの気持ちはどうだったんだろうって……考えちゃうんだよ……僕たちの前からいなくなったのって……母さんへのお礼だったみたいだし……。」
僕の返事に悠一もぐっと顔をしかめて口の噤んで、僕たち6人は静まり返ってしまった。
その時、僕の前に大きな影が差した……かと思うと、僕の胸ぐらが掴まれ、体はぐっと浮き上がった。
「え……?」
「何やってんだおっさん!!」
「お前ら黙ってろ。」
「ッ……。」
伝文さんの声が聞いたことがないほど低く凄んでいた。
「おい宗太。お前、本気でそう思ってんのか?」
「……思います、頼まれなきゃ僕のことなんて。」
「ダッサイ男だな、お前。」
「……。」
「つまりお前はあいつのことも、お前の母ちゃんのことも否定するってことだな?」
「ッ、違います!!「違くねぇんだよ、お前の言ったことは!!」……!」
僕の体はソファに叩き落され、僕は軽く咳が漏れた。
「その言動で、お前は周りの味方をしてくれてるやつらを否定してんだよ。」
「ッ……。」
「お前はもう一人じゃない。それは孤独からの解放だけじゃない。お前が言い出したことをこいつらは信じてるってことだ。だから関係ないやつらがここまで付いてきてんだよ。」
「……。」
「腹を決めろ。ぶちかましてみろ。」
「ッ!!」
『思いっきりぶちかましてみなさい!!』
影子さんの声が頭の中で反響して、息が詰まる。
はじめてこう言われたときだって僕は、怯んでしまったんだ……あの時は影子さんが手を引いてくれた。
そうだよ……僕はあの時も今も、勇気が必要だったんだ。
「僕、会います。影子さんたちに会いたいです。ちゃんと……ちゃんと話したい。全部知った今、話さないといけないんです。」
三船さんは僕の顔をじっと見入って核心を待った。
「影子さんと理沙さんに合わせてください。」
顔を伏せた三船さんは息を吐いて席を立った。
「ついてきてください。」
僕たちは顔を見合わせて慌てて後をついて歩き始めた。
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