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メタモルフォーゼは遠慮します。
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「そちらの息子さんですが、もしや彼は私と同じαなのではないかと」
「「「「は?」」」」
北川家+俺。
全員の心がその瞬間一つになった。
視線が一点に集中する中、その中心となった真は、大慌てでその発言を否定する。
「いやいや!生まれてこの方ずっと平凡なβだけど!?」
「そ、そうですよ!うちのお兄ちゃんがαとか、人に話したら鼻で笑われちゃいます!」
「な!そうだろそうだろ!?」
「無理無理、絶対ありえません!」
「そうそう、絶対ないって!
「お兄ちゃんがαだなんて夢が壊れる!!」
「ちょ、そこまで言う!?」
泣きの入った真だが、その姿はどう見てもαには見えない。
「……うちの子たちは二人共バース検査でβと判定されていますし、何かの勘違いでは?」
「勘違いで済まされるならそれでも構いませんが、私としては早めに再検査を受けることをお勧めします」
冗談を言っている素振りもなく、あくまで真剣に忠告する。
「今の状態のまま、なんの予備知識もなくヒートを迎えたΩと遭遇した場合を考えていただければ、私の言う事の意味を理解していただけるのではないかと」
その言葉に、はっきりと部長の顔色が変わったのがわかった。
「え~っと、それって、つまり?」
「「性犯罪者まっしぐらってこと!??」」
イマイチ実感のわかない俺に比べ、二人揃って頬に手を当て、「ヤバいじゃん!!」と叫ぶ北川兄妹。
由緒正しいβ家系の俺とは違って、実の父親がαだった二人には、それなりの知識もあったのだと思う。
つまり、危機感もひとしおなわけだ。
「それって、お兄ちゃんが道ですれ違ったΩをいきなり襲っちゃう可能性があるってことでよね!?」
「うわー。俺の人生オワター!」
頭を抱え、蹲る真と、心配そうにその側によってきたサブローさん。
「っていうか、もしかしてお兄ちゃん自分がαかもって自覚があったの!?」
「いや、ないないない!!でも……」
「「でも!?」」
母と妹、二人に詰め寄られる真の味方は、最早サブローさんしかいない。
「最近たまに、人の多いところに行くと変な甘ったるい匂いを感じることがあって…」
それはもしや。
「間違いなく、オメガの放つフェロモンだと思います。その時、他に何か感じたことは?」
「なんか妙にクラクラしたけど、てっきり香水か何かの匂いで人に酔ったんだと……」
完全に血の気が失せた真に、部長もまた額に手を当て思案顔。
もしかしたら今部長の頭の中には、離婚したαの元旦那の顔が浮かんでいるのかもしれない。
やがて浅く溜息を吐いた部長が、覚悟を決めた表情で慈郎さんに向けて深々と頭を下げた。
「………ご忠告、感謝します。」
「「「「は?」」」」
北川家+俺。
全員の心がその瞬間一つになった。
視線が一点に集中する中、その中心となった真は、大慌てでその発言を否定する。
「いやいや!生まれてこの方ずっと平凡なβだけど!?」
「そ、そうですよ!うちのお兄ちゃんがαとか、人に話したら鼻で笑われちゃいます!」
「な!そうだろそうだろ!?」
「無理無理、絶対ありえません!」
「そうそう、絶対ないって!
「お兄ちゃんがαだなんて夢が壊れる!!」
「ちょ、そこまで言う!?」
泣きの入った真だが、その姿はどう見てもαには見えない。
「……うちの子たちは二人共バース検査でβと判定されていますし、何かの勘違いでは?」
「勘違いで済まされるならそれでも構いませんが、私としては早めに再検査を受けることをお勧めします」
冗談を言っている素振りもなく、あくまで真剣に忠告する。
「今の状態のまま、なんの予備知識もなくヒートを迎えたΩと遭遇した場合を考えていただければ、私の言う事の意味を理解していただけるのではないかと」
その言葉に、はっきりと部長の顔色が変わったのがわかった。
「え~っと、それって、つまり?」
「「性犯罪者まっしぐらってこと!??」」
イマイチ実感のわかない俺に比べ、二人揃って頬に手を当て、「ヤバいじゃん!!」と叫ぶ北川兄妹。
由緒正しいβ家系の俺とは違って、実の父親がαだった二人には、それなりの知識もあったのだと思う。
つまり、危機感もひとしおなわけだ。
「それって、お兄ちゃんが道ですれ違ったΩをいきなり襲っちゃう可能性があるってことでよね!?」
「うわー。俺の人生オワター!」
頭を抱え、蹲る真と、心配そうにその側によってきたサブローさん。
「っていうか、もしかしてお兄ちゃん自分がαかもって自覚があったの!?」
「いや、ないないない!!でも……」
「「でも!?」」
母と妹、二人に詰め寄られる真の味方は、最早サブローさんしかいない。
「最近たまに、人の多いところに行くと変な甘ったるい匂いを感じることがあって…」
それはもしや。
「間違いなく、オメガの放つフェロモンだと思います。その時、他に何か感じたことは?」
「なんか妙にクラクラしたけど、てっきり香水か何かの匂いで人に酔ったんだと……」
完全に血の気が失せた真に、部長もまた額に手を当て思案顔。
もしかしたら今部長の頭の中には、離婚したαの元旦那の顔が浮かんでいるのかもしれない。
やがて浅く溜息を吐いた部長が、覚悟を決めた表情で慈郎さんに向けて深々と頭を下げた。
「………ご忠告、感謝します。」
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