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<< 妹と親友への遺言 >> side 大志

16、ボーダーライン

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 桜子への気持ちを認め、しっかりと受け入れることを決めた俺は、洗面所で顔を洗うと、「よしっ!」と気合いを入れて2階へと戻った。
 今の俺の状況や今後の苦悩を覚悟していたつもりだったけれど、俺のベッドに腰掛けている桜子を見つけると、途端に心臓がバクバク音を立て始め、誘惑に打ち勝つ自信が消え失せていった。

ーーうわっ、胸がギュンてなる!

 この歳で初恋というのも変な話だけど、たぶんこれが俺の初恋なんだろう。
 歴代の彼女には失礼だけれども、こんな胸の高鳴りは生まれて初めてだから。

 そうか……出会って9年目にして、漸く俺の恋は始まったのか……。


 「ねえねえ、お兄ちゃん、これ見て!これをもらってもいい?」

ーーマジかっ!

 桜子が立ち上がると、さっき選んだばかりの俺のTシャツを着ていた。『彼シャツ』ならぬ『兄シャツ』というヤツだ。
 俺の白いTシャツはやはり桜子には大きくて、長さが太もも近くまである。
 ショートパンツを履いているはずなのに、一見シャツ1枚だけで何も履いていないように見える。

「おう……いいんじゃない? やっぱダブダブだな」

「それがいいの。寝る時に楽チンでしょ?それに、こういう大きめのシャツの方が女の子は可愛く見えるんだって、友達が」

 なんなんだよ、その友達! 普段ならグッジョブ!って言うところだが、今の俺には拷問でしかないんだが……。

「ハハッ、お前の友達はマセてるな。まあ、確かに可愛いけど」
「可愛い?」
「うん、可愛い」

 可愛いけれど、やっぱり肩紐が見えてブラが透けている。

ーーこうして見ると……そこそこ胸があるよな。

 桜子を好きだと自覚してからの視覚的刺激はなかなか心臓に悪い。
 ついつい目線が胸や太腿に行きがちで、桜子に気付かれていないかと目が泳ぐ。

「桜子……兄ちゃんの前だからいいけれど、他の男の前では絶対にそんな格好するなよ」
「しないよ。お兄ちゃんだけだよ」

 そう言いながら桜子がポスンとベッドに腰かけるのを見て、不意に押し倒したい衝動に襲われた。

ーーお兄ちゃんだけ……か。

「桜子……」

 俺から見たら桜子なんて無力だ。右手でポンと一押しして押さえつけたら何だって出来る。

「ん、なあに?お兄ちゃん」

 屈託なく見つめられて、首を横に振った。

ーー駄目だ……そんなことをしたらこの笑顔を2度と見られなくなる。

「……俺、もう風呂に入って寝るわ。悪いけど自分の部屋に戻ってくれるか?」
「あっ、そうか。ごめんね。Tシャツありがとう」
「おう」

 桜子が立ち上がってドアに向かうと、すれ違いざまにシャンプーの甘ったるい香りがした。

ーーあっ……

「お兄ちゃん、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」

 ドアがバタンと閉まった途端、素早くドアへ駆け寄って鍵を閉めた。そのままジーンズと下着を脱ぎ捨ててベッドに飛び乗る。

 もう我慢の限界だった。漲りは大きく膨れ上がり、天井めがけてそそり立っている。
 竿の部分をグッと握りしめると、素早く上下に扱き始めた。

「く……うっ……」

 桜子の残り香に包まれながら、ついさっき見たばかりのしどけない姿を思い浮かべる。Tシャツから透けていた水色のチェックの可愛らしいブラ。スラリと伸びた脚……。

 シャツの裾から手を入れて、あのブラのホックを外したら、中から形のいい胸がこぼれ出て来るんだろう。
 シャツの上から乳首に舌を這わせたら、ピンクの先端が痼ってピンと尖るんだろうか……。

『ああっ、気持ちいい!お兄ちゃん!』

 先端を親指で擦ると透明な汁がトロトロと溢れ出す。汁で滑りが良くなり扱くスピードがアップする。

「ふっ……はぁ……」

 クチュクチュという湿った音が大きくなり、粘度を増して行く。
 腰からゾクゾクと甘い痺れが登って来たかと思うと、先端から勢い良く精が飛び出した。

「う……っ、桜子っ!」

 ビュクビュクと大量な精を放ちながら、俺は罪悪感とともに、大きな喜びを感じていた。

ーー俺は妹じゃなくて、好きな女を想いながらイったんだ……。

 好きな女でイくことがこんなに気持ちいいのかと、感動さえ覚えた。
 喜びは興奮に変わり、たった今満足したばかりのソコが、すぐにムクムクと起き上がる。

 初体験の時を思い出した。
 だけど相手の顔は霧のように霞んで、代わりにそこには桜子の顔があった。

『浅いところで掻き回して、その後一気に奥まで突き上げて!あっ、凄い!その大きいのでもっと突いて!』

ーーああ、桜子。俺ので思いっきり突き上げてやる!

 快感のさざなみが大きくなり、大波になっていく。
 息を弾ませながらひたすら右手を動かすと、あっという間に絶頂を迎えた。

 首筋から足先まで電気が流れたような快感。
 甘い余韻が何度も押し寄せて、しばらく放心状態で動けなかった。


 とうとうボーダーラインを越えた。
 もう後戻りは出来ない……と思った。

 その日から俺は、部屋の鍵を掛けるようになった。
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