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30、君に出逢えて良かった (4) side 透*
しおりを挟む透は背筋を伸ばして姿勢を正すと、両手でヨーコの手を握る。
「ヨーコ、俺が悪かった。君には全部話すと言っておいて、肝心なところでカッコつけてた。ごめんな」
実はこんなにウジウジしていて。
弟に劣等感を持ち続けていて。
彼女に不安を打ち明けることも問い質すことも出来なくて……。
「こんな小っぽけな男だけど……今から言う言葉に嘘はない。聞いてくれる?」
顔を覗き込むと、ヨーコは濡れた瞳で頷いた。
「俺はヨーコのお陰で恋を知って、必死になる事を知った。感情に振り回されるのも悪く無いなって思えた。君がそう思わせてくれたんだ」
機械に向かって数字や記号を打ち込む世界から、人間の生の感情と向き合う世界へと連れ出してくれた。
お酒に酔ってクスクス笑いながらBLについて語り合う自分の姿なんて、誰が想像していただろう。
揉めるのが嫌いな自分が、感情剥き出しで恋人の元カレの腕を捻っている未来を、1年前の自分は思い浮かべる事が出来たか?
彼女の親友に叱られて、彼女の涙に狼狽えて……。
初めてだらけの経験と、自分でさえ知らなかった自分に戸惑って……だけど嬉しくて堪らないんだ。
「ヨーコ……俺は君に出逢えて良かった。最愛の女性に巡り会うことが出来たこの奇跡を、大切にしたい。ずっと俺と一緒にいて欲しい」
「それは……プロポーズなのでショウカ」
ヨーコの顔が、クシャッと歪む。
「うん、そのつもり。ただ、日本の見合い相手の方を中途半端にしたままじゃ駄目だと思う。ヨーコさえ良ければ俺から両親に話したいんだけど……いいだろうか」
ヨーコがグッと唇を引き結んでコクリと頷く。
「私も腹を括りマス。切腹覚悟で立ち向かいマスヨ。武士に二言は無いのデス!」
「ハハッ、ヨーコが腹を掻っ捌く必要は無いよ。どんな事があっても俺が守る。ちゃんとケジメをつけるから……俺を信じて」
「……ハイ」
どちらともなく顔が近付き唇が重なる。
チュッ……と軽く触れて、次はもっと深く。
ペチャッ……と音をさせて離れた時には、もうお互いの瞳が熱を孕んでいた。
「トオル……」
「うん、ここじゃ駄目だ。すぐに帰ろう。 早く抱きたい」
同時にガタッと立ち上がり、オートロックのドアから飛び出した。
*
「あっ、あん……気持ちい……っ」
「本当だ……ヌルヌル過ぎて、石鹸なのかヨーコのお漏らしなのか分からないね」
「嫌っ……そんなこと……」
「だって、ほら、また溢れてきた」
グチュッ……クチュ……
透の指の動きに合わせて、浴室に卑猥な音が響き渡る。
朝哉たちのペントハウスから飛び出した2人は、すぐにタクシーを拾って透のアパートに帰って来た。
待ちきれずにエレベーターでキスをして、玄関に入ってすぐに抱き締めあって、服を脱がせ合って。
爆発寸前だった欲情を廊下で発散させた2人は、そのまま透に手を引かれる形で浴室での第2ラウンドに縺れ込んだ。
シャワーの降り注ぐ白い浴室で、ヨーコは壁に手をつき、腰を突き出している。
後ろから伸びた左手は、ヨーコの豊満な胸を捏ね回し、その柔らかさと重みを堪能中だ。
愛撫で痼った先端を2本の指でキュッと摘まれると、顎を上げて嬌声をあげた。
「ああっ、やっ……!」
「嫌じゃない、イイんだろ? 乳首が勃ってる。ほら、イイって言って」
「い……イイっ……」
背後から耳元に口を寄せて囁かれると、子宮がキュンと疼くのを感じた。
「はっ……こっちも喜んでるね。俺の指を締め付けてる」
嬉しそうな声音で言いながら、透は上と下、両方への攻撃を緩めない。
蜜口に沈んでいる2本の指は、クチュクチュと音を立てて隘路を滑りながら、柔らかい壁の一部を擦り上げる。
「やっ! ソコ……っ!」
ヨーコのナカを知り尽くした指は、1番感じる一点を絶妙なタッチで攻めてくる。
トントン……と指の腹で刺激されると、太腿に力を入れて仰け反った。
「トオル、もう駄目デス! 駄目、イっちゃう……」
「イかせたいんだ……イって」
クチュッ、グチュッ……
指の抽送が速められる。
肩にジュッと吸い付かれ、鋭い痛みが走ったと同時に、身体の奥から甘い疼きが湧いて来た。
トドメとばかりに親指で蕾をグッと押され……。
「やっ、あっ……ああっ!」
目の前で光が弾け、ヨーコは腰をブルッと震わせて達した。
「イった?」
声が出せずに、ヨーコは壁に額を押し付けたままコクコクと頷く。
「そう……まだ頑張ってね」
「エッ!」
「ごめん……挿れる前にヨーコのエロいお尻で素股しようと思ってたんだけど……我慢出来ない」
振り返るより先に、後ろから熱いモノが貫いた。
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