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愛は串団子のように
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「ねぇ慈郎さん、愛って一体何だと思う?」
「愛、ですか?」
「そう、愛」
帰宅早々、我ながらおかしなこと言ってんな~という感じだが、バカ真面目に話を聞いてくれるのもまた、慈郎さんの魅力の一つ。
シャツを脱ぎ捨て、用意されていたいつもの部屋着に着替えながら、俺はなんとなく頭に浮かんだフレーズで、同じことをもう一度尋ねる。
「俺と慈郎さんとサブローさん、間に挟まるのは餡……じゃなくて愛?」
「そういえば昔そんな感じの歌がありましたね。
確か団子の歌でしたっけ」
「うん、懐かしいね。
でも今はそういうことじゃなくて、愛がメイン」
「う~ん、難しいお話ですね。例えば……ですが」
そういいながら、慈郎さんはすっと俺に近づき、両手を広げた。
そんなもん迷いなく飛び込むだろ。
ぽすっ。
「今感じるお互いの鼓動が愛……ってのはどうでしょうか」
「なら恋は?」
慈郎さんの胸にぐりぐりと頭をなすりつけつつ更に言い募れば、特に困った様子もなく、慈郎さんは答えた。
「静電気……みたいなものでしょうか」
「静電気!」
突拍子もない説明に思わず顔を上げれば、その瞬間まさに、二人の間に走る静電気。
バチッ!
「イテッ!」
「あぁ、すみません、セーターが原因ですね」
「いや、オレのフリースもヤバいと思う」
冬の部屋着の定番だが、静電気もまた冬定番。
「静電気ってさ~、こうして誰かとバチッてしても、大体痛いのはどっちか一人だけなんだよな~」
「電気の抜けていったほうが痛みを感じるんでしょうね」
「俺って、帯電体質?」
「火事には気をつけましょうね」
言いながらポヤポヤになった髪を優しく撫でてくれる慈郎さん。
なんかよく分からん例えだが満足した気はする俺は、コタツに足を入れ、食卓に並んでいた唐揚げをひょいと口にほおりこむ。
ニンニク臭がじわり肉汁と一緒に広がるこの感じ。
「慈郎さんの作る料理大好き。めっちゃ幸せ」
「太郎さんは褒め上手なので、作りがいがありますよ」
ニンニクを食べてもキスできるって、紛れもなく愛だと思う。
慈郎さんはいつもほとんどテレビを見ない。
俺が帰ってきて、なんとなくのんびりした雰囲気になってから、ようやく話のネタに適当なバラエティ情報番組を流すくらいだ。
真面目なニュースは、飯が不味くなるのであまり見ない。
「今日職場の同僚に、慈郎さんと早く別れろとか言われてさー。
挙げ句、俺が付き合ってやるからとか言われたんだけど、あれはないわー」
マヨネーズをかけ、つけあわせのキューリをポリポリかじる。
「そもそもそいつノンケだし、付き合ってどうするつもりなんだろ」
普通は、男同士で性的なアレコレを想像することなどありえない。
かといって、この歳で清らかな関係は体に毒だ。
むしろアイツは俺で抜けるんだろうか。
「うわ、考えたらなんか不潔」
セクハラを訴える女性社員の気持ちが少しわかった気がする。
「ねぇ太郎さ………」
「それは太郎さんに気があるということでは?」
真剣なその声に、口に入れた唐揚げが、危うくリバースされるかと思った。
「………は?」
「愛、ですか?」
「そう、愛」
帰宅早々、我ながらおかしなこと言ってんな~という感じだが、バカ真面目に話を聞いてくれるのもまた、慈郎さんの魅力の一つ。
シャツを脱ぎ捨て、用意されていたいつもの部屋着に着替えながら、俺はなんとなく頭に浮かんだフレーズで、同じことをもう一度尋ねる。
「俺と慈郎さんとサブローさん、間に挟まるのは餡……じゃなくて愛?」
「そういえば昔そんな感じの歌がありましたね。
確か団子の歌でしたっけ」
「うん、懐かしいね。
でも今はそういうことじゃなくて、愛がメイン」
「う~ん、難しいお話ですね。例えば……ですが」
そういいながら、慈郎さんはすっと俺に近づき、両手を広げた。
そんなもん迷いなく飛び込むだろ。
ぽすっ。
「今感じるお互いの鼓動が愛……ってのはどうでしょうか」
「なら恋は?」
慈郎さんの胸にぐりぐりと頭をなすりつけつつ更に言い募れば、特に困った様子もなく、慈郎さんは答えた。
「静電気……みたいなものでしょうか」
「静電気!」
突拍子もない説明に思わず顔を上げれば、その瞬間まさに、二人の間に走る静電気。
バチッ!
「イテッ!」
「あぁ、すみません、セーターが原因ですね」
「いや、オレのフリースもヤバいと思う」
冬の部屋着の定番だが、静電気もまた冬定番。
「静電気ってさ~、こうして誰かとバチッてしても、大体痛いのはどっちか一人だけなんだよな~」
「電気の抜けていったほうが痛みを感じるんでしょうね」
「俺って、帯電体質?」
「火事には気をつけましょうね」
言いながらポヤポヤになった髪を優しく撫でてくれる慈郎さん。
なんかよく分からん例えだが満足した気はする俺は、コタツに足を入れ、食卓に並んでいた唐揚げをひょいと口にほおりこむ。
ニンニク臭がじわり肉汁と一緒に広がるこの感じ。
「慈郎さんの作る料理大好き。めっちゃ幸せ」
「太郎さんは褒め上手なので、作りがいがありますよ」
ニンニクを食べてもキスできるって、紛れもなく愛だと思う。
慈郎さんはいつもほとんどテレビを見ない。
俺が帰ってきて、なんとなくのんびりした雰囲気になってから、ようやく話のネタに適当なバラエティ情報番組を流すくらいだ。
真面目なニュースは、飯が不味くなるのであまり見ない。
「今日職場の同僚に、慈郎さんと早く別れろとか言われてさー。
挙げ句、俺が付き合ってやるからとか言われたんだけど、あれはないわー」
マヨネーズをかけ、つけあわせのキューリをポリポリかじる。
「そもそもそいつノンケだし、付き合ってどうするつもりなんだろ」
普通は、男同士で性的なアレコレを想像することなどありえない。
かといって、この歳で清らかな関係は体に毒だ。
むしろアイツは俺で抜けるんだろうか。
「うわ、考えたらなんか不潔」
セクハラを訴える女性社員の気持ちが少しわかった気がする。
「ねぇ太郎さ………」
「それは太郎さんに気があるということでは?」
真剣なその声に、口に入れた唐揚げが、危うくリバースされるかと思った。
「………は?」
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