私の推しは圧(おし)の強いowner(オーナー)

あうる

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酔っ払いモモンガ、捕獲される 2

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え。

「起きてたのか。体は大丈夫?痛むところはないか」
「え?え?え?」

予想通りの人物だったことは良かったが、こちらから何かを言う間もなく扉から入ってくるなりズカズカと近寄ってきて、顎をもたれ顔色を念入りに確認される。
まるで医師のように慣れた手つき。

「関節は多少痛むかもしれないが、後でマッサージしてやるからすぐに良くなるはずだ。
喉は乾いてないか?」
「は、はい。や……多少乾いた……かも?」

逃げようとしていたことも忘れ、思わず素直に応答してしまう。

「ちゃんと言えていい子だな。
ほら、ミント水だ。少し塩とレモンも入っている」
「はえ?」

ミント水。
それって自宅で飲めるものなのか。
お洒落なカフェとか限定ではなくて?と。
混乱するうちに、いつの間にか近くのチェストに置かれていた水差しからガラスのコップに注いだ冷たい水が手渡される。

「うわーお洒落………」
「グラスは持てる?ちゃんと一人で飲めるか?」
「お、おう」

なんだろう。
イケオジからの圧がすごい。
え?処女だったから優しくしてくれるとかそういうこと?
だとしたらなんて紳士なイケオジなんだ。
精悍な顎とゴツゴツした喉もセクシーだし、ロン毛を縛るのが女物の腰紐ともう、色気の暴力というか見ているだけでお腹いっぱいになりそう。
まぁ、実際彼のイチモツをお腹いっぱい詰めこまれた後でもあるのだが……。

「…髭は好き?」
「は?」
「嫌なら剃るぞ」
「いやいやいや!!」

思わず手に持ったコップを落としそうになる。

「完成されたイケオジか、私ごときの意見でスタイルを崩すなんてありえませんっ!」

無精髭は男性ホルモンの塊、絶対領域だ。

「痛くなかったか?」
「え?」

どういう意味だろう?と、思考停止した次の瞬間、額に当たるムニッとした感触。
ザラリ、と擦り付けられた髭が擽ったい。

ーーあ、この感触は前にも……。

ということはつまり、痛くなかったかというのは事の最中の……?

「だ、大丈夫です!!全然っ!!」
「そうか?ならよかった。
腹は減ってないか?簡単なものなら用意ができてるが」
「むしろお腹いっぱいデス」
「そうか?」

おかしいな?と言わんばかりに首を傾げるイケオジ。
そしてタイミング悪く、というかある意味では最高のタイミングで鳴り響く腹の音。

くぅ~。

「なんだ、やっぱり減ってるんじゃないか。今もってくるからいい子で待ってるんだぞ?」
「………!!」

甘い。甘すぎるキスに身悶えた。
ーーいや、違う。こんなことしてる場合じゃなくて。

「いや、お暇を……!!」

既にしまったドアに向かって叫んだところで意味などない。

「強い……」

呆然と呟いた柚香は、片手に持ったままのグラスを見つめ、完全に逃げ道を塞がれた己の現状をようやく悟るのだった。
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