眠れるsubは苦労性

あうる

文字の大きさ
12 / 15

11

しおりを挟む
「お家騒動ってのは、本人の意思関係なく厄介なものだからな。
たとえお前の幼馴染がただ単に懐かしいからっていう理由でお前を傍に呼んだとしても、周囲はそうは見ないかもしれない」
「それは――――」
「きな臭いことになる可能性も十分にあるから、気をつけろってことだ」
「はい…」

少しショックだが、確かにお互いの立場がある今、しがらみがあるのは仕方のないことだ。
だったら関わらないでほしかった、とまでは流石に言えない。
戸惑いはあったが、逢えてうれしかったのは俺だって同じだ。

「ですが社長、紬の奴を危険にまきこむのは…」
「バーカ。あいつならお前が巻き込まなくても、自分から首を突っ込んでくるにきまってるだろ。
そもそも今だってほら」
「え?」

そう言って社長が視線を向けた先。
某有名ファーストフード店のイニシャルの書かれた看板の陰に。

「……紬?」

お前、なんでそんなところに。

「……あれはあれで立派なストーカーか。
なんていうかお前って、昔から本当に変な奴にばっかり好かれるよな。ご愁傷様」

ぽんぽんと肩をたたかれなぜか拝まれたが、そんなことにはお構いなしに紬の元に駆け寄る。

「紬?お前どうして」
「折角パートナーになれたのに離れ離れになるのが寂しくて、つい……」
「つい?」
「……スマホにつけたGPSを追ってついてきちゃいました」

ーーーーー初耳だぞ、それは。

「いつの間にGPSなんてつけた?」
「あ、それは結構前からで…」
「おい」
「いや、それはもう時効かなって思ってたんですけど、正式にパートナーとして認めて貰えたわけだし、これからは正々堂々と活用しても許されるんじゃないかなって」
「ーーーーーーーー」

ちらりとあざとく上目遣いに見つめられ、絶句した。
傍やってきた社長が、その様子に「うわ」と小さく呟く。

「やべー。こいつやべーぞ綾史。警察呼ぶか?」
「……言ってることがさっきと反対ですよ、社長」
「いや、だって目がヤバいだろ。お前ちゃんと躾したのか?」
「強制不可能です」
「保健所送りにしろよ」
「あれでも犬じゃないんで一応人権があるんですよ」
「人権?は?なにそれ」
「……社長……」

鼻で笑うのが似合いすぎてシャレにならない。
それにしても、紬の奴も調子に乗りすぎだ。

「お前な…。その正々堂々としたストーカー発言は流石に引くぞ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

Dom/Subユニバース読み切り【嘉島天馬×雨ケ谷颯太】

朝比奈*文字書き
BL
🖤 Dom/Subユニバース 毎週日曜日21時更新! 嘉島天馬(クーデレ・執着Dom)× 雨ケ谷颯太(ワンコ系・甘えんぼSubよりSwitch) 読み切り単話シリーズ。命令に溺れ、甘やかされ、とろけてゆく。 支配と愛情が交錯する、ふたりだけの濃密な関係を描いています。 あらすじは各小説に記載してあります。

世界で一番優しいKNEELをあなたに

珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。 Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。 抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。 しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。 ※Dom/Subユニバース独自設定有り ※やんわりモブレ有り ※Usual✕Sub ※ダイナミクスの変異あり

待てって言われたから…

ゆあ
BL
Dom/Subユニバースの設定をお借りしてます。 //今日は久しぶりに津川とprayする日だ。久しぶりのcomandに気持ち良くなっていたのに。急に電話がかかってきた。終わるまでstayしててと言われて、30分ほど待っている間に雪人はトイレに行きたくなっていた。行かせてと言おうと思ったのだが、会社に戻るからそれまでstayと言われて… がっつり小スカです。 投稿不定期です🙇表紙は自筆です。 華奢な上司(sub)×がっしりめな後輩(dom)

不透明な君と。

pAp1Ko
BL
Dom/Subユニバースのお話。 Dom(美人、細い、色素薄め、一人称:僕、168cm) 柚岡璃華(ユズオカ リカ) × Sub(細マッチョ、眼鏡、口悪い、一人称:俺、180cm) 暈來希(ヒカサ ライキ) Subと診断されたがランクが高すぎて誰のcommandも効かず、周りからはNeutralまたは見た目からDomだと思われていた暈來希。 小柄で美人な容姿、色素の薄い外見からSubだと思われやすい高ランクのDom、柚岡璃華。 この二人が出会いパートナーになるまでのお話。 完結済み、5日間に分けて投稿。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件

ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。 せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。 クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom × (自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。 『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。 (全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます) https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390 サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。 同人誌版と同じ表紙に差し替えました。 表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

処理中です...